2025年の景気見通し、「回復」局面は5年ぶりに1割を下回る TDB調査

ECのミカタ編集部

2025年の景気見通しに対する企業の意識調査

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は2024年12月25日、2025年の景気見通しに対する企業の意識調査を公開した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2024年11月18日~11月30日
◆調査対象:全国2万6880社
◆有効回答企業数:1万939社
◆回答率:40.7%
◆出典元:2025年の景気見通しに対する企業の意識調査(株式会社帝国データバンク)
なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施しており、今回で19回目となる。

回復局面の見込みは10%を下回る

2025年の景気見通しについて尋ねたところ、「回復」局面になると見込む企業は2024年の景気見通し(2023年11月調査)から5.1ポイント減の7.7%となり、5年ぶりに10%を下回った。また、「踊り場」局面は41.7%(前年比0.4ポイント減)と2年連続で4割を上回る結果に。

一方で、「悪化」局面を見込む企業は、前年比3.6ポイント増の23.9%だったほか、「分からない」(26.7%、前年比1.9ポイント増)は7年ぶりの水準となった。

悪化局面は「小売」が最も高い

規模別で確認すると「回復」局面では「大企業」(8.6%)が「中小企業」(7.5%)より、1.1ポイント高かった。また、「踊り場」局面では「大企業」(46.8%)が「中小企業」(40.8%)より、6.0ポイント上回った。

一方で、「悪化」局面では「大企業」(17.4%)が「中小企業」(25.1%)より、7.7ポイント低かった。規模が小さくなるほど「悪化」局面の割合が高くなった。

業界別では「回復」局面では「金融」(10.1%)が唯一1割を超え、以下「不動産」(9.5%)、「サービス」(8.8%)が続き、「小売」(4.7%)が最も低い結果となった。

悪影響は原油・素材価格の上昇がトップ

2025年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を尋ねたところ、「原油・素材価格(の上昇)」が46.2%(前年比12.8ポイント減)となった。2024年も地政学的リスクで緊迫したものの、原油価格などの価格変動が限定的だったため、前年から大きく低下した。

以下、「人手不足」(41.6%、同1.1ポイント増)や「物価上昇(インフレ)」(31.5%、同4.8ポイント増)、「為替(円安)」(30.7%、同6.7ポイント減)が続く。

さらに、「金利(の上昇)」(24.1%、同6.3ポイント増)の他、トランプ大統領就任による政策転換への不安感などから「米国経済」(17.1%、同11.2ポイント増)への懸念が大幅に高まっている。

TDBは「2025年も引き続き、原油や原材料価格の高止まり、物価上昇、海外経済の動向などは企業活動を行う上でのリスクとして表れていくとみられる」という見方を示している。

事業者としては今後の動向に注視しつつ、状況に応じた柔軟な対応が求められるだろう。2025年も引き続き本調査結果を追っていきたい。


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