ヤマト、置き配に関する調査を実施 対象者拡大でユーザーの利便性向上を推進
ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾裕)は、2024年10月28日~11月11日に「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケートを実施し、その結果を公表した。
調査概要
調査期間:2024年10月28日(月)~11月11日(月)
調査対象:公式LINEアカウントユーザー
対象年齢:10代以下・20代・30代・40代・50代・60代・70代・80代以上
調査地域:全国(北海道99人、東北107人、関東635人、北信越102人、中部163人、関西320人、中国・四国154人、九州・沖縄218人)
調査方法:インターネット(アンケートフォームへの回答)
回答者数:1798人
最も利用する受取方法は、対面配達が48.4%と多数
ヤマト運輸(以下、ヤマト)が個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に「宅急便」「宅急便コンパクト」の受け取り方法として「置き配」を追加してから約5カ月(※1)。本調査は置き配の利用状況や今後の課題を明らかにするために行った調査である。
最も利用する受け取り方法として、一番多かったのが「対面配達」(48.4%)。次いで「置き配」(33.8%)、「宅配ボックス」(9.7%)と依然対面での受け取りが多い傾向にあった。また宅配ボックスについては、設置がない世帯は全体の約8割と普及過程であることや、宅配ボックスに入らない大きさの荷物や宅配ボックスが埋まっている場合に置き配が利用されるケースもあるようだとヤマト側は分析する。
画像元:「置き配」の利用状況・利便性に関するアンケートを実施 ― 「置き配」は外出時だけじゃない?4人に1人が在宅時に「置き配」を利用 ― (ヤマト運輸株式会社)
※1 関連記事:ヤマト運輸 6月から置き配対象がEAZYから宅配便・宅配コンパクト便にも拡大へ 両者の違いは
置き配利用経験は78.5% 置き配ポイント導入で認知が進みつつあるか
置き配の利用経験率について、運送会社を問わずこれまでに「置き配(宅配ボックスは除く)を利用したことがある」と回答したのは78.5%。各運送会社の置き配開始や2024年10月から政府が進める「置き配ポイント」の取り組み開始(※2)が功を奏しているようだ。またヤマトの調査では地域格差はないとし、全国的に置き配の利用がされているという。
利用シーンにおいては、75.2%が外出時に置き配を利用。一方で24.8%が在宅時に置き配を利用しているとし、「在宅ワークでチャイムを鳴らしてほしくない」「インターフォンが鳴ると犬が吠えてうるさいから」など、宅配時に音を鳴らされたくないために置き配を選択する声もあったという。
※2 参考元:「再配達率削減緊急対策事業」(補助事業)の募集を開始します。(国土交通省)
置き配利用拡大で、EC事業やエンドユーザーのメリットに
置き配を利用する理由として「ドライバーに何度も来てもらうのが申し訳ない」(89.5%)が最も多く、「家にいなくても荷物を受け取りたい」(79.7%)「荷物が届くまで待たなくて良い」(53.0%)が上位に。一方で、置き配を利用しない理由については「盗難リスクが心配」(54.4%)「雨で濡れるのが不安」(33.7%)の順であがっていた。
盗難リスクの軽減に対し、ヤマトでは、置き配で届けた荷物をドライバーが撮影し、その写真をメールにて受け取り手へ通知している。また帰宅や在宅時間にあわせて日時指定の変更が可能だ。雨が心配な場合は、日時変更をするか、受け取り場所を「車庫」や「物置」に変更するなどで対策できるとした。
ヤマトは、公式アカウントのLINEトークやクロネコメンバーズの「Myカレンダーサービス(※3)」で、受け取り方法に置き配設定が可能になるなどリニューアルしている。
顧客の利便性向上のために導入した、クロネコメンバーズ会員向けの置き配施策。当初はEC事業者向けのサービス「EAZY」内での提供で、一部のECモールで注文した商品のみが対象だった。それがクロネコメンバーズへ広がったことは、エンドユーザーの受け取りやすさにつながっているようだ。
利用する理由のトップが「再配達が申し訳ない」であることや、利用経験率が78.5%となっていることなどを考えると、置き配がユーザーのみならずEC事業者にとってもメリットになっていると言えるだろう。
※3 曜日ごとに受け取りやすい時間帯や場所をあらかじめ指定でき、荷物の受け取り日時が指定内容に自動で変更される。毎回受け取り方法を変更しなくても、置き配で受け取ることが可能。