SGホールディングスグループにおいて、低温物流事業を担う株式会社C&Fロジホールディングス（以下：C&Fロジ）は現在、2025年6月竣工を目指して岩手県滝沢市に新たな低温物流センターを建設中であることを公表した。

冷凍・冷蔵温度帯を兼ね備えた施設

岩手県滝沢市に建設中の低温物流センターは、C&Fロジの事業会社のうち、主に冷凍食品を取り扱う株式会社ヒューテックノオリンが運営主体となり、同じくC&Fロジの事業会社で、冷蔵温度帯の食品を扱う名糖運輸株式会社と、牛乳や乳製品の入出庫保管から輸配送を得意とする株式会社デイラインの3社で共同運営する。複数の事業会社が共同で運営する、冷凍・冷蔵温度帯を兼ね備えた施設はC&Fロジでは初の事例となる。

従来取り扱っていた冷凍食品やチルド食品の保管・共同配送業務、病院施設向け食材配送に加え、EC向けの農畜産物の保管や輸送業務、高齢者世帯に向けた宅配関連業務、医薬品輸配送関連業務などへの拡張といったグループ力を生かしたシナジー創出が見込まれる。

さらに、同センターは東北自動車道盛岡インターチェンジから約10分と交通の便に優れ、北東北3県をカバーすることが可能。自然冷媒を使用した冷凍機の採用や、全館LED照明とするなど、自然環境にも配慮されている。

北東北エリアの課題解決を目指す

北東北エリアは、これまで各事業会社が業務ごとに協力会社へ委託し、同地区をカバーしてきたが、高齢化などによるドライバー不足や、エネルギーコストなどの上昇による物流コスト自体の高騰によって、既存業務の拡張や新たな業務の獲得に困難が生じていたという。

また「物流2024年問題」と言われるドライバーの時間外労働時間上限の引き下げにより、南東北エリア（宮城県など）の自社拠点から北東北エリアへの個別配送が困難になり、場所によっては途中で中継し、ドライバーを交替して配送するケースも散見されている。

こうした状況を背景に、同じ課題を抱えるヒューテックノオリン、名糖運輸、デイラインの事業会社3社が共同で運営し、それぞれの取り扱い品目に合った、冷凍・冷蔵・常温の3温度帯の保管機能を持ち、北東北エリアの納品先への配送機能と南東北エリアからの中継拠点でもある新たな自社施設を設置するに至った。

C&Fロジは「今後も、SGホールディングスグループの一員として、それぞれの強みを生かしたシナジーにより、国内屈指のコールドチェーンを構築する」とコメントする。各社のノウハウを集約することで、北東北エリアに新たな価値を提供することが期待されるだろう。

上画像は北東北共同センター（仮称）完成イメージ。画像出典元：岩手県滝沢市に冷凍・冷蔵倉庫を完備した物流センターを2025年6月に開設予定（株式会社C&Fロジホールディングス）