オイシックスの投資子会社、スペシャルティコーヒー専門の越境ECモール「OCV」に投資

ECのミカタ編集部

オイシックス・ラ・大地のCVC「Future Food Fund」スペシャルティコーヒー専門の越境ECモールを運営する株式会社Oriental Coffee Venturesへの投資を実行

オイシックス・ラ・大地株式会社の投資子会社である、Future Food Fund株式会社(以下:Future Food Fund)が運営するCVCファンド「Future Food Fund 2号(※1)」は2024年5月末、スペシャルティコーヒー(※2)流通の領域で、新たな食の価値を創造する株式会社Oriental Coffee Ventures(以下:OCV)へ新規投資を実行したことを公表した。
※1:Future Food Fund 2号投資事業有限責任組合。
※2:栽培からカップに注がれるまでの全ての工程のトレーサビリティが明確な、特に高品質なコーヒーを指す(日本スペシャルティコーヒー協会より)。

新たなマーケットの創出と拡大への期待

本件は、現在設立中のファンド「Future Food Fund 2号」における第12号投資案件となる。

OCVはアジア5カ国から45のロースター及び器具ブランドをパートナーに迎え、23年10月に日本国内販売向けに各国の小規模なロースターと消費者をつなぐサービス「Heirroom」をローンチ。リリースからユーザー数は堅調に伸長し、全国各地の商業施設との取引も開始するなど、オンライン・オフラインの両面でサービスを構築している。

2024年6月にはフィリピンにてテストローンチを実施、同年8月に韓国でのサービスローンチを予定するなど、「Heirroom」の機能改善を行いながら事業を拡大。

OCVの事業を通じて日本、アジアに新たにスペシャリティ―コーヒー文化が浸透し、新たなマーケットを創出することへの期待が、今回の投資の背景の一つとなっている。

※画像元:スペシャルティコーヒー専門の越境ECモールを運営する株式会社Oriental Coffee Venturesへの投資を実行(Future Food Fund株式会社)

今後の成長が期待されるスペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒーの市場はまだ比較的歴史が浅いものの、米国を中心とした文化浸透の影響によって、今後の成長が期待されている。

一方、アジアの中で比較的スペシャルティコーヒー文化が進んでいる日本においても、全体の割合では流通量の約10%程度(※3)と低い。特に地方では流通量や販売のチャネルが行き届いておらず、消費者は購入や選択が難しい状況だ。

また、スペシャルティコーヒーを扱うロースターの多くが小規模なローカルロースターであり、コモディティコーヒー(※4)を主に扱う大規模ロースターと異なる点も、商圏の拡大を困難にしているといえるだろう。

本投資がこうした課題を解決し、新たな市場を形成することが期待される。

※3:日本スペシャルティコーヒー協会「スペシャルティコーヒー市場調査2022」より。
※4:一般的に安価で流通しているコーヒーを指す。

※画像元:スペシャルティコーヒー専門の越境ECモールを運営する株式会社Oriental Coffee Venturesへの投資を実行(Future Food Fund株式会社)

アジアに新しいコーヒー文化を築く

本件について、Future Food Fund投資担当である長谷川浩之氏は、以下のようにコメントしている。

「スペシャルティコーヒーのムーブメントは米国から始まり、今ではアジアや日本でも大きな市場を形成しつつあります。Oriental Coffee Venturesの『Heirroom』や、今後さらに展開予定の実店舗『Lonich,』を通じて、日本全国およびアジア全域で、高品質なコーヒー豆を焙煎する中小規模ロースターの豆がより多くの人々に知られ、手に取っていただけるようになるだろうと考えています。多くの方々の日常に自宅で美味しいスペシャルティコーヒーを楽しむ時間を届け、アジアに新しいコーヒー文化を築いていってくださることを期待しています」

「Heirroom」は2023年のサービスリリース以降、月次平均で約30%利用者が増加している。本投資を通じた取り組みによって、さらなる拡大が見込まれるはずだ。スペシャルティコーヒー文化の浸透、そして新たな市場形成に向けた動きに期待したい。


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