食品小売事業者の62.9%が仕入れ業務に課題感 心幸グループ調査

ECのミカタ編集部

食品小売事業者の62.9%が、商品仕入に課題を実感 手間がかかる作業、「商品の在庫確認や棚卸作業」や「価格交渉や値上げ対応」が上位

心幸グループの総合商品卸売を行う心幸株式会社(以下:心幸グループ)は2025年2月12日、食品小売事業者の仕入業務における実態調査の結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査名称:食品小売事業者の仕入業務における実態調査
◆調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
◆調査期間:2024年12月19日〜20日
◆有効回答:月間仕入額が100万円以上の食品小売店の経営者または仕入担当責任者105名
◆出典:食品小売事業者の仕入業務における実態調査(心幸ホールディングス株式会社)

62.9%が食品商品仕入業務において課題を実感

「普段の食品商品仕入業務において、何か困りごとや課題を感じていますか」(n=105)と質問したところ、「非常に感じている」が19.1%、「やや感じている」が43.8%と62.9%が課題を実感していることが判明。

「非常に感じている」「やや感じている」と回答した人に「日々の商品仕入において、どのような点でお困りですか(複数回答)」(n=66)と質問したところ、「仕入価格が上がっているのに販売価格に転嫁できない」が59.1%と半数を超えた。

続いて「最小ロットが大きすぎて、在庫負担が重い」が39.4%、「配送料が負担になっている」が33.3%と並ぶ。

在庫確認や棚卸作業に最も手間がかかる

「商品仕入の作業の中で、特に手間や時間がかかっているものを教えてください(複数回答)」(n=105)と質問したところ「商品の在庫確認や棚卸作業」が43.8%、「価格交渉や値上げ対応」が32.4%、「複数の仕入先への個別発注作業」が30.5%と上位にランクインした。

続いて「以下の商品の中で、特に仕入や管理が難しいと感じているものを教えてください(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「パン・惣菜・お弁当(廃棄ロスが出やすい)」が28.6%でトップに。続いて「チルド商品(温度管理と日持ちの問題)」が26.7%、「加工食品(品質管理が大変)」が22.9%と続いた。

また、先の質問で回答した以外に「仕入や管理で困っている商品があれば、具体的に教えてください(自由回答)」(n=82)と質問したところ、以下のような回答が得られた。

◆生鮮
◆野菜
◆生しらす
◆水産、畜産等全般
◆日配品の賞味期限が短いものが多く仕入れコントロールが難しい
◆冷凍商品などはスペースが限られているが毎日の納品でないため場所がない

自動発注システムの導入が求められる

「今後、仕入業務の負担を減らすために、導入を検討したいものを教えてください(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「自動で発注してくれるシステム」が52.4%と半数を超えトップに。

続いて「毎月1万円の定額で、様々な商品(飲料、食品、雑貨等)を卸価格一括で一社から購入でき、消費期限が短いチルドや日配商品も専用コンテナで管理し、美味しい状態で仕入れられるサービスがあれば、利用したいと思いますか」(n=105)と質問したところ、「非常に利用したい」が18.0%、「やや利用したい」が41.0%と約6割が利用に前向きであることが明らかになった。

本調査によって、食品小売店における仕入業務の課題が浮き彫りになった。食品小売事業者の62.9%が、普段の食品商品仕入業務に課題を感じており、具体的な課題として約6割が、「仕入価格が上がっているのに販売価格に転嫁できない」をあげた。

また、温度管理を要する商品の取扱いにおける手間や、複数の仕入先への個別発注による作業負担の増大も指摘されている。こうした課題は、従業員の作業効率や業務の正確性に影響を与え、さらにはコスト増加や商品の廃棄率の上昇を招く可能性があると心幸グループは指摘。解決に導くためには、温度管理機能を備えた一括仕入れシステムなどの導入も有効な選択肢であると続けた。

食品ECへの注目が集まる中、事業者は値上げや在庫管理の困難さなど様々な課題に直面している。本調査内容を参考に、今後の対応を検討してほしい。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事