2024年上半期市場規模拡大ランキング、食品部門1位は? 株式会社マクロミル調査

ECのミカタ編集部

2024年上半期市場規模拡大ランキング ~食品部門1位は「甘味果実酒」、缶入りスパークリングワインがけん引、日用品部門1位は「電子蚊取り器」、新製品の次世代型の屋内蚊取りが寄与~

株式会社マクロミル(以下:マクロミル)は2024年6月24日、自社の消費者購買履歴データ「QPR™」をもとに、2024年上半期の「食品」と「日用品」のカテゴリ別購入金額の伸びから振り返る「2024年上半期市場規模拡大・縮小ランキング」を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆データソース:QPR™(消費者購買履歴データ)
◆分析対象者:全国(沖縄県を除く)の男女
◆対象者年齢:15~79歳
◆対象カテゴリ:JICFS食品・日用品
◆調査時期:2024年1月1日~5月15日(前年比:2023年1月1日~5月15日)
◆ランキング作成方法:市場規模を表すマクロミルの独自指標「100人あたり購入金額」において、集計期間内におけるカテゴリ全体の購入者数が100人以上の項目に絞り込み、その他を含むカテゴリを除外したランキングを作成
◆出典元:2024年上半期市場規模拡大ランキング ~食品部門1位は「甘味果実酒」、缶入りスパークリングワインがけん引、 日用品部門1位は「電子蚊取り器」、新製品の次世代型の屋内蚊取りが寄与~(株式会社マクロミル)

食品部門1位に「甘味果実酒」

市場規模拡大ランキング食品部門の第1位は「甘味果実酒」で、前年比144.9%でした。23年9月に新発売のサントリー「酸化防止剤無添加のおいしいスパークリングワイン。赤泡」、「同白泡」をはじめとした缶入りスパークリングワインが売上数量の上位を占め、同カテゴリをけん引した。

一方、ボトルワインなどの「果実酒」は市場規模が縮小。23年10月1日の「酒税法改正」による税率引き上げや、円安、原材料高などによる輸入ワインの価格高騰が要因の一つだろう。

このように「果実酒」の代替として、比較的安価かつボトルワインよりも内容量の少なく、缶入りで手軽に楽しめる「甘味果実酒」の需要が高まったと考えられる。また、男性購入者の増加も、市場拡大を後押しした。

◆「甘味果実酒」購入者の性年代構成比率の変化(2023年上半期と2024年上半期の比較)

価格高騰でも需要を維持する商品も

平均購入単価については「オリーブ油(前年比128.8%)」「ケチャップ(同115.5%)」「トマトジュース(同114.1%)」など上位10品目のうち6品目で増加。食品価格が高騰しているにもかかわらず、変わらない需要を維持していることがうかがえる。

中でも「トマトジュース」は顕著であり、購入者数においても前年比108.7%、購入数量も前年比105.6%と全性年代で増加。天候不順や生鮮トマトの価格高騰による買い替えも、市場拡大のひとつの要因として考えられるだろう。

◆食品部門の市場規模拡大縮小ランキングにおける市場規模と平均購入単価マッピング
※縦軸:市場規模の拡大縮小、横軸:平均購入単価の増減(≒値上げ)、食品部門上位下位10まで図式化

生活費の高騰が市場規模に影響

また、市場規模縮小のトップは新型コロナウイルス収束による「一般検査薬(前年比43.2%)」。5類移行に伴い購入率が低下したことが容易に推察できる。

一方で2023年末からの風邪やインフルエンザの流行によって「熱冷却用品・用具(同132.9%)」や「ペーパーハンドタオル・用具(同126.6%)」「うがい薬(同125.4%)」など、予防・治療関連品目は拡大した。

またキッチン用品類の市場規模も縮小傾向にあり、中でも「皿(前年比60.3%)」「やかん類(同60.7%)」「鍋・釜類(同67%)」などが目立った。食品、電気料金といった生活費の高騰を受け、買い替えの優先順位が低下したことが要因だと考えられる。

長引く円安など消費者を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続く。市場規模の拡大や縮小を的確に把握し、需要に応えた訴求が求められるだろう。


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