海外向けECサイト(ネットショップ)の作り方。必要な機能や注意点も解説

ECのミカタ マーケティング部

海外向けECサイト(ネットショップ)の作り方。必要な機能や注意点も解説

海外向けECサイトの運営には独自の課題や注意点が存在します。

この記事では、海外向けECサイトの始め方から運営のポイント、さらには活用できるサービスまで、実践的な情報を解説していきます。

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ECで日本のものを海外に売る方法は2つ

日本のものを海外に売る方法は、大きく分けて「自社のECサイトを作って販売する方法」と「海外のECモールに出品する方法」があります。まずは2つの違いを理解しましょう。

販売方法 メリット デメリット
自社ECサイト ・ブランドイメージに合ったサイトにできる
・販売手数料がかからない
・集客が大変 
・サイト制作や運営の手間がかかる
海外ECモール ・すぐに販売開始できる
・既存の集客力を活用できる
・販売手数料がかかる 
・ECモールのルールに従う必要がある

自社のECサイト(ネットショップ)で海外に売る

日本のものを海外に売る方法の1つは、海外の方も利用できるECサイトを自社でもつ方法です。

自社のECサイトを作って海外に商品を販売する方法には、ECサイトを1から構築する方法とネットショップ作成サービス(ASP)を利用する方法があります。

それぞれの詳細は次章で解説します。

海外のECモールに出品(出店)する

もう1つは、海外のECモールに出品する方法です。

代表的なECモールとして「Amazon」や「eBay」などがあります。

Amazonは世界最大のECモールで、あらゆる商品を扱うことができ、特に家電製品や日用品など、実用的な商品の販売に適しています。日本のAmazonアカウントを持っている場合、海外のAmazonにも比較的簡単に出品できます。

eBayは個人の出品者が多いECモールです。中古品や骨董品など、ユニークな商品も多く出品されています。入札形式での販売も可能で、レア商品の販売に向いています。

ほかにも対象とする国や扱っている商材によって、相性の良いモールが異なるので詳細は以下の記事で確認してくださいね。

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海外向けのECサイト(ネットショップ)の作り方

海外向けのECサイトを作る方法は、システム開発会社に依頼して1から構築する方法と、ネットショップ作成サービス(ASP)を利用する方法があります。どちらの方法を選ぶかは、予算や運営体制、必要な機能によって変わってきます。

ここでは2つのやり方の特徴についてみていきます。

1から自社サイトを構築する

1から自社サイトを構築する方法として、主に以下の4つのやり方があります。

  • フルスクラッチ開発
  • オープンソースの利用
  • ECパッケージの導入
  • クラウドECの利用

フルスクラッチ開発は、すべての機能を1から開発して完全オリジナルなECサイトを作る方法です。開発費用は数千万円以上かかることが多く、開発期間も半年から数年かかる場合があります。

オープンソースは無料で公開されているソースコード(内部構造)を利用して、ECサイトを構築する方法です。フルスクラッチ開発よりも高い柔軟性を持つ一方で、カスタマイズや運用保守のためには専門的な技術や知識が必要です。初期費用は抑えられますが、サーバーやセキュリティ管理等、運用保守のためのコストが継続的にかかります。

ECパッケージは、パッケージベンダーが提供するECシステムであり、ECサイト運営に必要な機能が、最初から含まれています。初期費用が必要ですが、信頼性が高く、保守サポートも充実しています。ただし、細かなカスタマイズには制限があります。

クラウドECは、AWSやGCPなどのクラウドサービス上でECサイトを構築する方法です。サーバー管理の手間が省け、システムの拡張性も高くなります。技術者の確保は必要ですが、インフラ面での心配は少なくなります。

