楽天市場の販売手数料まとめ。プランごとの手数料率と計算方法を紹介

ECのミカタ マーケティング部

楽天市場の販売手数料まとめ。プランごとの手数料率と計算方法を紹介

楽天市場に出店して商品が売れた際に支払うのが販売手数料(システム利用料)です。楽天市場の販売手数料は計算方法が複雑なため、出店した場合、どれくらいの金額がかかるかがイメージできない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、プラン別の楽天市場の販売手数料や計算方法を具体的に解説します。AmazonやYahoo!ショッピングといった、ほかの大手モールの販売手数料とも比較するので、ぜひ参考にしてください。

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楽天市場の販売手数料(システム利用料)とは

楽天市場に出店する際には、出店料やR-Messe利用料など、さまざまな手数料がかかります。そのなかでも、月間売上高に適用料率を乗じて算出される販売手数料は、全店舗共通で支払う必要がある手数料です。

楽天市場の販売手数料の基本的な計算方法は以下のとおりです。

販売手数料(システム利用料)=課金対象額×適用料率

課金対象額とは、定期購入や頒布会サービスでの購入を除く月間売上高を指します。適用料率は出店プランや月間売上高によって異なります。

なお、楽天市場の販売手数料の正式名称は「システム利用料」ですが、本記事では引き続き販売手数料と表記します。

出典:月額コストと手数料の詳細|Rakuten出店案内

楽天市場の販売手数料の仕組み

次に、楽天市場の販売手数料の仕組みについて、特徴的な点を解説します。

モバイル経由とパソコン経由で適用料率が異なる

楽天市場の販売手数料は、モバイル経由の売上とパソコン経由の売上で適用料率が異なります。たとえば、「がんばれ!プラン」で出店中で月間売上高が50万円以下の場合、適用料率は以下のとおりです。

パソコン経由 6.5%
モバイル経由 7%

出店プランによって適用料率の計算方法が異なる

楽天市場では3つの出店プランがあり、プランによって適用料率の計算方法が異なる点も特徴的です。

がんばれ!プランの場合は月間売上高によって段階的に適用料率が決められています。

一方、「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の場合は、「平均バスケット単価」と月間売上高の相関によって適用料率が設定されます。平均バスケット単価は以下の式で算出されます。

平均バスケット単価=月間通常販売額÷月間通常販売件数

たとえば、スタンダードプランで出店中で月間売上高が100~200万円の場合、パソコン経由の適用料率は以下のとおりです。

平均バスケット単価 適用料率
0~1.5万円 3.0%
1.5~3.5万円 2.8%
3.5~5万円 2.6%
5万円以上 2.4%

つまり、客単価が高ければ高いほど適用料率が下がる仕組みになっています。

適用料率は月間売上高に応じて段階を踏んで適用される

たとえば、がんばれ!プランで出店中でパソコン経由での月間売上高が80万円の場合、適用料率は以下のとおりです。

月間売上高 適用料率
0~50万円 6.5%
50万~100万円 6.0%

この場合の販売手数料率は以下のように計算されます。

  • 50万円×6.5%=32,500円(~50万円の適用料率)
  • 30万円×6.0%=18,000円(~100万円の適用料率)

合計:32,500円+18,000円=50,500円

「80万円×6.0%=48,000円」ではありませんので、ご注意ください。

出典:月額コストと手数料の詳細|Rakuten出店案内

画像リンクの例 画像リンク

【プラン別】楽天市場の販売手数料率

ここでは、プラン別に販売手数料の適用料率を紹介します。

がんばれプラン

がんばれプランの経由別適用料率は以下のとおりです。

パソコン経由

月間売上高 ~50万円 ~100万円 ~500万円 ~1,000万円 1,000万円~
適用料率 6.5% 6.0% 5.5% 4.5% 3.5%

モバイル経由

月間売上高 ~50万円 ~100万円 ~500万円 ~1,000万円 1,000万円~
適用料率 7.0% 6.5% 6.0% 5.0% 4.0%

出典:月額コストと手数料の詳細|Rakuten出店案内

スタンダードプラン

スタンダードプランの経由別適用料率は以下のとおりです。

パソコン経由

月間売上高
平均バスケット単価
~100万円 ~200万円 ~300万円 ~500万円 ~1,000万円 ~3,000万円 3,000万円~
0~7,000円 4.0% 3.0% 3.0% 2.8% 2.8% 2.6% 2.4%
7,000~1.5万円 3.0% 2.8% 2.8% 2.6% 2.4% 2.4%
1.5~2.5万円 2.8% 2.8% 2.6% 2.4% 2.4% 2.2%
2.5~3.5万円 2.8% 2.6% 2.4% 2.4% 2.2% 2.2%
3.5~5万円 2.6% 2.4% 2.4% 2.2% 2.2% 2.0%
5万円~ 2.4% 2.4% 2.2% 2.2% 2.0% 2.0%

