ネットショップ開業で失敗しないための基礎知識。失敗談から学べることとは

ECのミカタ マーケティング部

ネットショップ開業で失敗しないための基礎知識。失敗談から学べることとは

近年ネットショッピングの需要が高まり、売上を伸ばすためにネットショップの開業を検討している方も多いのではないでしょうか。

見通しが立たないまま開業を決めてしまうと、失敗の危険性が高まります。失敗を回避するためには、実際の失敗事例や体験談を知ることが大切です。

今回は、ネットショップを成功させるために知っておきたいことを解説していきます。

ネットショップ開業で失敗しないために確認しておきたいデータ

まずは、ネットショップ開業で失敗しないために確認しておくべきデータについて解説します。

廃業率はどれくらい?

2022年の調査では、ネットショップをはじめとした無店舗販売の廃業率は増加しています。また、楽天市場で出店したショップの76%は撤退するなど、ネットショップの運営に苦戦する人は多くみられます。

しかし、必ずしも廃業率が高いとは断言できません。

2020年以降新型コロナウイルス感染症の流行で、ネットショップへの需要が高まり、新規参入するショップが増加し、それにともなって廃業が増えたと推測できるからです。

出典:

2022年度の「無店舗小売業」倒産 「飲食料品」などが押し上げ、 3年ぶりに増加|東京商工リサーチ

相次ぐ楽天市場離れ 理想に現実追いつかず|日経ビジネス

市場規模はどれくらい?

国内の電子商取引市場は、年々拡大しています。2022年の市場規模は、22.7兆円と前年の20.7兆円を上回りました。

また、電子商取引を取り入れる企業も増加しているため、今後も市場が拡大していくと考えられます。

出典:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

利用世帯はどれくらい?

ネットショッピングをおこなう世帯も年々増え続けています。2020年以降2人以上の世帯の約半数以上が、オンラインで商品を購入しているとわかっています。

利便性が高いことから、今後もネットショップの需要は継続するでしょう。

出典:令和3年版 情報通信白書|オンライン消費の増加|総務省

ネットショップ開業で失敗しやすい3つのポイント

ネットショップを開業する前に失敗しやすいポイントを押さえておけば、必要な費用や体制がみえてきます。

ここからは、失敗しやすいポイントを解説します。

開業後の集客をおろそかにする

ネットショップは、実店舗よりも存在を知ってもらうハードルが高くなります。また多数の競合店舗の中から見つけてもらうことが必要なため、認知を広げる工夫は必須です。

自社ECサイトを使用する場合は、SNSや広告、SEO対策などを積極的におこない、露出する機会を増やすべきです。また、「楽天などのECモールに出店すればすぐに見つけてもらえる」と考えがちですが、ECモール内の競合に勝る必要があるので、出店しているECモールに合った集客施策が必要です。

リピーターの確保に難航する

リピーターの確保がうまくいかないと、新規獲得のための広告費が抑えられず、運営リスクが高くなります。ネットショップでリピーターを獲得する工夫を取り入れましょう。

具体的な取り組みの例は以下のとおりです。

  • ショップ独自のクーポンやお得情報を定期発信する
  • 定期的な新商品やユーザーの声に応えたサービスを取り入れる
  • 複数の決済方法を用意する
  • 口コミを書いてもらうためのキャンペーンをおこなう

またネットショップは、24時間問い合わせできる状況に置かれています。リピーターを獲得するためには、顧客の問い合わせへの迅速な返信を心がけましょう。

顧客に安心して商品を購入してもらう工夫も必要です。

  • 信頼獲得のために運営者情報を載せたページを作成する
  • 商品カテゴリを設定して購入までの導線をわかりやすくする

売上の8割はリピーターの購入で構成されているといわれていますので、新規顧客だけでなくリピーターにも心を配りましょう。

運営コストの計算が甘い

運営コストの計算を十分におこなわず見切り発車で開業すると、利益が出ず廃業に追い込まれる可能性が高まります。

ネットショップの運営には、さまざまなコストがかかります。

  • 商品の仕入れ・製造の溜めのコスト
  • 商品の送料
  • 電子決済やクレジットカードの決済手数料
  • ECモールへの出店手数料や販売手数料
  • 梱包費用・人件費
  • 在庫管理
  • 広告費

また他店との価格競争に飲み込まれた結果として、安価での提供が必要になることもあります。

開業前に利益シミュレーションをおこなうことが、運営を継続させるために必要です。

参考:ネットショップは開業時だけなくリニューアル時の失敗にも注意

ネットショップは開業時だけでなく、リニューアル時に失敗する可能性があります。

たとえば、アパレルブランドであるユナイテッドアローズは、自社ECサイト運営を他社主導から自社主導に切り替えるシステムリニューアルで失敗しました。

約2カ月の自社サイトの休止は、店舗売上に悪影響をおよぼしたのです。

サイトやショップのリニューアルには費用や時間がかかりますから、失敗による機会・売上損失は大きくなります。

ネットショップリニューアルを視野に入れる際は、慎重におこなうべきです。

出典:

