ECサイトのリニューアルで失敗しない!手順や費用、活用できる補助金など解説

ECのミカタ マーケティング部

ECサイトのリニューアルで失敗しない!手順や費用、活用できる補助金など解説

ECサイトのリニューアルは、企業にとって大がかりなプロジェクトです。リニューアルにはさまざまなリスクが伴いますので、慎重に計画を立てる必要があります。

この記事では、ECサイトのリニューアルで失敗しないために気をつけるべきポイントやリニューアルの流れ、成功事例などを詳しく解説します。

なお、この記事には2024年7月時点の情報を掲載しています。

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ECサイトのリニューアルで失敗しないためのポイント

ECサイトのリニューアルに失敗すると、さまざまなデメリットがあります。例えば、新しいデザインがユーザーに受け入れられなかったり、SEO対策が不十分で検索エンジンからのトラフィックが減少したりするなどです。

ここでは、ECサイトのリニューアルを失敗しないためのポイントを紹介します。

目的を明確にする

リニューアルを成功させるためには、まず目的を明確にすることが重要です。なぜリニューアルが必要なのか、どのような成果を期待しているのかを明確にし、その目的に沿った計画を立てます。

現状のサイトを分析して課題を洗い出しておくと、リニューアルの方針に統一感が生まれ、「こんなはずではなかった」というケースを防ぐことができます。

また、目的を踏まえて具体的な数値目標を設定しておくと、サイト公開後に数値を追いかけながら、効果検証ができます。例えば「モバイル対応を強化して、モバイルユーザーのCVRを⚪︎%改善する」「会員登録やクーポン配布などの機能を追加してリピート購入率を⚪︎%アップさせる」などのように、具体的な数値を定めるとよいでしょう。

外部システムとの連携を確認しておく

既存サイトで外部のシステムと連携している場合、リニューアル後のサイトでも問題なくシステムを引き継げるか確認しておきましょう。使い慣れたシステムがリニューアル後に利用できないと社内の運営体制にも影響が出るため、代替システムを検討するなどの早めの対応が求められます。

また、既存システムに不満がある、ユーザビリティ向上のために新たな機能を追加したいという場合にも、同様にリニューアル後のサイトに連携ができるか確認が必要です。

特にAPI連携ができるかどうかは必ずチェックしておきましょう。将来的に機能を追加したくなったときにAPI連機に対応していれば、大規模な改修をすることなくスムーズに機能を連携させることができます。

SEO対策の成果を引き継ぐ

リニューアルに伴って既存サイトからのSEO評価を引き継ぐことは、リニューアル後のサイト流入を大きく左右します。既存サイトが獲得した、検索エンジンからの評価を失わないよう、適切にリダイレクト設定をおこないましょう。

リダイレクトを設置しないと、サイトを評価するクローラーにエラーが出てしまい、リニューアル後のサイトのインデックスに遅れが出る可能性があります。その結果、検索結果への表示に影響が出たり、SEO評価の低下につながったりするため、検索流入が減少してしまうリスクを伴います。

既存のコンテンツを新しいサイトに適切に移行し、SEOの成果を引き継ぐためには、専門的な知識が必要となることもあります。必要に応じて、SEOコンサルタントなどの専門家の支援を受けることを検討しましょう。

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ECサイトのリニューアル手順

次に、一般的なリニューアルの手順を紹介します。

1.サイトリニューアルの企画書・提案書を作成する

リニューアルに際しては、企画書や提案書を作成することが重要です。企画書には、リニューアルの目的、目標、スケジュール、予算などを明確に記載しましょう。

一方の提案書には、具体的なデザイン案や機能要件、費用見積もりなどを含めます。

企画書・提案書を作成することにより、関係者全員が同じ目標に向かって進むことができます。

2.ベンダーを選定する

方向性が固まったら、リニューアルの作業を社内でおこなうか、外部に委託するのかを検討します。外部に依頼する場合には、ベンダーの選定が必要です。選定の流れは以下のとおりです。

  1. 情報収集
    すでに取引のあるベンダーから、インターネットで調べた新規ベンダーまで、幅広く情報収集をおこないます。多くのベンダーのなかから、実績や強みを比較し、リニューアルの目的に合った会社を3社程度選定してコンペへの参画を依頼します。
  2. コンペ
    コンペでは、共通項目で提案するよう各社に依頼します。費用やスケジュール、デモ画面、目的からズレていないかといった観点で検討します。
  3. 契約
    コンペの内容をもとに、最終的に依頼するベンダーを決定し、契約します。

