AIチャットボットによりコールセンターの無人対応比率81%に 営業時間も短縮へ

ECのミカタ編集部

アンファーが、コールセンターの無人対応比率81%を達成

カスタマーサポートDXを推進するカラクリ株式会社(以下:カラクリ)は、アンファー株式会社(以下:アンファー)が運営する公式通販の顧客対応チャネルに、高精度AIチャットボット「KARAKURI chatbot」を2020年より導入し、カスタマーサポート業務の無人化対応比率81%(※1)を達成したことを公表した。
※1:2023年7月~9月の総対応数に対する無人対応(FAQ・チャットボット)の対応比率を算出

コールセンターの営業時間も3時間短縮

「KARAKURI chatbot」は自然言語処理技術を活用しており、より自然な会話での1問1答が可能である。

アンファーでは24時間365日の自動対応だけでなく、チャットボットに入力された問い合わせ内容からFAQやサイト内の改善も実現。定期購入者の多くが利用しており、チャットボットからのお困りごとを抽出し、サイト上の表記に反映させた。

また、定期購入内容の柔軟性を高めるなど、サービス提供の改善にも活用。これによって、サイト上の利便性が向上し、2023年9月にはFAQとチャットボットによる無人対応比率は単月で最大81%まで増加した。さらに、コールセンターへの電話問い合わせ数も減少したため、コールセンターの営業時間を「午前9時から午後9時まで」から「午前9時から午後6時まで」に短縮させることに成功した。

サイレントカスタマーの掘り起こしを計画

「KARAKURI chatbot」導入について、アンファーは以下のようにコメントしている。

「『スカルプD』の提供をはじめ、世の中に革新的な商品を提供しつづけるアンファーの根幹にあるのは『新しい挑戦』です。2020年、基幹システムのリプレイス及びECサイトリニューアルプロジェクトが発足した際も、アンファーが重要視したのは『新しい顧客体験の創出』でした。そこで、当時はまだ一般的ではなかったチャットボットに着目し、サイレントカスタマー(疑問があるのに問い合わせをせずに離脱する顧客層)の掘り起こしを計画いたしました。数あるAIチャットボットの中でも高精度な回答と導入前後のサポート体制をご評価いただき、『KARAKURI chatbot』の導入が決定いたしました」。

問い合わせハードルを下げ、ストレートな意見を収集する

チャットボットのメリットの1つとして、問い合わせハードルが低いことがあげられるだろう。

スカルプDや発毛剤といった商品は悩み商材ということで、少しセンシティブな側面を持っている。アンファーは電話より問い合わせハードルが低いチャネルを準備することで「円形脱毛症には効きますか」「高校生でも使えますか」といった顧客のストレートな声や「スプレー機内持ちこみ」といった入力内容から利用シーンの収集を可能にしている。

コマースデジタルデザイン部EC課課長の植木将太氏は「導入当初は、定期ご購入者のチャットボット利用は頻度が低いと仮説を立てましたが、実際には多くの方が発送日や購入フローなどを確認されているという分析結果が出ました」と、ビジネス面においても新たな発見があったと述べている。

人間よりも悩みを打ち明けやすく、気軽な相談、確認が実現するチャットボットの活用シーンはますます増えていくだろう。新たな顧客体験を創出し続けるAI技術の進歩に今後も注目したい。


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