ヤマトHD、北九州市ほか四者が電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証に基本合意

ECのミカタ編集部

北九州空港を拠点とする電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証に基本合意 上画像は北東北共同センター(仮称)完成イメージ。岩手県滝沢市に冷凍・冷蔵倉庫を完備した物流センターを2025年6月に開設予定(株式会社C&Fロジホールディングス)

ヤマトホールディングス株式会社(以下:ヤマトHD)、双日株式会社(以下:双日)、BETA Technologies Inc.(以下:BETA)、北九州市の四者が、2025年1月20日、北九州空港を拠点とする電動航空機による貨物輸送に向けた共同検証(以下:本検証)を実施することを基本合意した。

電動航空機への代替輸送を検証

本検証では、従来の輸送手段を電動航空機で代替した場合の経済合理性のシミュレーションや貨物を搭載・降載する際のオペレーションなどの運用面、充電設備といったインフラなどの技術面を検証。また、北九州空港と宮崎空港の2地点間で試験飛行を実施する予定としている。

各社の役割については以下の通りだ。

◆ヤマトHD
▷貨物輸送に関するオペレーションのアドバイスを実施。

◆双日
▷機体の国内での使用や試験飛行に向けた諸手続きなどの検証全体のコーディネートに加え、今後、機材を国内に導入するために必要な体制の構築をBETAと連携して推進。

◆BETA
▷機体の提供に加え、機体・充電インフラの運用や効率的に貨物輸送するためのアドバイス、試験飛行の運航オペレーションなどを担う。

◆北九州市
▷本検証を進めるうえで必要となる北九州空港を拠点とした各インフラや関係官庁との調整を支援。

持続可能な物流網の構築が期待

本検証で使用する「ALIA CTOL」は、ジェット燃料を使用せず電動で空港の滑走路を離着陸する航空機。電動航空機による貨物輸送を想定した2地点間飛行としては、日本初(※1)となる見込みだ。

積載量560キログラム以上、航続距離約400キロメートル以上という「ALIA CTOL」性能を活かし、従来のトラックや船舶などの手段を使用せず、CO2を排出しない効率的な貨物輸送を実現する手段となることが期待できるという。

日本の物流業界では、国内で排出されるCO2のうち18.5%を占める運輸部門の脱炭素化、過疎化が進行する地方・離島における物流ネットワークの維持などが課題となっている。スピード輸送による地方創生や物流における脱炭素化の実現、地方・離島向け物流ネットワークの強化など、持続可能な物流網の構築を目指す今回の共同検証と、その結果に注目していきたい。

※1:双日調べ


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