広告のNo.1表記が商品購入に及ぼす影響は? GMOリサーチ&AI調査
インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ&AI株式会社(以下:GMOリサーチ&AI)は、保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel」の4914人を対象に、広告の「No.1」表記に関する自主調査を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査テーマ:「No.1表記・広告に関する」実態調査
◆回答者数:4914人
◆調査対象:20歳以上の男女
◆調査期間:2024年5月23〜24日
◆調査方法:オンライン調査
◆出典元:広告の「No.1」表記の実態(GMOリサーチ&AI株式会社)
優良な商品イメージに繋がる傾向
「No.1」表記が購入の動機に影響するかを質問したところ、影響する(かなり影響する・影響する・やや影響する)と回答した人が58.7%を占めた。半数以上が「No.1」表記を購入時の検討材料として活用していることがうかがえる。
また、「No.1」表記のついている商品・サービスを見てどのように感じるかについては、約4割がよく売れている商品と回答。
多くの消費者が支持している商品、優れた商品との回答が上位を占めるなど「No.1」表記が優良な商品イメージに繋がっていることが明らかとなった。
根拠まで確認する消費者は少数派
「No.1」表記について、どのようなデータ(根拠)か確認するか質問したところ、46.9%の人が「ほとんど確認しない・確認しない」と回答。信頼感を得る一方で、根拠まで確認する人は全体的に少ないということが明らかとなった。
そのため、根拠が不十分であったり実際には「No.1」ではなかったりする場合でも、多くの消費者がその商品を優れていると感じて購入するケースは少なくないはずだ。
消費者が「No.1」と誤認する可能性が生じる上に、企業側も意図せず消費者を誤解させてしまうリスクがあると認識すべきだろう。
摘発によるイメージダウンは避けられない
消費者庁による「No.1」広告の摘発を受けた企業の商品・サービスの今後の購入意向については、49.6%が「比較検討はするが、大きなメリットがない限り利用しない」、29.5%の人が「今後購入しないと思う」と回答。
摘発によって企業・商品イメージが悪化し、顧客離れに繋がっていることが判明した。
その理由については、以下のように厳しい意見が並ぶ。
◆誠実な企業ではないイメージ。顧客をだますような行動に対し、企業の考え方に疑問を感じる。
◆消費者を欺く広告であると企業自身が認識していたはず。かなり悪質であり、ブランド力が大幅低下。
◆宣伝文句だけではなく商品の実際のスペックや効果等も偽っているのではないかと疑ってしまう。
「No.1」表記は有効なブランディング戦略の一つだが、「No.1」の獲得には慎重な判断が必要である。独自調査だけではなく、公的機関や第三者機関を通じた検証も行わなければならない。
景品表示法をはじめとする法令を順守し、透明性・信頼性を確保した「No.1」を獲得した上での訴求を心がけたい。