佐川急便を中核とするSGホールディングスグループにおいてIT統括事業を担うSGシステム株式会社（以下：SGシステム）は2024年5月17日、TC（通過型物流センター）（※1）事業者向けに特化した出荷検品システム「Biz-Logi TC」をリリースしたことを公表した。
※1：Transfer Centerの略で、通過型物流センターとも呼ばれる。在庫を持たない物流センターのことで、入荷した荷物の仕分けやトラックへの積み替えだけを行う施設。

TC業務における人為的な仕分けミスを抑制

「Biz-Logi TC」の主な特徴は以下の通りとなる。

◆SCMラベル（※2）単位で個口検品が可能
荷物の仕分けやトラックへの積み替えなどに重点が置かれたTCならではの個口検品に対応。荷物に貼り付けられたSCMラベルのバーコードをハンディターミナルで読み取ることで店番や店名、個数などを正確に把握でき、TC業務における人為的な仕分けミスを抑制する。

◆店舗別のカゴ車積付検品も可能
SCMラベル単位だけでなく、それらを積載したカゴ車単位でも検品可能。事前にカゴ車の積載内容を登録しておけば、出荷および配達時にSCMラベル単位でバーコードを読み取る必要がない。

◆作業進捗がリアルタイムで管理可能
TCへの入荷から店舗配達までの作業進捗や配送状況などをリアルタイムでトラッキング（追跡）。本部や店舗において今どこに何があるのかを把握することができるため、仕入先への問い合わせが不要になる。

※2：Shipping Carton MarkingまたはShipping Container Markingの略。出荷する際に梱包箱などに貼るバーコードがついた納品ラベルのこと。

物流現場における高効率化に寄与する

TC業務は、店舗別の仕分けの有無やラベル管理手法の違いなど業務要件が企業ごとに多岐に渡る。そのため、TC業務のデジタル化には要件に沿ったシステムを企業ごとに構築する必要があり、導入には長い期間を要することから、未だ多くのTCで目視での検品や手仕分けが行われている状況だ。

今回、SGシステムが開発した「Biz-Logi TC」は、特に多店舗展開する小売業や卸売業などの顧客要望の中から共通する要件を抽出し、標準機能として搭載することで、従来よりも短期間でのシステム導入が実現。また、企業ごとの要件に沿ってカスタマイズすることで、各顧客に応じた利用が可能なシステムとなっている。

SGシステムは今後も、SGホールディングスグループで培ってきたIT・デジタル技術のさらなる向上に取り組み、物流現場における高効率化に寄与する姿勢を見せる。「Biz-Logi TC」の活躍によって、小売業などの検品作業と配送の品質改善が期待される。今度の動向に注目したい。