デジタルマーケティングの課題は人材とツールに集中 Repro調査
Repro株式会社(以下:Repro)は2024年7月17日、「Webサイトの活用状況に関するアンケート」を実施し、その結果と分析を「デジタルマーケティング実態調査レポート2024」として発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名:Webサイトの活用状況に関するアンケート
◆調査期間:2024年1月26日~1月28日
◆調査方法:インターネットアンケート調査
◆実施機関:株式会社マクロミル
◆調査対象:消費者向け(toC)のECサイト、予約・申し込み型サイト、メディアサイト等を運営している企業の、事業・デジタルマーケティングに関する役職者
◆有効回答者数:258名
◆出典元:デジタルマーケティング実態調査レポート2024(Repro株式会社)
マーケティング活動が売上に影響
下のグラフは2023年の目標指標(売り上げなど)の成長度と、マーケティング活動の関係性を示したものとなる。「前年より大きく成長した」と回答した人のうち、55.2%が「マーケティング活動の影響が大きい」と回答。マーケティング活動が企業の売り上げなどに多大な影響を及ぼしていることが見て取れるだろう。
デジタルマーケティングの各領域における施策の運用実務の状況については、あらゆるマーケティング施策でのインハウス志向であることが判明。選択肢とした11の施策領域のうち7つの施策領域で、自社完結型(※1)が50%以上を占める結果となった。
※1:「専任担当者が施策立案から運用までを担当している」「自社内の兼任担当者が施策立案から運用までを担当している」の合算
「人材」と「ツール」に課題
一方、デジタルマーケティング活動の足かせとなっている課題は「人材」と「ツール」の2領域に集中していることが判明。
人材領域では、「デジタルマーケティングの知識があり、施策を実施できるメンバーが足りない」という回答が42.6%となっており、特に知識・ノウハウに対する課題感が強い状況が見受けられる。
さらに、「デジタルマーケティングに関するツールが不足している/ない」が26.7%、「デジタルマーケティングツールの導入効果を正しく評価できていない」が24.8%となっており、マーケティング施策を効率良く行い、効果を実証できる形で実行できる環境が求められているといえるだろう。
社外からの人材確保が重要となる
マーケティング実務の主たる担当者について、「社外から中途採用」がマーケティング実務のメイン人材層となるケースが非常に少なく、どの施策領域でも20%を超えていない状況が判明した。デジタルマーケティングは高度な知識・ノウハウを求められるケースが多く、専門人材が活躍する領域である。デジタルマーケティング活動の課題となっている知識・ノウハウ不足は、こうしたインハウス志向が要因となっている可能性は高い。専門性の高い人材を社外から積極的に採用することで、多くの課題を解決できるかもしれない。
デジタルマーケティングを取り巻く環境は刻々と変化している。2023年には生成AIの登場と活用が話題となり、現在もその存在感を増し続けている上に、2025年初頭にはGoogleのサードパーティCookieの廃止が待ち構えている状況だ。
複雑化する市場の中、販路拡大や売上向上を目指す上でデジタルマーケティングの役割はより一層重要になるだろう。本調査内容を参考に、課題解決へ向けた施策を検討してほしい。