夏のボーナスによって7月の消費意欲は上昇する? 博報堂調査
株式会社博報堂(以下:博報堂)のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、消費の先行きに関する調査を毎月実施し、結果を「来月の消費予報」として発表している。2024年6月28日に最新の内容が公開されたため、本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査地域:首都圏40km圏、名古屋40km圏、阪神30km圏
◆調査対象:20〜69歳の男女
◆調査人数:1500人(地域書く500人を人口構成比に合わせ割付)
◆調査方法:インターネット調査
◆調査時期:2024年6月3日〜6日
◆調査期間:株式会社H.M.マーケティングリサーチ
◆出典元:来月の消費予報・2024年7月(株式会社博報堂)
7月として過去5年で最も低い数値
夏休みやボーナス期を迎える7月は、例年消費意欲指数が高まる月であり、今年も前月から+3.1ptと大きく上昇した。
男女別では男性+5.9pt、女性+0.3ptと、特に男性での上昇が目立つ結果に。前年比では-0.6ptの横ばいであるが、7月としては過去5年で最も低い数値となった。
消費意欲指数の理由をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は増加し、ネガティブな回答は減少。「ボーナスが入るため」という回答が多い一方で「物価の値上がり」といった現状を懸念する声がそれぞれで目立った。
夏休み、ボーナス期特有の意欲は前月から大きく上昇したものの、長期化し、深刻さを増す物価高の影響から、女性を中心に7月の消費意欲は例年より低めとなりそうだ。
「旅行」「飲料」「書籍・エンタメ」などが上昇
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は29.4%と前月比では+3.6pt、前年比でも+1.2ptと上昇した。
男女別では前月比で男性+6.3pt、女性+0.8pt。前年比では男性+5.5pt、女性ー3.2ptと、消費意欲指数同様に男性での上昇が目立つ結果に。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」「飲料」「書籍・エンタメ」など8カテゴリー、前年比では「書籍・エンタメ」「飲料」「外食」「食品」の4カテゴリーで20件以上増加。夏休みやボーナス期に向けて、幅広いカテゴリーで男性において消費意向が高まることが想定されるだろう。
ボーナスの影響によって消費意欲は高まるものの、長引く物価高などの影響によって例年と比較すると厳しい状況が続く。限られた消費チャンスを獲得するためには、上昇カテゴリーを中心にしたアイテム展開が重要となるかもしれない。