ECサイト運営者の8割以上が業務自動化希望も、大きな障壁は費用とリソース エートゥジェイ調査
株式会社エートゥジェイ(以下:エートゥジェイ)は2024年12月20日、ECサイトの運用経験がある1000名を対象に実施した「ECサイト運用の業務効率に関する調査」の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名:ECサイト運用の業務効率に関する調査
◆調査対象者:20代~60代の男女
◆調査人数:1000名
◆調査期間:2024年7月26日~7月29日
◆調査方法:インターネット調査
◆対象地域:47都道府県
◆出典元:メルカート ECサイト運営の業務効率に関する調査(株式会社エートゥジェイ)
ECサイトの運営を「自動化したいと思う」が87.9%
本調査でECサイト運営にかかわる業務の自動化を希望するかを聞いたところ、87.9%の運営者が業務の自動化を希望していることが明らかとなった。
自動化を望む業務としては「注文処理と管理」、「在庫管理」、「データ分析とレポート作成」が上位に挙げられた。これらの業務は、手動で行うと時間と労力がかかり、人的ミスのリスクも高まるため、自動化による効率化が強く求められていると考えられるだろう。
また同質問への回答を業種別に分けたところ、食品業界では「注文処理と管理」が40%超という高い割合で自動化を希望しており、これは冷凍や冷蔵、常温など異なる温度帯での管理が必要なためと推察できる。
またアパレル業界では「在庫管理」が、電子機器業界では「データ分析とレポート作成」がそれぞれ40%を超えるなど、業種によって自動化を求める業務内容が異なる事実が明らかとなった。
「費用」と「人員および時間のリソース」が障壁に
ECサイト運営において「時間がかかっていること」、「人手が不足していること」のそれぞれの結果の上位3位までをピックアップしたところ、事業者が直面する課題は「時間がかかる業務」と「人手が不足している業務」で明確に区別できることが判明した。
例えば、注文処理やデータ分析といった業務は時間がかかる一方、カスタマーサポートやマーケティングなどは人手が不足しているため、対処方法を変えていく必要があるだろう。
また、「自動化するにあたり障壁になりそうなことは何ですか?」という質問に対しては、トップが「費用」、次いで「人員や時間のリソース」がが挙げられた。約半数の回答者が2つを障壁と感じていることから、自動化ツールの導入に対する経済的および人的負担が大きな課題である様子がうかがえる。
システムベンダー側の発展にも期待
本調査結果について、エートゥジェイ メルカート事業責任者 / 取締役の渡邉章公氏は以下のようにコメントしている。
「在庫管理、データ分析、マーケティングに関しては一般的なツールも増え、特にカスタマーサポートに関しては生成AIを活用したチャットボットなど、進化が加速している領域です。その反面、ECサイト運営において最も時間を要していると考えられる商品管理、注文管理に関してはまだまだツール化が進みきれていない、要は属人化が強い領域であることがわかります。その理由として、更新頻度の高さ、情報やシステムのサイロ化、不正注文の急増など、あらゆるEC運営特有の課題があげられます。今後EC事業をスケールさせるためにEC事業者側の運営の見直しと同時に、これらの専門性・属人性の高い課題に対してAI等を活用し解決を図るシステムベンダー側の発展にも期待したいです」
ECサイトの運営は急速に進化している。優秀な人材確保と同時に、業務の効率化を進めることが、自社のさらなる発展につながる鍵になるはずだ。