Amazon「プライムデー」詳報 リアルな“夏祭り”イベントも3日間六本木で開催

大矢根 翼

7月3日、Amazonの夏のビッグセール「プライムデー」に関する記者発表会が行われ、今年の「プライムデー」の概要や様々な企画、さらにリアルイベント「プライムデー 夏祭り」の開催が発表された。ECのミカタ編集部では発表会を取材するとともに、アマゾンジャパン合同会社 バイスプレジデント プライム・マーケティング事業統括本部長の鈴木浩司氏に、10回目を迎えた今年の「プライムデー」の注目ポイントについて聞いた。

「プライム先行セール」の開催期間を5日間に拡大

Amazonの「プライムデー」はプライム会員限定のセールイベントで、2024年の開催期間は7月16日から7月17日までの合計48時間。一部商品を対象にした「先行セール」は7月11日から7月15日までの5日間にわたって行われる。最大15%ポイント還元の「ポイントアップキャンペーン」(※1)に加えて、「プライムスタンプラリー」(※2)や、「プライムデーでdポイントがもっとたまる」キャンペーン(※3)、バスケットボール選手の八村塁のサイン入りグッズを抽選でプレゼントする「プライムデー2024 プレゼントキャンペーン」(※4)など、様々な企画が実施される予定だ。

※1:【ポイントアップキャンペーン】最大15%のAmazonポイント(期間限定ポイント)の還元(上限10000ポイント)。<参加登録期間>6月25日14時~7月17日23時59分。<対象となる買い物の期間>7月11日0時~7月17日23時59分。今回の「ポイントアップキャンペーン」におけるAmazonポイント還元率:プライム会員なら+3%、Amazon Mastercardでの買い物で最大+4%(Amazon Mastercardの通常還元率を含む)、DIY・工具・ガーデンカテゴリーの商品購入で+8%。最大15%還元はDIY・工具・ガーデンカテゴリーの商品ご購入時のみに適用され、それ以外の商品については最大7%が適用される。詳細は「ポイントアップキャンペーン」詳細ページ にて
※2:【プライムスタンプラリー】<応募期間> 6月25日14時~7月23日23時59分。詳細は「スタンプラリー」キャンペーン詳細ページ にて
※3:【「プライムデーでdポイントがもっとたまる」キャンペーン】<エントリー期間>7月1日9時~7月17日23時59分。<対象となる買い物の期間>7月11日0時~7月17日23時59分。詳細は「プライムデーでdポイントがもっとたまる」キャンペーン詳細ページにて
※4:【プライムデー2024 プレゼントキャンペーン】<キャンペーン期間>7月11日0時~7月17日23時59分。詳細はキャンペーンページにて。特集ページも公開されている
※参考記事:Amazon、年に1度の「プライムデー」を7月16~17日の48時間開催

100万点以上の商品がラインナップされる「プライムデー」。発表会の会場にはその一部が展示された

7月12日からリアルイベント「プライムデー 夏祭り」開催

先行セールの期間中となる7月12日~14日には、夏祭りの縁日をイメージしたリアルイベント「プライムデー 夏祭り」を東京・六本木ヒルズで開催。「プライムデー」のセール対象商品の中から注目商品約100点が集められるほか、八村やタレントの指原莉乃が選んだ商品も展示されるという。リアルイベント開催の意義についてアマゾンジャパン合同会社 バイスプレジデント プライム・マーケティング事業統括本部長の鈴木浩司氏は「オンラインだけではどうしても伝わらないメッセージがあると感じている。エンターテインメントや配送特典を含めて、多岐にわたる『プライム』の特徴をオフラインのイベントによってより理解していただくことが目的の一つ。また、皆様に目の前で商品を見ていただいて、『Amazonってこんな商品もあるんだね』と実際に体感していただきながら、『プライムデーで買い物してみようかな』という気持ちを喚起することが非常に大事だと思っている」と語った。

「プライムデー 夏祭り」開催概要
・開催期間:2024年7月12日~7月14日
・営業時間:12日(金)13:00~20:00、13日(土)11:00~20:00、14日(日)11:00~17:00
・会場:六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木6丁目10-1)
・入場/利用料:無料
※会場内の混雑状況に応じて、滞在時間や入場制限を行う場合がある

発表会のゲストとしてトークセッションに登場した指原莉乃

「プライムデー 夏祭り」では、条件を満たすと参加でき、オリジナルの景品ほかが当たる「千本引き」などが行われる

節約志向の高まりに応えるセール商品

2024年の「プライムデー」におけるキーワードの一つは、「物価上昇」と言えそうだ。それは「ポイントアップキャンペーン」における+8%還元の対象商品として「DIY・工具・ガーデンカテゴリー」が選ばれていることにも表れている。それについて鈴木氏は「物価高を受けて、例えば今までは完成したものを買っていた方が、身の回りの家具などをご自身で作る、ガーデニングをするといった形でコストを安くしていく需要は高まっている」と説明。また、ポイント付与対象のカテゴリー選定に関して、「世の中の需要とお客さまのニーズがどこにあるのか、そのポイントアップキャンペーンの中で何を購入したらその後のポイントの利用や別の商品の購入につながっているのかといった数字を見ながら決めている。ただし、その時に決めたことが来年通用しないケースはあるので、日々試行錯誤しながら、色々な数字を見ながら検討している」(鈴木氏)とも語った。

発表会に登壇した鈴木氏。今年の「プライムデー」のテーマは「たくさんの特別がグッとお得」

事業者はテストマーケティングの場としても「プライムデー」の活用を

ポイントアップキャンペーンについて、「ポイントを付与することで、Amazonでご自身がこれまで試したことがない新しい商品との出会いを促し、その後に様々なカテゴリーの商品を買ってもらうきっかけ作りになることが大事」と鈴木氏。さらに日本のユーザーがポイント(付与率)を重視する傾向にあることから、ポイント付与はおまけではなく戦略的に考えるべき手段とも語った。

さらにもう一つ、鈴木氏があげたのが「プライムデー」のような大きなイベントを使って様々な施策を“テスト”する有効性だ。Amazonに出品する事業者側として、新しい商品との出会いを体験したユーザーに長期的な顧客となってもらうためにはトライアンドエラーは欠かせないが、セール期でユーザー数が増えればそれだけテストのクオリティは高くなる。「もちろん結果を出すことも大事なのですが、ある程度チャレンジを伴ったテストをすることで得られる知見には、ものすごく価値がある。新規顧客を開拓したい、売上を伸ばしたい、在庫を売りたいなど、目的に合わせた“テスト”をしてその結果を得れば『次のセールではこういう形でやろう』と次につながると思う」(鈴木氏)

先行セールを含めて今年の「プライムデー」は1週間。売上拡大のチャンスであると同時に、データや知見を積み上げ、秋以降のEC事業につなげる機会と捉えることもできるだろう。


記者プロフィール

大矢根 翼

2018年法政大学卒業後、自動車部品メーカーに就職。
ブログ趣味が高じてライターに転身し、モータースポーツメディア『&Race』を副編集長として運営。
オウンドメディアの運営、記事制作など、複数ジャンルで記事制作をメインに活動している。

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