2024年4月の宅配便再配達率は約10% 前年同月より約1.0ポイント減少 国土交通省調査
国土交通省は、再配達に関する調査を2024年4月に実施、結果を公表した。本記事ではその概要についてポイントを絞って確認する。
前年同月と比較して1.0ポイント減少
2024年4月の宅配便再配達率は約10.4%となり、前年同月(約11.4%)と比較して約1.0ポイント減、昨年10月(約1.1%)とよりも約0.7ポイント減少する結果となった。
本調査は宅配事業者の側から定量的に調査を行うことによって、宅配便の再配達状況の時系列変化を把握。ドライバー不足などの人手不足が深刻化する状況において、今後の再配達率削減に向けた各施策検討のための基礎資料を得ることを目的にしている。
調査開始は2017年(平成29年)10月以降であり、今回の調査結果を含めた再配達率の推移は以下のグラフの通り。緩やかではあるが、確実に減少傾向にあることが見受けられるだろう。
※画像元:宅配便の再配達率のサンプル調査 報道発表資料別紙(国土交通省)
再配達率6%を目指した取り組み強化が求められる
近年、多様化するライフスタイルとともにEC市場が急速に拡大し、2022年には、EC市場が全体で22.7兆円規模、物販系分野で13.9兆円規模となった(※1)。また、2022年はECの拡大に伴い宅配便の取扱個数は約50億個にまで急増した(※2)。
こうした状況を背景に、宅配事業者の負担も増加している。2023年6月に関係閣僚会議で取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ(※3)」では、2024年(令和6年度)に再配達率6%を目指すことが盛り込まれることになった。
今回の調査では宅配便再配達率は約10.4%となり、昨年同月と比較して1.0ポイント減少した。しかし、目標とする「6%」まではまだまだ遠い位置にいることは否めないだろう。
国土交通省は「再配達率削減緊急対策事業の補助金」として、物流負荷軽減に繋がる取り組みに対してインセンティブを与えるといった取り組みも推進している。
本格化する「2024年問題」をはじめ、物流を取り巻く様々な課題解決には物流に関わる全ての人達の協力が必要だ。次回調査時期である2024年10月に向け、さらなる取り組み強化を心がけたい。
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※2:国土交通省「令和4年度宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」より
※3:内閣官房「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」決定等