カスタマーサービスの悪さで取引中止は6割超えに【株式会社プロシード調査】
株式会社プロシード(以下:プロシード)は米COPC Incと協力し、グローバルのコンタクトセンター関係者および顧客に対してカスタマーサービスに関連する戦略や体験についてのアンケート調査を実施した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査期間:2023年1月16日~5月31日
◆調査対象:全世界約1000名のコンタクトセンター関係者および18歳~60歳以上の男女5600名
◆調査方法:インターネット
◆出典元:65%の顧客がカスタマーサービスの悪さから取引をやめたと回答~グローバルの組織と顧客に対して「カスタマーサービスに関する調査」を実施~(株式会社プロシード)
初回の連絡における解決率はどのチャネルでも50%以下
まず、全対象へ「過去3カ月以内に、カスタマーサービスやテクニカルサポートに関する質問を解決するために、どこかの組織に連絡したことがありますか?」との質問に72%の人が「はい」と回答。多くの人がカスタマーサービスを活用している現状が明らかとなった。
また、質問した内容が解決されているかを把握するためにチャネル(連絡窓口)ごとに「課題が解決したか」「解決までにかかった連絡の回数」についてヒアリング。
結果はそれぞれ上の図表の通りとなり、初回の連絡における解決率はどのチャネルでも50%以下で、最も高いものはウェブチャットの48%だったことが分かった。
3割以上がカスタマーサービスを受けない選択を取る
全対象へ「過去12カ月以内に、カスタマーサービスが必要な問題に対して行動を起こすことを避けたことがありますか?」と質問したところ、33%が「はい」と回答。連絡をしない人が一定数存在していることが判明した。
「はい」と回答した理由のうち、最も多かったのは「不便なため」で、以降は「過去の悪い経験から」「解決できないと思ったから」が続く。つまりサービスやチャネルの設計が不便だと、それだけで機会損失をしている可能性がある。
組織と顧客の認識にギャップが生まれている可能性
「カスタマーサービスが必要な問題を解決するために、複数のチャネル(電話、Eメール、ソーシャルメディアなど)を使用する必要がありましたか?」という質問に対して、63%が「はい」と回答。
また「はい」と回答した人に「複数のチャネルに跨って、プロセスを進めた理由は何ですか?」と質問し、さらに組織側がどれほど現状を理解できているかも把握するため、組織側には「顧客が複数のチャネルに跨って、プロセスを進める理由はなんだと思いますか?」とヒアリングした。
結果は上の図表の通りとなった。つまり組織では58%が自主的だと認識しているのに対して、顧客は(実際は)38%のみが自主的だったと回答。
組織の回答で最も高かったのは「解決を早めるため」で40%だったが、顧客側の回答は13%のみと約3倍の差が生まれている。
一方、顧客の回答で最も高かったのは「カスタマーサービスプロセスからそのようにせざるを得ないから」が34%の割合を占めた。
以上を鑑みると、多くの組織は顧客に対して様々なチャネルを並行した問い合わせ体験を強いている可能性があることが分かる。
顧客満足度、リピート率向上のためにはスムーズな問い合わせ体制の構築が必須だ。今回の調査を自社の状況を把握するのに役立てていただければ幸いだ。