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ASP(ネットショップ作成サービス)を使う

「ネットショップを始めたいけれど、1からサイトを構築するためのリソースやコストがない」という方におすすめなのが、ASP(ネットショップ作成サービス)の利用です。

プログラミングの知識がなくても、テンプレートを選んで自分好みにカスタマイズするだけで、見栄えの良いECサイトを作成できます。

初期費用は数万円程度とリーズナブルで、月額費用も1万円前後から始められるプランが多く、個人や中小企業でも導入しやすいです。

また、これらのサービスは多言語対応や海外発送機能、越境ECに欠かせない多様な決済方法(クレジットカードやPayPalなど)にも対応しており、設定も管理画面から簡単に行えます。

海外向けのECサイト(ネットショップ)に必要な機能

海外向けECサイトでは、日本国内向けのECサイトと比べて必要な機能が異なります。

買い手が快適にショッピングを楽しめるように、ECサイトの表示や機能を海外ユーザー向けに最適化する必要があります。

ここでは海外向けのECサイトに必ず必要な機能を紹介します。

多言語対応機能

海外のユーザーが商品を購入するためには、ECサイトの内容を理解できる必要があります。英語対応は必須となりますが、中国語や韓国語など、ターゲット国の言語に対応していることが重要です。

商品名や商品説明はもちろん、配送方法や支払い方法の説明に加え、利用規約なども翻訳が必要です。自動翻訳は便利ですが、正確性を保つためプロの翻訳者や専門ツール(例:DeepL)を併用しましょう。特に商品の素材や注意点は、誤訳が大きなトラブルにつながる可能性があるため要確認です。

また、言語切り替えボタンは画面の上部に配置し、各言語の国旗アイコンを表示すると分かりやすくなります。URLも言語ごとに、英語版は「/en/」、中国語版は「/zh/」などのURLの形式にするとよいでしょう。

多通貨対応機能

買い手が自国の通貨で商品価格を確認できるよう、多通貨対応機能も搭載しましょう。為替レートは日々変動するため、リアルタイムで取得し表示価格を自動で更新する仕組みが必要です。

価格表示は小数点以下の桁数や、3桁区切りの記号なども国によって異なります。例えば、日本では「1,000円」と表示しますが、ドイツでは「1.000EUR」、フランスでは「1 000€」と表示します。各国の表示ルールに合わせた価格表示が重要です。

また、送料や手数料も現地通貨で表示し、各国の規制(例:EUの付加価値税表示)に対応することが求められます。為替レートによる価格のずれを防ぐため、決済時のレートと表示価格を一致させることが理想的です。

海外ユーザー向けの決済機能

海外のユーザーが利用する決済方法は、国によって大きく異なります。アメリカではクレジットカードやPayPalが一般的ですが、中国ではAlipayやWeChatPay、ドイツでは銀行振込(SEPA)が好まれます。

各国で人気の決済サービスにも対応することで、購入のハードルを下げることができます。

また、主要な国際クレジットカード(VISA、Mastercard、American Express)への対応は必須です。

決済画面では、セキュリティマーク(VeriSign、SSLなど)を表示して安全性をアピールすることが重要です。また、決済エラー時のメッセージは必ず買い手の言語で表示するようにしましょう。エラーの原因と対処方法を分かりやすく説明することで、買い手の不安を軽減できます。

国際決済では不正利用のリスクも高くなるため、3Dセキュア認証や本人確認の導入も検討してください。

国際配送に対応する機能

国際配送では、配送業者の選択肢を複数用意することが重要です。DHLやFedEx、UPSなどの主要な国際配送業者に対応し、買い手が希望の配送方法を選べるようにしましょう。

配送料金は重量や配送先の地域によって変わるため、自動計算システムが必要です。商品の重量と配送先の郵便番号から、リアルタイムで配送料金を計算して表示できると理想的です。

また、配送状況を追跡できるトレーサビリティ機能も必要です。特に海外配送は日数がかかるため、追跡機能は買い手の安心感につながります。

なお、返品が発生する場合に備え、送料負担や手続きについて事前に明確なポリシーを示しておきましょう。

単位表示の変換機能

商品のサイズや重量は、国ごとに使用する単位が異なります(例:日本「cm」、アメリカ「inch」)。商品詳細ページでは、両方の単位を併記するか、自動変換機能を実装しましょう。

