株式会社アイシン（以下：アイシン）は「物流の2024年問題」への取り組みの一環として、2025年1月7日よりヤマト運輸株式会社（以下：ヤマト運輸）の荷物を輸送するラウンド輸送（※）を開始した。
※輸送先に荷物をおろしたトラックが、空荷の状態で出発地に戻るのではなく、別の荷物を積み込んで出発地に戻る輸送形態

効率的な輸送が可能であることを確認

アイシンは2024年9月より、愛知県東部に位置する同社田原工場から名古屋港へ同社製品を輸送した後、復路便を活用してヤマト運輸の総合物流ターミナルで宅急便の荷物を積み込み、愛知県東部のヤマト運輸営業所へ輸送するラウンド輸送実証を実施していた。

この実証は、定期輸送ルート上にヤマト運輸の総合物流ターミナルが位置し同社工場とヤマト運輸の営業所が隣接していることに着目したもので、実証の結果、効率的な輸送が可能であることが確認できたことから、2025年1月よりアイシン岡崎工場の定期便も加えた本格運用を開始するに至ったという。

業界の垣根を超えたラウンド輸送の実現

物流を取り巻く環境は、依然としてトラックドライバーの不足や、働き方改革関連法の施行による労働時間の制約などの問題を抱えている。

アイシンの発表によれば、ヤマト運輸は総合物流ターミナルから各営業所へ荷物を輸送する大型トラックの安定的な確保を課題としており、一方でアイシンも生産した製品の輸出のために、大型トラックで港湾エリアへ運んだ後の復路便の多くが空荷となっている実態があったという。

アイシンでは「今後はラウンド輸送の対象地域拡大や、生活用品等の軽量荷物と当社製品を混載した共同輸送などの検討を進めていき、物流問題の解決に貢献していく」としている。持続可能な物流に向けた業界の垣根を越えた取り組みとして、今後の展開にも注目したい。

出典元：アイシンとヤマト運輸、業界の枠を超えたラウンド輸送により、物流問題の解決に貢献