3.要件を決める

ベンダーと契約後、ECサイト構築のために認識をそろえます。コンペでの内容が良かったからといって、意思疎通ができているとは限りません。必ずリニューアルの目的や費用・スケジュール、実装したい機能などを再確認しましょう。

特に、ECサイト運営で発生する業務を洗い出してフローを確認しておくことで、リニューアル後のトラブルを防げます。社内では気づかなかった問題を、ベンダーの視点から指摘してもらえることもあります。

そのほか、サーバーやデザイン、決済機能、配送方法の検討など、ECサイト運営にあたって必要な要素を決定していきます。

4.サイトの運用準備をする

システム開発がスタートしたら、進捗確認や定期的な打ち合わせをおこないながら、リニューアルオープンに向けた運営準備を進めます。データ移行やリニューアル後の運用マニュアル作成、リニューアルの告知・プロモーションを検討しましょう。

また、サイト公開前には新しいサイトの動作確認をおこない、不具合があれば修正します。サイトを公開後は、リニューアルの目的を達成できているか確認しながら改善を繰り返していきます。

ECサイトのリニューアル費用の相場

ECサイトのリニューアルにかかる費用も、意思決定を左右する重要な要素です。自社でおこなう場合と外部に委託する場合とで費用が異なるため、それぞれの相場を把握しておきましょう。

一般的な費用の相場

目的 作業対象 構築例 費用相場 備考
低コストで作りたい
自社で作りたい
自社 モール型
ASP型
無料〜10万円 ・テンプレートデザインを活用
・楽天やYahoo!ショッピングなどのモールへの出店や、
無料ASPを活用(各種手数料あり)
費用を抑えて独立したサイトを作りたい 外部 ASP型
オープンソース型
10〜100万円 ・ASP型やオープンソース型を活用して自社ECを構築
オリジナルデザイン・コンテンツのサイトを作りたい 外部 オープンソース型
パッケージ型
100〜500万円 ・完全オリジナルデザイン、事業に合わせた基本的な機能の追加など、
カスタマイズの融通がきく
自社の事業に合わせた大規模なサイトを作りたい 外部 オープンソース型
パッケージ型
フルスクラッチ
500万円〜 ・事業に合わせた機能カスタマイズや
自社で使用しているシステム・ツールとの連携など
完全オリジナルのサイトを構築

なおフルスクラッチの場合、既存システムやアプリケーションを使用せずに、すべてオリジナルでECサイトを構築するため、数千万円の費用がかかることもあります。人的リソースや制作期間もかさむため、既存システムを活かしたECサイト構築を検討したのち、それでもオリジナルで制作する必要がある場合に選択しましょう。

また、上記はあくまでも制作段階における費用相場のため、継続的なコスト(維持費・各種手数料)を考慮して、自社事業にマッチした構築方法を決めましょう。

ECサイトのリニューアルに活用できる補助金

理想のECサイトを実現するためにはまとまった費用が必要です。サイトリニューアルに際しては、補助金を活用できる可能性があるため、検討してみてください。

以下、ECサイトのリニューアルで活用できる可能性がある補助金を紹介します。なお、公募ごとに支給条件や補助金額などは変更される可能性があるため、検討の際は最新情報をご確認くださいね。

補助金名 対象者 補助金額 補助率 特徴
事業再構築補助金(成長分野進出枠(通常類型)) 中小企業
中堅企業
最大3,000万円
(短期に大幅な賃上げをおこなう場合4,000万円)
中小1/2(※2/3)
中堅1/3(※1/2)
※短期に大規模な賃上げをおこなう場合
・新型コロナウイルス感染症の影響を受け、
ポストコロナ・ウィズコロナ時代に合わせた新たな事業展開に挑戦する
中小企業を支援する補助金制度
・補助金額が大きい分、支給要件も厳しい。
採択後、付加価値金額や給与支給総額などで
満たさなくてはならない要件がある
小規模事業者持続化補助金〈一般型〉(通常枠)※1 小規模事業者
※業種などの要件あり
最大50万円
※インボイス特例を満たす場合は、補助上限額に50万円上乗せ
2/3
※サイトリニューアルはウェブサイト関連費にあたり、
補助金総額の1/4が上限。
ウェブサイト関連費のみによる申請不可
・小規模事業者が持続的な経営を目指した
販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度
ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠(通常類型))※2 中小企業
小規模事業者
750万〜1,250万円 中小企業 1/2
小規模・再生 2/3
新型コロナ回復加速化特例 2/3
・働き方改革など、制度の変化に合わせた経営開発をおこなうための
設備投資を支援する制度
・補助金受け取り後、5年間近況報告が必要
IT導入補助金(通常枠) 中小企業
小規模事業者
5万〜450万円
(3プロセスまでは150万円未満まで、4プロセス以上なら150万円〜)
1/2以内 ・自社の課題やニーズに合ったITツールの導入にかかる経費の一部を補助し、
業務効率化・売上アップをサポートする制度

