「再配達」の追加料金、一般消費者の◯%が反対 神奈川県トラック協会調査

ECのミカタ編集部

「2024年問題」に対する運送関係者と一般消費者の意識・理解に大きな差が!?神奈川県トラック協会が「物流の2024年問題」に関する意識調査を実施

一般社団法人神奈川県トラック協会(以下:神奈川県トラック協会)は、神奈川県の運送関係者および神奈川県の一般消費者を対象に「物流の2024年問題」に関する意識調査を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査地域:神奈川県
◆対象者条件(人数):運送関係者(1035人)、20~69歳の一般消費者(3000人)
◆調査手法:インターネットアンケート調査
◆調査期間
▷運送関係者:2024年4月16日~5月16日
▷一般消費者:2024年4月19日~4月23日
◆出典元:「物流の2024年問題」に関する意識調査(一般社団法人神奈川県トラック協会)

一般消費者の約3人に1人が「物流の2024年問題」を理解していない

「物流の2024年問題」について尋ねたところ、一般消費者の35.6%が「名称も内容も理解している」、29.2%が「名称も知らない・内容も分からない」と回答。一般消費者の約3人に1人が「物流の2024年問題」について理解できていないことが判明した。

また、一般消費者の中でも20代一般消費者の約2人に1人が「名称も知らない・内容も分からない」と回答し、特に若年層の「物流の2024年問題」への理解が低い状況が明らかになった。

一方、運送関係者の85.5%が「名称も内容も理解している」と回答し、「名称も知らない・内容も分からない」と回答した人は0.7%と、運送関係者のほとんどが「物流の2024年問題」を理解。運送関係者と一般消費者の間で理解の差が生じていることが浮き彫りとなった。

約3人に1人が再配達の有料化に反対

現在「物流の2024年問題」への対応策として、再配達を削減するなど効率的な運送に向けた機運が高まっている。

本調査では、運送関係者から「再配達の有料化」への理解を求める声があがる一方、一般消費者の約3人に1人が再配達の有料化について「追加で支払うことはできない・考えられない」と回答。運送関係者と一般消費者の意識にギャップがあることが明らかになった。

一方運送関係者からは、負担を軽減するための対応策として以下のような意見があげられた。

◆(仮に宅配の場合)「再配達を希望する方に対しては2回分の運賃として1000円以上は負担してほしい」
◆「置き配ができる施設を充実させたり、不在の場合は受け取る側が自ら引き取りに来る制度を導入してほしい」

世間と現場の意識的なギャップが可視化

本調査の監修者であり、元トラックドライバーの橋本愛喜氏は以下のようにコメントしている。

「誰かが犠牲になるサービスは、もはやサービスではありません。今回のアンケート調査では、世間と現場の意識的なギャップが可視化されたように思います。今顔を上げて目に映るほぼすべてのモノが1度はトラックに載ってきているもの。理解や許容は、そんな気付きや知ることから始まります」

「送料無料」というサービスが定着したことで、一般消費者の多くは輸送に対する対価を意識しなくなっている。「物流の2024年問題」の根本的な解決のためには、こうした状況から変えていく必要があるのかもしれない。

EC事業者としても消費者に対し、物流の現状に関するアナウンスを実施するなど、一人ひとりに理解を求めてもらう姿勢が重要になるだろう。物流現場の現状を理解するために、本調査結果を参考にしてほしい。


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