また、衣類や靴のサイズは国によって異なるため、サイズ変換表を用意することで買い手が適切な選択をしやすくなります。食品や化粧品の容量表示も同様に注意が必要です。

時間・日付表示のローカライズ機能

時間と日付の表示は、以下のようにECサイトのさまざまな場所で使用されます。

  • 商品の発送予定日
  • セール期間
  • 注文履歴
  • カスタマーサポートの営業時間

これらは買い手にとって重要な情報を伝える要素となります。

日付の表示形式は国や地域によって大きく異なります。例えば、2024年1月21日の場合、アメリカでは「01/21/2024」、イギリスでは「21/01/2024」、中国では「2024-01-21」と表示します。買い手の混乱を防ぐため、アクセスしている国や地域に合わせて適切な形式で表示することが大切です。

特にタイムセールなどでは、各国の買い手が混乱しないよう、現地時間での表示を徹底しましょう。祝日や記念日に合わせた販促企画も、国ごとの文化に配慮する必要があります。

国際住所の入力機能

住所入力フォームは、各国の形式に対応させることが必要です。例えば、アメリカでは州(State)の入力が必須ですが、日本では都道府県、イギリスでは郡(County)が使われます。入力項目の順序も国によって異なるため、適切な順序で表示する必要があります。

郵便番号の形式や入力順も国ごとに異なるため、適切なバリデーションを設定しましょう。

また、住所の自動補完機能も有効です。郵便番号を入力すると、住所の1部が自動入力される仕組みがあると、入力ミスを防ぎ、買い手の手間も省けます。ただし、海外の場合は日本のように郵便番号から正確な住所が特定できない国もあります。

さらに、マンション名や部屋番号、建物の入り口の説明など、配送に必要な追加情報を入力できる欄も用意しましょう。国際配送では荷物の再配達が難しいため、できるだけ詳細な住所情報を収集することが重要です。

海外向けのECサイト(ネットショップ)を作成できるASP

海外向けECサイトを始めるためのASPサービスは、それぞれに特徴があります。

ここでは、代表的なASPサービスの特徴や機能を詳しく解説します。

BASE

BASEは初心者でも簡単に始められる国産ASPサービスです。「英語・外貨対応App」を利用すれば、ブラウザの設定が英語の顧客にはショップが英語表記で表示され、34ヶ国の外貨表示にも対応しています。

決済面では、PayPal決済やAmazon Pay、銀行振込に対応しています。海外からの注文に対しては、自動キャンセルまでの期間が設定されており、PayPalは10日、Amazon Payは30日です。

送料設定も国内と同様に簡単で、「送料詳細設定 App」を利用することで、国別の送料設定が可能です。ただし、国ごとの禁制品リストや関税の詳細確認が必要で、これらを確認せずに販売を開始すると、トラブルの原因になることがあります。

料金プランは、スタンダードプラン(月額利用料0円、決済手数料3.6%+40円、サービス利用料3%)とグロースプラン(月額利用料16,580円、決済手数料2.9%)から選択できます。初期費用はかかりません。

参考:
BASEのサービス詳細はこちらから|ECのミカタ
BASEで海外販売をはじめる方法<実践編>|BASE U
BASEの料金プラン・手数料|BASE

Shopify

Shopifyは世界170ヶ国以上で使われている国際的なECプラットフォームです。50以上の言語と130を超える通貨に対応しており、海外販売に必要な機能が充実しています。

越境EC向けのカスタマイズが必要な場合、専用アプリを活用できます。例えば、「Langify」で多言語対応、「Currency Switcher」で多通貨対応が可能で、ボタン1つで切り替えができます。構築したECサイトをShopifyのアプリを使って主要言語に自動翻訳でき、日本円で設定した価格を米ドルや欧州ユーロなどに自動変換できます。

ただし、アプリの利用には追加費用が発生する場合が多いため、事前に確認が必要です。

決済面では、世界的に普及しているPayPalをはじめ、100種類以上の決済方法に対応しており、各国で人気の決済サービスを導入できます。アメリカのAfterPayや北欧のKlarnaなど、地域特有の決済サービスにも対応可能です。