モバイル経由

月間売上高
平均バスケット単価
~100万円 ~200万円 ~300万円 ~500万円 ~1,000万円 ~3,000万円 3,000万円~
0~7,000円 4.5% 3.5% 3.5% 3.3% 3.3% 3.1% 2.9%
7,000~1.5万円 3.5% 3.3% 3.3% 3.1% 2.9% 2.9%
1.5~2.5万円 3.3% 3.3% 3.1% 2.9% 2.9% 2.7%
2.5~3.5万円 3.3% 3.1% 2.9% 2.9% 2.7% 2.7%
3.5~5万円 3.1% 2.9% 2.9% 2.7% 2.7% 2.5%
5万円~ 2.9% 2.9% 2.7% 2.7% 2.5% 2.5%

出典:月額コストと手数料の詳細|Rakuten出店案内

メガショッププラン

メガショッププランの経由別適用料率は以下のとおりです。

パソコン経由

月間売上高
平均バスケット単価
~100万円 ~200万円 ~300万円 ~500万円 ~1,000万円 ~3,000万円 3,000万円~
0~7,000円 4.0% 3.0% 3.0% 2.8% 2.8% 2.6% 2.4%
7,000~1.5万円 3.0% 2.8% 2.8% 2.6% 2.4% 2.4%
1.5~2.5万円 2.8% 2.8% 2.6% 2.4% 2.4% 2.2%
2.5~3.5万円 2.8% 2.6% 2.4% 2.4% 2.2% 2.2%
3.5~5万円 2.6% 2.4% 2.4% 2.2% 2.2% 2.0%
5万円~ 2.4% 2.4% 2.2% 2.2% 2.0% 2.0%

モバイル経由

月間売上高
平均バスケット単価
~100万円 ~200万円 ~300万円 ~500万円 ~1,000万円 ~3,000万円 3,000万円~
0~7,000円 4.5% 3.5% 3.5% 3.3% 3.3% 3.1% 2.9%
7,000~1.5万円 3.5% 3.3% 3.3% 3.1% 2.9% 2.9%
1.5~2.5万円 3.3% 3.3% 3.1% 2.9% 2.9% 2.7%
2.5~3.5万円 3.3% 3.1% 2.9% 2.9% 2.7% 2.7%
3.5~5万円 3.1% 2.9% 2.9% 2.7% 2.7% 2.5%
5万円~ 2.9% 2.9% 2.7% 2.7% 2.5% 2.5%

出典:月額コストと手数料の詳細|Rakuten出店案内

【事例】楽天市場の販売手数料の計算方法

楽天市場の販売手数料の具体的な計算方法について、プラン別に事例を挙げながら解説します。

がんばれ!プランの場合

がんばれ!プランで出店中で、パソコン経由での月間売上高が80万円、モバイル経由での月間売上高が250万円の場合、販売手数料の計算方法は以下のとおりです。

パソコン経由(月間売上高80万円)

50万円×6.5%=32,500円(~50万円の適用料率)
30万円×6.0%=18,000円(~100万円の適用料率)

合計:32,500円+18,000円=50,500円

モバイル経由(月間売上高250万円)

50万円×7.0%=35,000円(~50万円の適用料率)
50万円×6.5%=32,500円(~100万円の適用料率)
150万円×6.0%=90,000円(~500万円の適用料率)

合計:35,000円+32,500円+90,000円=157,500円

パソコン経由とモバイル経由の合計

50,500円+157,500円=208,000円

つまり、この場合月間売上高が330万円に対して、販売手数料は20万8,000円かかります。

スタンダードプランの場合

スタンダードプランで出店中で、平均バスケット単価が3万円、パソコン経由での月間売上高が250万円、モバイル経由での月間売上高が250万円の場合、販売手数料の計算方法は以下のとおりです。

パソコン経由(月間売上高250万円)

100万円×4.0%=40,000円(~100万円の適用料率)
100万円×2.8%=28,000円(~200万円の適用料率)
50万円×2.6%=13,000円(~300万円の適用料率)

合計:40,000円+28,000円+13,000円=81,000円

モバイル経由(月間売上高250万円)

100万円×4.5%=45,000円(~100万円の適用料率)
100万円×3.3%=33,000円(~200万円の適用料率)
50万円×3.1%=15,500円(~300万円の適用料率)

合計:45,000円+33,000円+15,500円=93,500円

パソコン経由とモバイル経由の合計

81,000円+93,500円=174,500円

この場合、月間売上高500万円に対して、販売手数料は17万4,500円かかります。

メガショッププランの場合

メガショッププランで出店中で、平均バスケット単価が3万円、パソコン経由での月間売上高が350万円、モバイル経由での月間売上高が350万円の場合、販売手数料の計算方法は以下のとおりです。

