日本郵便がトナミHDを買収へ 国内外物流事業を強化
日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は2025年2月26日、子会社であるJWT株式会社を通じてトナミホールディングス株式会社(以下、トナミHD)の普通株式取得のため、公開買付けの手続きを実施すると発表した。
「双方にとって最適なパートナーであるという認識」に至ったと発表
日本郵便の発表によれば、物流業界を取り巻くさまざまな環境変化の中、同社とトナミホールディングスにおいて意見交換などを継続的に実施した結果、双方にとって最適なパートナーであるという認識に至り、トナミホールディングスのMBOを企図。創業家代表、経営陣、日本郵便の共同コンソーシアムによる公開買付けを実施することとなったという。
公開買付届出当初の買付けなどの期間は2025年2月27日〜4月10日まで(30営業日)を予定。本件を通じ、トナミホールディングスと日本郵便との協業によるさらなる付加価値創出を目指すとしている。
◆案件ストラクチャー
※画像元:日本郵便の子会社(JWT株式会社)によるトナミホールディングス株式会社の株式に対する公開買付けの開始について(日本郵便株式会社)
輸送ネットワークの適正化・再編を図る
本公開買付け後の経営方針については、以下内容が掲げられている(※1)。
◆国内物流事業の強化
▷物流拠点と納入先の地理的な特性を踏まえた輸送ネットワークの適正化・再編
▷特積み事業に利用する拠点の地理的配置、収容能力、オペレーションノウハウ等を考慮した施設の開発・集約
▷車両及び燃料に関する共同仕入れによる原価低減・収益率向上
▷整備工場の共同利用・再編による車両点検等の効率化
▷日本郵便が進めている幹線輸送の共同運行事業との融合による輸送の最適化
◆営業力・経営基盤の強化
▷多様な荷主業界に対する深い洞察力を活かした営業機能の強化・拡張
▷経営を支えるコーポレート機能の集約、人材の相互補完・最適配置
▷迅速かつ効率的な経営判断に資するデジタル・システムへの共同投資
◆国際物流事業の強化等
▷日本郵便及び対象者の顧客に対する国際物流事業における共同営業による事業拡大
▷日本郵便及び対象者の利用運送事業(海運・航空)における仕入先に対する共同購入による収益率向上
▷共同でのM&Aの推進等
日本郵便はトナミホールディングスとの協業で「さらなる付加価値の創出を目指す」としている。今後の動向に注目したい。
※1:日本郵便の子会社(JWT株式会社)によるトナミホールディングス株式会社の株式に対する公開買付けの開始について(日本郵便株式会社)別紙2より