スマホでのコマースは可処分時間の奪い合いが続き「コト消費」が活発化 Glossom調査

ECのミカタ編集部

スマートフォン メディア&コマース定点調査2024

データマーケティング支援のGlossom株式会社(以下:Glossom)は2024年9月30日、「スマートフォンでのメディアとコマースの利用に関する調査」結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査対象:日本全国に在住のスマートフォンを所有する10代~70代の男女
◆回答者数:1442名
◆調査方法:インターネットによるアンケート調査
◆調査時期:2024年3月24日〜27日
◆標本構成
▷男性:721名
▷女性:721名
◆出典元:スマートフォン メディア&コマース定点調査2024(Glossom株式会社)

各メディアサービスの利用率は増加

本調査ではスマートフォンでの情報収集について「SNS」「サーチエンジン」「メディア」の3サービスに、「動画サブスク」「ライブ配信」を加えて5サービスに分け利用状況を確認している。それぞれにおいて昨年よりも伸長しており、中でも「SNS」が全体をけん引する結果に。一方、「サーチエンジン」、「メディア」、「動画サブスク」、「ライブ配信」はいずれも平均利用時間が短くなった。

利用率については5サービスとも伸長しており、特に「ライブ配信」は着実に裾野が広がっているといえるだろう。「サーチエンジン」も利用率を伸ばしており、能動的に情報収集するユーザーが増えている様子がうかがえる。

人気SNSを中心にライブ配信の裾野が広がる

「ライブ配信」は、「YouTube」「Instagram」「TikTok」「X」において利用率が大幅に増加。「SNS」で強いサービスがライブ配信も伸ばしており、ライブ配信の裾野が広がっているのは「SNS」の影響が大きいことが考えられる。

商品やサービスを知るきっかけとなった情報源については「検索エンジン」が「TVCM」を抜き、最も高くなった。

スマートフォンにおける情報収集においても「検索エンジン」の利用率が上昇しており、目的を持った、能動的な情報収集やサービス利用として「検索エンジン」が活用されているようだ。

「モノの消費」から「コトの消費」へ

2022年から2024年にかけて「旅行」「飲食店」「美容」「衣服・ファッション」「化粧品」カテゴリーの人気が上昇。新型コロナウィルス感染症対策の緩和がより進みコミュニケーションの機会が戻ることで外向き志向に移ったこと、「モノの消費」から「コトの消費」へと消費の嗜好が傾いてきたことなどが要因と考えられるだろう。

さらに、これらの商品・サービスについては、「検索エンジン」を使い能動的に情報取得することで、その後の購買に繋がりやすくなっていることがうかがえる。

本調査では「SNS」「サーチエンジン」「メディア」「動画サブスク」「ライブ配信」の5サービスとも利用率を上げている一方、「SNS」以外は利用時間が短くなり、サービス間での可処分時間の奪い合いが発生している様子が見受けられた。また、「SNS」で強いメディアがライブ配信も伸ばしていることから、ライブ配信の裾野が広がっている要因は「SNS」の影響が大きいと考えられるだろう。

アフターコロナとなった現在、消費動向は「旅行」「飲食店」などコト消費が活発になりつつある。こうした需要は「検索エンジン」も積極的に活用されていることから、効果的な販促には複数の導線確保が求められるかもしれない。各サービスが充実するに伴い、それぞれの利用時間は変動していくことが想定される。常に最新の情報をキャッチした上で、的確な施策を検討する必要があるだろう。


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