株式会社ギャプライズ（以下：ギャプライズ）は2024年6月21日、2024年6月国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキングを発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

ランキングトップはLCP1.104

本ランキングは、日本ネット経済新聞社が発表した通販売上高ランキングTOP530社のうち、上位100社を対象に、2024年6月のデータを調査して作成された。

調査には、Google社のChromeユーザーエクスペリエンスレポートの公式データセット（※1）を使用し、各サイトのドメインレベルで4G回線かつモバイルデバイスのLCP（最大コンテンツの描画）を比較。複数のECサイトを運営している場合は、いずれか一つのみを対象としている。

ランキングトップ10は以下の通り。

※画像元：2024年6月更新版　国内ECサイト表示速度ランキングTOP100位を公開（株式会社ギャプライズ）
※1：Chromeユーザーがウェブ上の人気ページに実際にアクセスしたときの状況を反映したデータセット

総合ECサイトでは2秒前後のスコアが目立つ

Googleは、LCP（最大視覚コンテンツの表示時間）の基準値を定めており、ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCP要素が表示されればユーザー体験は良好、4秒を超えるとユーザー体験が低いと判断される。

上位にランクインしたサイトの傾向を見ると、特定ジャンルに特化したサイトのLCPスコアが良好な一方、10位以下に位置する大規模な総合ECサイトでは2秒前後のスコアが目立つ結果となった。

このことから取扱商品点数の多さや、サイト構造の複雑さが表示速度に影響していることが考えられるだろう。

一方、大規模ECサイトの中にもLCPスコア1秒台を実現している企業もあり、サイト規模に関わらず高速化の余地があることがうかがえる。

画像の最適化などでLCPの改善が期待

ギャプライズはサイトのロード時間を短縮し、ユーザー体験を改善することは、現代のウェブサイト運営において重要な課題であると指摘。LCPに改善のためのヒントとして、以下の内容を提示した。

◆画像の最適化
デバイスの画面サイズに合わせて、適切なサイズの画像を提供することで、不必要なデータのロードを防ぐ。

◆CSSとJavaScriptの最適化
ページロードに影響を与える不要なJavaScriptファイルやコードの削除を実施。

◆サーバー応答時間の改善
サーバーの応答時間に大きな影響を与えるため、信頼できる高速なホスティングサービスの選択が重要。

◆レンダリングの最適化
必要なデータのみを最初にロードし、残りはユーザーのアクションに基づいて動的にロードすることで、初期ロード時間を短縮する。

上記は一例となるが、こうした対策によってLCPの大幅改善が期待できるだろう。継続的な監視と最適化を通じて、顧客の利便性向上、快適な購買環境の提示に努めたい。