配送設定も柔軟で、商品の重量や配送先の地域に応じた送料の自動計算、関税などの税金計算、送り状やインボイスの作成が簡単にできます。

参考: Shopifyのサービス詳細はこちらから|ECのミカタ
越境ECの始め方とShopifyで海外販売を始める方法|Shopify

STORES

STORESは日本製のECプラットフォームで、海外販売も簡単に始められるのが特徴です。国内・海外のストアを3つのパターン(国内販売のみ、海外販売のみ、両方対応)で切り替えられます。

海外対応は管理画面から簡単に設定可能で、翻訳や通貨の設定、決済方法の追加などがボタン1つで完了します。特に英語対応は管理画面から直感的に設定でき、運営者の負担は軽減されるでしょう。

送料設定も国内と同様の手順で行え、国別の送料設定や配送方法の選択が容易です。 

PayPal決済など主要な国際決済にも対応しており、海外の顧客がスムーズに購入できる環境を整えられます。

料金プランは、月額無料の「フリープラン」と月額1,980円の「スタンダードプラン」があり、売上が発生するまでコストを抑えて始められます。 

ただし、英語と日本語の併用には、それぞれの言語でストアを2つ運営する必要があります。

参考: Shopifyのサービス詳細はこちらから|ECのミカタ
海外向け(英語対応)のネットショップ開業で STORES がおすすめな理由とは?メリットや販売時の悩みも解説|STORES Magazine

カラーミーショップ

カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が提供する日本の老舗ECプラットフォームで、海外販売(越境EC)にも対応しています。

海外販売を行うには、専用のアプリを導入する必要があります。例えば、「WorldShopping BIZ for カラーミーショップ」や「ZenLink for カラーミーショップ」などのアプリを利用することで、世界228の国と地域への販売が可能になります。

決済機能では、PayPalやStripe、クレジットカード決済など、世界中で使われている主要な決済手段に対応しています。ただし、各国の通貨決済には標準対応しておらず、外部サービスを活用する必要があります。

配送設定では、国際配送に対応した配送業者と連携するアプリを利用することで、地域や重量に応じた送料設定、関税の計算、国際配送状況の追跡など、海外への配送を実現できる機能を揃えられます。

料金プランは、レギュラープラン(月額4,950円、初期費用3,300円)からスタートでき、機能に応じてプランを選択できます。海外販売機能はアプリを追加することで利用可能となり、決済手数料は決済方法によって異なります。

参考:
カラーミーショップのサービス詳細はこちらから|ECのミカタ
海外販売・越境EC | カラーミーショップ
プラン一覧|カラーミーショップ

Multilingualcart

Multilingualcartは、海外販売に特化した日本製のECプラットフォームです。その名の通り、多言語・多通貨対応を中心に、越境ECに必要な機能が充実しており、中国・韓国・タイ・ベトナムなどアジア市場での利用に最適化されています。

最大の特徴は、12言語(日本語、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語、タイ語、)に標準対応している点です。商品情報や配送情報など、サイト全体を各言語で表示できるのに加え、自動翻訳機能も搭載されています。

通貨対応も充実しており、日本円以外に中国元、韓国ウォン、タイバーツなど、アジアを中心とした主要通貨での表示・決済が可能です。

決済面では、PayPal、Alipay、WeChatPayなど、アジア圏で人気の決済手段に対応とシステム連携を行っており、各サービスとの契約のみで迅速に決済を開始できます。 

さらに、EMS、FedEx、SAL、ヤマト国際宅急便などの複数の配送方法を設定でき、商品重量と配送先情報から自動的に送料を計算・請求する機能も備えています。

料金プランは、初期費用70,000円、月額費用19,800円からのプランが用意されており、独自ドメインの利用やカスタマイズにも対応しています。

参考:海外向け・多言語ネットショップができるマルチリンガルカート(Multilingualcart)