2020/3期3Q累計業績総括|ユナイテッドアローズ

ユナイテッドアローズのECサイト停止は店舗売上に悪影響――自社運営化は断念せず|ネットショップ担当者フォーラム

【アパレルEC】ネットショップ開業の失敗事例・失敗談

アパレルECは、商品のイメージやサイズ感がわからず、クレームにつながるケースがみられます。

オリジナルリュックサックを販売しているショップでは、顧客の元に商品が届いてからのクレーム対応に追われた事例があります。

具体的なクレーム内容は、リュックサックの構造、使用後の破損・品質悪化などです。

このケースでは、クレームを元に商品改良を進めたり、商品の取り扱い説明書を同封したりなど、試行錯誤を続けています。

【食品EC】ネットショップ開業の失敗事例・失敗談

食品ECには、以下の課題があります。

  • 顧客側の利便性がそれほど高くない
  • 鮮度や大きさを手に取って確認できない
  • 在庫管理にコストがかかる

在庫がはけずに廃棄になることをおそれて、在庫を多く持たず運営しているショップもあります。また在庫が少ないために「システムによる在庫管理をおこなわなくても問題ない」と考える方もいるかもしれません。

ところが、テレビや雑誌などで取り上げられ、ネットショップでの注文が殺到したことで、在庫が足りず顧客を1カ月以上待たせてしまった事例があります。

このケースでは、その後真摯に対応し、低評価の口コミはほとんどつかなかったそうです。

しかし、対応が遅れるとキャンセルやクレームが発生し、信頼感がないと判断されてしまいます。顧客に寄り添った対応を日頃から心がけていれば、トラブルを早期に回避できますよ。

また、「簡単に確認できる在庫数だから、システムはいらない」と軽く考えず、顧客の急な増加がみられたときのためにも、適切な仕入れ・在庫管理をおこないましょう。

【自社EC】ネットショップ開業の失敗事例・失敗談

大手のECモールを使っていたものの、モールへの不満や手数料の面から自社ECへの切り替えを望むケースがみられます。

しかし自社ECでは、すでに利用者が多い大手モールよりも集客が難しく、売上が伸び悩むショップも少なくありません。軌道に乗るまでは、モールよりも時間が長くかかります。

ある会社では自社ECに2度失敗し、今もなお楽天やAmazonのモールでの売上が全体の7割を占めているという事例がありました。

また、ECサイトの構築で失敗してしまう事例もあります。ある会社では、凝ったデザインのサイトを構築したところ、売上が激減しました。

運営側は、印象的なデザインを求めてしまうものですが、顧客は使いやすさや情報のわかりやすさ、決済までの安全性を求めています。

デザインにこだわりすぎたECサイトは、サイト速度を低下させたり、必要な情報を探し出すのに時間がかかったりするおそれがあります。

その結果、利用者にとって使いにくいサイトと判断され、購入率低下につながるリスクがあることを押さえておきましょう。

【越境EC】ネットショップ開業の失敗事例・失敗談

世界のEC市場は、2020年以降成長を続けています。2026年にかけて8~11%程度の成長が見込まれ、市場規模は約1,146兆円に達すると予想されています。

越境ECでネットショップを開業することは、売上を大きく伸ばすチャンスといえるでしょう。

一方で越境ECには、国内ECにない注意点があります。

  • 言語
  • 関税・許可証
  • 決済方法
  • 税金
  • 物流
  • マーケティング

ある食品メーカーが越境ECを通じて熱帯地域に商品を出荷したところ、予期せぬ商品の劣化を招いた事例があります。適切な冷蔵設備がなかったため商品の質が低下し、顧客から多くのクレームが寄せられました。

また、ある化粧品ブランドの商品がとある国の化粧品に関する基準を満たさず、販売停止に追い込まれた事例もあります。

ほかにも中東に進出したアパレルブランドが、その地域の文化や宗教的背景を理解せずに不適切なデザインの商品を販売し、失敗に終わった事例があります。

宗教的な背景や伝統にそぐわない商品の販売は、ブランドのイメージを大きく低下させる原因です。

海外に進出する際は、その国の文化や価値観、宗教について理解を深め、それらに合わせた商品展開をおこないましょう。

出典:各国における越境ECの状況|日本政策金融公庫

ネットショップは軌道に乗るまでが大変……ECコンサルに相談して成功率を高めよう

ネットショップ開業は短時間でできますが、その後の運営に苦戦するケースが多数みられます。廃業率の高さに驚かれた方も多いのではないでしょうか。

見通しが甘く、集客やリピーターの獲得、運営コストの把握ができないと、ネットショップが失敗してしまうリスクが高まります。

今回紹介した失敗事例や体験談を参考に、失敗しないネットショップを開業しましょう。

しかしネットショップを軌道に乗せるには、マーケティングや在庫管理、顧客対応などを徹底する必要があり、自社だけで進めることに苦労する方が多く見受けられます。

円滑なネットショップ運営のために、EC専門の運営代行業者を検討してはいかがでしょうか。

ECのミカタでは、ECサイトに特化したメディアを運営する専門コンシェルジュが、ネットショップ運営での疑問点や希望を丁寧にヒアリングし、最適な運営代行会社をご紹介します。

コンシェルジュへの相談や、運営代行会社の紹介は無料ですので、ネットショップ開業を検討している方は、ぜひ相談してくださいね。