ECモールと自社EC、「購買行動の分岐点」は? フルバランス調査
株式会社フルバランスは2025年1月21日、ECサイトにおけるユーザー体験に関する実態調査の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名称:ECサイトにおけるユーザー体験に関する実態調査
◆調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
◆調査期間:2024年12月23日〜12月24日
◆有効回答:過去1カ月以内にインターネットショッピングで商品を購入した20代〜30代の男女111名
◆出典元:ECサイトにおけるユーザー体験に関する実態調査(株式会社フルバランス)
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っている。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある
自社ECサイトにはブランド独自のポイントを重視
「商品を購入する際、モール型ECサイト(Amazon、楽天市場など)と自社ECサイト(ブランドや企業の公式サイト)を使い分けていますか」(n=111)と質問したところ、「使い分けている」が7割以上と大多数を占めた。
◆使い分けている:73.9%
◆使い分けていない:25.2%
◆わからない/答えられない:0.9%
「使い分けている」と回答した人に「あなたが自社ECサイト(ブランドや企業の公式サイト)での購入を選ぶのはどのような場合か、具体的に教えてください(複数回答)」(n=82)と質問したところ、「ブランド独自のポイントを貯めたい場合」が32.9%、「ギフト梱包を希望する場合」が31.7%、「ポイント還元を活用したい場合」が30.5%という回答が上位となった。
ポイントに関する内容がトップ3の中で2つ並んでおり、よりお得な購入方法を意識している様子が見受けられるだろう。
モール型ECサイトでは「価格」を重視
また「使い分けている」と回答した人に「モール型ECサイト(Amazon、楽天市場など)での購入を選ぶのはどのような場合か、具体的に教えてください(複数回答)」(n=82)と質問したところ、「価格を重視する商品の場合」が57.3%と大多数を占めた。続いて「モールのポイント還元を活用したい場合」「複数商品をまとめて購入する場合」が39.0%と続く。
モール型ECサイトの場合、自社ECサイトで重視されていた「ポイント」に加えて「価格」がより一層重要になるようだ。
自社ECサイトでは「商品へのこだわり」に興味
「あなたは、自社ECサイト(ブランドや企業の公式サイト)を利用する際、ブランドや企業についてのページを閲覧しますか」(n=111)と質問したところ、「閲覧する」が25.3%、「時々閲覧する」が42.3%と約7割が閲覧していることが明らかとなった。
続いて、「閲覧する」「時々閲覧する」と回答した人に「ブランドや企業についての情報で、特に興味を持って見る内容を教えてください(複数回答)」(n=75)と質問したところ、「商品へのこだわり」が56.0%、「Aboutページ/私たちについて」が29.3%、「ブランドのストーリー・歴史」が28.0%が上位にランクインした。
以降も「企業の取り組み」や「企業理念・ビジョン」といった内容が続き、多くの閲覧者が企業に関する情報を求めている様子が見受けられる。
今回の調査では、ECサイト選択の際に「価格」と「ブランド体験」が重要な判断基準となっていることが明らかになった。
特に自社ECサイトでは、商品・サービスの付加価値や企業独自の魅力が重視されている。ECサイト構築において、単に価格競争に頼るだけでなく、差別化の要素を効果的に伝え、競争優位性を高めるための戦略が求められるだろう。