海外向けのECサイト(ネットショップ)を構築・運営する際の注意点

海外向けECサイトの運営には、国内EC運営とは異なる多くの注意点があります。

特に以下の6つの重要な課題について理解し、適切な対策を講じることが大切です。

国によって販売できないものがある

日本国内では問題なく販売できる商品でも、海外では法律や規制によって販売できない場合があります。

アメリカの食品医薬品局(FDA)では、日本で認可されている食品添加物が使用禁止となっているため、1部の日本食品はFDAの規制により輸入制限がかかることがあります。

欧州連合(EU)では化粧品の規制が厳しく、動物実験を行った成分が含まれる場合、販売が制限されることがあります。また配合成分にも独自の基準があり、日本の化粧品がそのまま販売できないことが多いです。

医薬品や健康食品も規制対象です。日本では健康食品として販売できる商品が、他国では医薬品として扱われ、販売許可が必要になることがあります。さらに電化製品は、各国の電圧規格や技術基準への適合が必須となります。

各国の規制を調べる際は、公式の税関や政府ウェブサイトを参照するか、専門の通関業者に相談することをおすすめします。

関税がかかる

外国に商品を販売する際には、関税について考慮が必要です。関税率は国や商品によって異なり、最終的な販売価格に大きく影響を与えます。例えば、アメリカでは800ドルを超える商品は関税の対象となる可能性がありますが、課税額は商品カテゴリーごとに異なります。EUでは150ユーロ以上の輸入品に関税がかかりますが、VAT(付加価値税)は22ユーロ以上の商品にも適用されるため、注意が必要です。

中国では商品カテゴリーによって関税率が0%から50%以上まで大きく変動します。また、関税に加えて付加価値税(VAT)なども必要になる国もあります。

実際にかかる関税を計算する関税計算ツール(例:SimplyDutyなど)を活用し、購入者に事前にコストを伝えることをおすすめします。

また、価格設定の際には、関税込みの金額を明確に表示することが重要です。関税についての説明を商品ページに記載し、購入者に事前に理解してもらうことで、届いてからのトラブルを防ぐことができます。

国によって主要な決済方法は異なる

世界各国では主流となる決済方法が大きく異なります。アメリカではクレジットカードとPayPalが一般的ですが、中国ではAlipayやWeChatPayが主流です。

決済方法の選択肢が少ないと、購入を諦めてしまう買い手が増えます。特にアジア圏では、国ごとに独自の決済サービスが発達しており、現地で人気の決済手段に対応していないと売上機会を逃してしまいます。

クレジットカード決済を導入する場合も、VISA、Mastercard、American Expressなど、ターゲット市場で主流となるブランドに対応することが重要です。

配送コストがかかる

国際配送では、距離が長くなるほど配送料が高額になります。日本からアメリカまでの配送料は、配送方法によって異なり、1kg以下の小型商品でも2,000円以上かかることがあります。特に速達サービスを利用する場合は、さらに高額になることがあります。加えて、量が増えるとさらに配送料は上昇し、利益を圧迫する要因となります。

料金体系はEMSやDHL、FedExなど、配送会社によって異なります。スピードと料金のバランスを考慮し、複数の配送方法を用意することが望ましいです。また、配送料を抑えるため、現地に倉庫を設けて配送する方法も検討する価値があります。

破損や配送の遅延が発生しやすい

国際配送では、国内配送と比べて商品の破損リスクが高まります。荷物の積み替えが何度も発生し、長距離輸送による振動も激しいため、しっかりした梱包が必須です。特に陶器や食器類は、エアクッションや緩衝材を十分に使用する必要があります。

配送の遅延も頻繁に発生します。通関手続きに時間がかかったり、天候不順で輸送機関が遅れたりすることがあります。特に年末年始やクリスマスシーズンは配送が混雑し、通常より大幅に遅れることがあります。

集客が難しい

海外向けECサイトでは、言語の壁があるため集客が特に難しくなります。

GoogleやBingなどの検索エンジン対策に加え、中国では百度(Baidu)、ロシアではYandexといった地域ごとの主要検索エンジンに対応したSEO対策が必要です。商品名や説明文も現地の人が使う自然な表現に翻訳する必要があります。