パソコン経由(月間売上高350万円)

100万円×4.0%=40,000円(~100万円の適用料率)
100万円×2.8%=28,000円(~200万円の適用料率)
100万円×2.6%=26,000円(~300万円の適用料率)
50万円×2.4%=12,000円(~500万円の適用料率)

合計:40,000円+28,000円+26,000円+12,000円=106,000円

モバイル経由(月間売上高350万円)

100万円×4.5%=45,000円(~100万円の適用料率)
100万円×3.3%=33,000円(~200万円の適用料率)
100万円×3.1%=31,000円(~300万円の適用料率)
50万円×2.9%=14,500円(~500万円の適用料率)

合計:45,000円+33,000円+31,000円+14,500円=123,500円

パソコン経由とモバイル経由の合計

106,000円+123,500円=229,500円

この場合、月間売上高700万円に対して、販売手数料は22万9,500円かかります。

楽天市場の販売手数料の平均は?

楽天市場での販売手数料の平均を導くためには、全店舗の平均月商を把握する必要がありますが、2024年6月現在、公式の情報が出ていません。

そのため、ECサイト運営をスタートし、最初に目指したい月間売上高100万円を達成した場合のプラン別販売手数料を具体的な計算式と併せて紹介します。

なお、経済産業省が発表している「令和4年度電子商取引における市場調査」によると2022年のBtoC-EC市場におけるスマートフォン利用比率は56.0%となっています。よって、月間売上高100万円の経由別売上高はパソコン44万円、モバイル56万円であると仮定します。

出典:令和4年度電子商取引における市場調査|経済産業省

がんばれプランの場合

がんばれ!プランで出店中で月間売上高100万円を達成した場合の販売手数料は67,500円です。計算方法は以下のとおり。

購入経路 月間売上高 計算式 販売手数料
パソコン 44万円 44万円×6.5%(~50万円の適用料率) 28,600円
モバイル 56万円 50万円×7.0%(~50万円の適用料率)
6万円×6.5%(~100万円の適用料率)
35,000円+3,900円=38,900円

つまり、販売手数料の合計は28,600円+38,900円で67,500円となります。

スタンダードプラン・メガショッププランの場合

スタンダードプランおよびメガショッププランで出店中で、月間売上高100万円を達成した場合の販売手数料は42,800円です。計算方法は以下のとおりです。

購入経路 月間売上高 計算式 販売手数料
パソコン 44万円 44万円×4.0%(~100万円の適用料率) 17,600円
モバイル 56万円 56万円×4.5%(~100万円の適用料率) 25,200円

つまり、販売手数料の合計は、17,600円+25,200円で42,800円となります。

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楽天市場の販売手数料は高い?

最後に、楽天市場と同様に大手モールであるAmazonとYahoo!ショッピングと比較し、楽天市場の販売手数料が高いか否かについて検証します。

Amazonと楽天市場の比較

Amazonの販売手数料は商品カテゴリーによって異なり、6%~45%と大きな幅があります。前章の計算式を見ればわかるように、月額売上高が100万円の場合、楽天市場の販売手数料は4.3%~6.8%であるため、月額売上高が100万円前後の場合は楽天市場のほうが安くなる場合が多いでしょう。

しかし、取り扱う商品や月額売上高によってはAmazonのほうが安くなるケースもあるため、自社の状況に合わせて試算することをおすすめします。

出典:出品にかかる費用|amazon.co.jp

Yahoo!ショッピングと楽天市場の比較

Yahoo!ショッピングは販売手数料を設定していませんが、決済方法によって手数料がかかる「ストア決済サービス手数料」が実質、販売手数料であると考えてよいでしょう。ストア決済サービス手数料は3.0%~4.48%で設定されています。

月額売上高が100万円の場合の楽天市場の販売手数料(4.3%~6.8%)と比較すると、Yahoo!ショッピングのほうが安くなるケースが多いといえます。しかし、Amazonと同様に決済方法や月額売上高などの条件によって販売手数料は変わるため、こちらも試算が必要です。

出典:決済方法について|Yahoo!ショッピング

楽天市場で利益率の高いEC運営を目指すならECコンサルのサポートを受けるのがおすすめ◎

本記事では、楽天市場の販売手数料に関して、仕組みの特徴や具体的な計算方法、AmazonやYahoo!ショッピングと比較しつつ解説しました。

楽天市場の販売手数料の計算方法は非常に複雑で、適用プランや月額売上高、平均バスケット単価によって販売手数料は大きく変動します。自社に合った適切な運営戦略をとっていくことが重要ですが、戦略の組み立て方に不安がある方もいるでしょう。

ECサイトの運営に不安や悩みを抱えている方は、ECサイト運営専門のコンサルのサポートを受けることをおすすめします。

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