ヤマト運輸ほか4社が新東名高速で自動運転トラックの走行実証開始　共同輸送の効率化などを検証

自動運転トラックイメージ

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、BIPROGY株式会社、NEXT Logistics Japan株式会社、ヤマト運輸株式会社の4社は、自動運転を支援するデータ連携システム（以下：本システム）を開発。2025年2月25日～2月27日に、新東名高速道路駿河湾沼津SA―浜松SA区間にて、自動運転トラックを用いた走行実証を実施することを公表した。

自動運転トラックの走行安全性、共同輸送の効率化の実現性を検証

本システムの開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（以下：NEDO）公募「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業／デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」の取り組みとして行われたもの。

発表された今回の実証実験の概要は以下の通りだ。

◆実証実験概要
▷期間：2025年2月25日～2月27日
▷対象エリア：新東名高速道路駿河湾沼津SA―浜松SA
▷実証内容：
・共同輸送における最適な運行計画立案
・自動運転車安全走行支援
・走行環境変化に対応した運行計画変更
・緊急事態対応支援
※自動運転トラックは先進モビリティ株式会社の自動運転トラック（RoAD to the L4）を利用
※走行実証はドライバーが乗車し、レベル2相当にて実施

各社は本システムによって、自動運転トラックの安全な走行およびスムーズな共同輸送による物流最適化の実現に貢献するとしている。

自動運転を支援するデータ連携システムの概要

今回の実証実験において、各社は以下のシステムに対応する。

◆NEXT Logistics Japan、ヤマト運輸
▷自動運転トラックを想定した共同輸送効率化の支援システム
荷物情報やトラックの空き情報など共同輸送に必要なデータを入力し、荷物とトラックの空スペースをマッチングするシステムと、荷主・物流事業者が連携できるAPIを開発。物流事業者のトラックの積載率や稼働率を向上させることが可能となる。

◆ダイナミックマッププラットフォーム
▷ダイナミックマップ情報配信による自動走行支援システム
道路形状に応じた高精度な気象情報や渋滞などの道路状況データを車両へ提供可能とするデータ連携システムを開発。車両単独では検知できない数km先の情報を車両が認識可能に。また、車両の正確な位置情報を物流事業者へ提供することで運行管理、緊急時の退避判断が必要となるシーンでの活用が可能となる。

◆BIPROGY
▷シミュレーションを用いたニアミスシーンを情報共有するシステム
車両や外部システムから取得したニアミスデータを用いてシミュレーション環境を構築。自動運転車両開発時の安全性検証に資する多様なシナリオの提供が可能に。

多様なモビリティ・エリアでの活用を目指す

発表によれば、本事業は「自動運転を支援するデータ連携システムを開発し、各事業者の業務に共通する機能に必要なデータセットを提供することで、複数の企業や業種間でデータ連携が可能となるデータ連携基盤群のデジタル基盤の構築を図るもの」。また、構築する基盤は物流のみならず、多様な分野にて広く活用できるものを目指しているという。安全で効率的な物流実現へ向けた取り組みとして、実証の結果に注目したい。