2023年の日中貿易の総額は前年比約10%減 両国の消費意欲の低迷が要因か

ECのミカタ編集部

2023年の日中貿易は2桁減、輸出と輸入がともに減少

日本貿易振興機構(以下:ジェトロ)は2024年6月13日、2023年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ(※1)、貿易総額は前年比10.4%減の3347億974万ドル(※2)、過去最高の2021年から2年連続の減少となったことを公表した。
※1日本の財務省貿易統計と中国の海関(税関)統計を基にする

電気機器、機械類などの対日輸入が減少

2023年の日本の対中輸出(中国の対日輸入)は前年比13.0%減の1608億2283万ドルと、2021年に2000億ドルを超え過去最高となって以降、2年連続で2桁の減少に。

HSコードの2桁分類の上位4品目は、以下のような結果となった。

◆1位:電気機器(第85類) 12.4%減の440億238万ドル(構成比27.4%)
◆2位:機械類(第84類) 7.8%減の340億2804万ドル(構成比21.2%)
◆3位:車両(第87類) 22.3%減の121億1998万ドル(構成比7.5%)
◆4位:精密機器および医療用機器(第90類)  12.9%減の121億662万ドル(構成比7.5%)

対中輸入においても電気機器、機械類が減少

一方で、2023年の日本の中国からの輸入も前年比7.9%減の1738億8691万ドルと、2020年以来の減少。

HSコードの2桁分類の上位4品目は、以下のような結果となった。

◆1位:電気機器(第85類) 4.7%減の508億7764万ドル(構成比29.3%)
◆2位:機械類(第84類) 10.0%減の304億5739万ドル(構成比17.5%)
◆3位:衣類・同付属品(第61類) 12.1%減の65億7275万ドル(構成比3.8%)
◆4位:玩具、遊戯用具および運動用具(第95類) 1.7%増の58億915万ドル(構成比3.3%)

両国の消費意欲の低迷が要因か

2023年に中国の実質GDP成長率は5.2%と2022年より2.2ポイント上昇したが、不動産市場の低迷や民間投資の不振、消費意欲の低迷がみられた。日本においても景気は緩やかな回復局面にあったものの、消費や投資に力強さを欠いた。

今回、2年連続の減少に至った要因としては、こうした両国の状況などが背景にあると考えられる。

日本の中国に対する貿易収支は、2022年に続いて輸入超過になり、130億6408万ドルの赤字となった。2024年の日中貿易の動向はどう変化するのか。今後の展開に注目したい。


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