※1:小規模事業者持続化補助金は、2024年5月26日締切の第16回分まで実施済み。2024年7月時点で第17回以降の実施は未定。
※2:2024年7月時点で、ものづくり補助金の新規公募受付なし。

出典:
事業再構築補助金|事業再構築補助金公式ホームページ
小規模事業者持続化補助金|商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金〈一般型〉公式ホームページ
ものづくり補助金|ものづくり補助事業公式ホームページ
IT導入補助金2024 | IT導入補助金公式ホームページ

補助金の要項はしばしば変更されるため、最新情報を確認し、要件を満たしている補助金があれば有効に活用しましょう。また上記以外にも、自治体固有の補助金制度もあるため、ご自身の自治体の制度も併せて調べることをおすすめします。

ECサイトのリニューアル成功事例

ECサイトのリニューアルで失敗しないために、成功事例を参考にしましょう。リニューアルにあたっての困難やそれを乗り越えるためのヒントを得られます。

以下、実際のリニューアル成功事例を紹介します。

パルコECサイトリニューアル

パルコのECサイトは、2020年10月にリニューアルプロジェクトをスタートさせ、2023年3月にリニューアルオープンしています。

パルコのECサイトは、営業時間を超えて24時間接客ができるパルコを目指し、店舗の取り置き予約サービス「カエルパルコ」として機能していたそうです。

しかし、コロナ禍の影響で店舗は休業、ECでの売上が不可欠になり、「店舗接客の補完」としての役割ではなく、ECサイトとして本格的に始動。

多数の機能要件について優先度をつけて進捗管理を徹底し、積極的な社内会議やベンダーとの会議、テナントへのヒアリングなどを経て、無事リニューアルに成功しています。

出典:これまでの商業施設とは一線を画する共創型ECサイト 「ONLINE PARCO」について|PARCO DIGITAL MARKETING

プロジェクトの大小にかかわらず、目的や認識をすり合わせて、徹底的に進捗管理をおこなうことが重要です。また、関係者にもヒアリングをおこない、ECサイトにかかわる方が納得のいくものになるようサイトを作り上げていくことも大切です。

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【FAQ】ECサイトのリニューアルでよくある質問

ここで、ECサイトのリニューアルに関するよくある質問に回答します。

お知らせやプレスリリースは必要?

ECサイトのリニューアルにあたって、ユーザーに対してお知らせやプレスリリースを発行することは非常に重要です。

サイトをリニューアルする場合、既存サイトから新規サイトに移行するタイミングで一部のサービスを停止する必要が出てくる可能性があります。また、これまでのサイトと仕様が変わるため、事前にサイトリニューアルの日時をお知らせしておくことで、顧客を逃すことなく、スムーズに新しいサイトに移行できます。

また、プレスリリースでリニューアルのメリットや新機能を紹介することで、ユーザーの期待感や関心を高められます。

ECサイトをリニューアルするタイミングは?

システムの老朽化やサイトデザインが古くなってきたなどのタイミングでリニューアルを検討する場合が多いです。また、事業規模の拡大や取り扱う商品が多様化することで、「これまでのサイトでは対応しきれない機能を追加したい」「ユーザーが不便に感じるようなサイト設計になっている」といったように、既存のサイトに課題が出てきたらリニューアルを視野に入れることをおすすめします。

ECサイトのリニューアルは、専門の制作会社への委託が重要

本記事では、ECサイトのリニューアルにあたって気をつけるべきポイントや具体的な流れ、費用、成功事例を紹介しました。ECサイトのリニューアルは専門知識が必要であり、内部リソースだけでは対応しきれないこともあります。

ECサイトのリニューアルを成功させるために、専門の制作会社やコンサルタントのサポートを受けるのがおすすめです。

ECのミカタでは、リニューアルの目的やECサイトのお悩みに合わせて、適切なパートナーを紹介するマッチングサービスを提供しています。まずは、ECのミカタを通じて専門の制作会社やコンサルタントに相談し、サイトリニューアルのための第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

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