現地の広告プラットフォームを活用することやSNSマーケティングも重要です。InstagramやFacebookなどのグローバルプラットフォームに加え、中国ではWeiboやXiaohongshu、韓国ではNaverなど、各国特有のSNSを運用し、ターゲット層に直接アプローチすることが求められます。

また、現地のインフルエンサーとの協業や、各国の祝日に合わせたセール実施など、文化や習慣を理解した上でのマーケティング施策が必要です。Google広告やSNS広告も、現地言語での出稿が基本です。

個人がECサイト(ネットショップ)で海外向けに販売することは可能?

個人でも海外向けのECサイトを運営することはできます。ASPサービスの発展により、専門的な知識がなくても海外販売を始められる環境が整っています。ただし、成功するには綿密な準備と計画が必要です。

BASEやShopifyなどのASPサービスを利用して自社ECサイトを立ち上げる方法があります。特にShopifyは海外販売向けの機能が充実しており、多言語・多通貨対応がスムーズに行えます。BASEの場合は、追加アプリを活用することで海外向けの販売が可能です。

また、自社ECサイトとは異なりますが、eBayやEtsyなどの海外ECモールに出店する方法もあり、特にハンドメイド商品や日本の伝統工芸品は評価されやすい傾向があります。

しかし、海外販売特有の課題もあります。商品説明の翻訳や、海外からの問い合わせ対応、国際配送の手配など、1人ですべてを担うのは負担が大きいです。

また、特定の商品(例:食品や化粧品)を販売する際は、輸出入に関する規制や許可の取得が必要になる場合があり、事前に各国の規制を調査し、必要に応じて税関や輸出入の専門業者に相談することが重要です。

海外向けのECサイト(ネットショップ)は代行サービスを利用するのがおすすめ◎

海外向けECサイトの運営で直面するさまざまな課題を解決する強い味方が、代行サービスです。

代行サービスとは、海外販売に関わる業務の1部または全体を専門業者に委託できるサービスのことです。翻訳、配送、カスタマーサポートなど、サービス内容は業者によって異なります。

費用は発生しますが、トラブルを防ぎ、スムーズな運営を実現できる点で、特に海外販売の初心者には強くおすすめできるサービスといえます。

例えば、Shopify Expertsを利用すれば、Shopifyを使用したサイト構築やマーケティング支援を提供する業者を見つけることができます。ただし、業者ごとに対応範囲が異なるため、依頼内容に合った業者を選ぶことが重要です。

フルフィルメントセンターを提供するAmazon FBAを利用すると、Amazonで販売する商品の配送や在庫管理をAmazonが行ってくれます。ただし、自社ECサイトの注文は通常FBA経由では発送できないため、事前に利用条件を確認する必要があります。

代行サービスの選び方で重要なポイントは、対応言語や対応国の範囲、サポート体制の充実度です。料金体系も代行サービスによって異なるため、自社の規模や予算に合わせて選択することが大切です。

ECのミカタなら海外向けECの有力なパートナーが見つかる

海外向けECサイトの運営には、言語対応、決済方法、配送方法など、さまざまな課題があります。

これらの課題を自社の力だけで解決するのは難しく、多くの場合、専門的なパートナー企業の支援が必要になります。しかし、自社のニーズに合った最適なパートナーを見つけるのは簡単なことではありません。

そんなときにおすすめなのが「ECのミカタ」のビジネスマッチングサービスです。

ECのミカタでは、サイト構築、多言語対応、決済、物流など、ECサイト運営に関する課題に応じて、適切なサポート企業を無料で紹介するマッチングサービスを提供しています。

まず、専任のコンシェルジュが現状の課題や状況について丁寧にヒアリングを行い、その後、条件に合った企業を紹介します。もしご希望であれば、商談のセッティングまでお任せいただけるので、スムーズにパートナー企業との話が進められます。

まずは、簡単な入力で問い合わせが完了するフォームからご相談くださいね。

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