売上に対する物流費用の比率の最多は〇〇% EC運営におけるコストの実態調査

ECのミカタ編集部

EC事業の利益を左右する4つのコスト構造[原価・システム・マーケ・物流]を徹底解剖!!EC運営におけるコストの実態調査を公開

ディーエムソリューションズ株式会社(以下:DMソリューションズ)は2024年11月19日、EC事業を運営している担当者や責任者を対象に実施した「EC運営におけるコストの実態調査」の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査対象:20〜70代の男女
◆調査人数:1000名
◆調査条件:EC事業を運営している担当者・責任者
◆調査対象エリア:全国
◆調査期間:2024年11月8日~11月12日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査元:ウルロジ調べ
◆出典元:EC運営におけるコストの実態調査(ディーエムソリューションズ株式会社)

3000円~5000円の顧客単価が中心

「現在運用している自社ECサイトやECモールなどでの総合的な平均顧客単価について教えてください」と質問したところ、全体では平均顧客単価3000~5000円が最も多く25.6%を占めた。

以降は1001円~3000円の層が16.6%、5001円~7000円の層が13.2%と、3000円~5000円を中心とした分布となっている。

この結果から、EC市場においては3000円~5000円の顧客単価が中心となっていることが明らかとなった。

この結果を商材カテゴリごとに分析してみると、エンタメグッズとアパレルのECは、平均顧客単価が5000円以上の事業者が7割以上を占めており、他の商材カテゴリに比べて高単価な傾向が見られた。

エンタメグッズは限定商品やコレクターアイテムなど希少価値の高い商品が多く、ファン心理をくすぐる価格設定がしやすいと考えられる。一方、アパレルはブランドイメージやデザイン性によって高付加価値化しやすく、高価格帯でも需要が見込める商材となるだろう。

物流費用は21~30%を占める事業者が最も多い

「EC事業の売上に対して物流費用が占める割合について教えてください」と質問したところ、物流費用が21~30%を占める事業者が最も多く全体の22.4%を占めた。

物流費用は売上増加に伴い物流費用も増加する傾向があるため、適切なコスト管理が重要となる。

物流費用を削減するためには倉庫の自動化、配送ルートの最適化、梱包材の見直し、共同配送の利用など、様々な方法があげられる。物流業務の外部委託はコスト削減だけでなく、業務効率化や品質向上なども期待できるだろう。

嗜好品カテゴリーでは物流費用が高くなる傾向

コストに対する商材カテゴリ・平均顧客単価別を分析したところ、エンタメグッズ、アパレル、アウトドア用品のカテゴリでは、売上に対して物流費用に30%以上かけている事業者が半数以上を占めることが判明した。

一方、食品・飲料は物流費用が10%以下の事業者が最も多く、他のカテゴリに比べて物流費用率が低い傾向が見て取れる。

食品・飲料は、単価が比較的低く、重量も軽いため、配送コストを比較的抑えやすい。食品・飲料を扱うEC事業者は、独自の物流システムを構築したり、外部の物流業者と連携したりすることで物流コストを効率化している可能性が考えられるだろう。

また、現在のEC運用における各コストに対しての印象を聞いたところ、物流費用と商品原価についてはそれぞれ50%以上の事業者が「高くなっている」と感じていることが明らかとなった。

システム運用費、広告・マーケティング費用についても、それぞれ40%以上の事業者がコスト上昇を実感している。いずれの項目においても、「安くなっている」と回答した事業者は10%未満と少数となった。

原価・システム・マーケティング・物流はEC事業の利益を左右する重要な要素となる。コスト上昇と向き合いながら、全体のバランスを取った運営が求められるだろう。本調査内容を参考に、今後の対応を検討して欲しい。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事