Amazonが「ブランド・プロテクション・レポート」2024年版を発表 模倣品ゼロを目指す4つの戦略
Amazonは2025年3月26日、5回目となる「Amazonブランド・プロテクション・レポート」を公表し、ブランドを保護するための重要戦略などを示した。
不正行為から保護するために年間10億ドル以上を投資
Amazonは2024年に顧客、ブランドオーナー、販売パートナー、Amazon.co.jpを模倣品や詐欺、その他の不正行為から保護するために、10億ドル以上を投資し、機械学習のサイエンティストやソフトウェア開発者、専門調査員など数千人がこの活動に取り組んだ。
加えてAmazonは、ブランドを保護するため、以下の4つの重要戦略を展開している。
◆Amazon.co.jpを保護する強力で効果的かつ積極的な対策
◆ブランドオーナーと協力してブランドをさらに保護していくための業界最高レベルの保護ツール
◆悪質業者の責任追及の進展
◆顧客の保護と啓発の強化
今回で5回目となる「Amazonブランド・プロテクション・レポート」で示され、「重要戦略において特に注目すべき進展」として紹介されたポイントは以下の通り。
AIの積極的な活用による権利侵害阻止の対策など
◆AIの積極的な活用による権利侵害阻止の対策
AIへの継続的な投資を通じて、知的財産の保護や模倣品検出システムを自動化・拡張し、積極的に管理体制を強化した結果、権利侵害の疑いのある出品の99%以上を、ブランドオーナーが発見・報告する前に阻止することができた。
◆高度な技術とツールの導入により、ブランド保護を効率化
TransparencyのAPI導入によって、Amazonブランド登録および管理のプロセスを自動化。これまでにAmazonのTransparencyプログラムを通じて25億点以上の商品が正規品として認証されており、フォーチュン500企業から中小企業、個人事業主まで、世界中で8万8000以上のブランドが参加している。
◆官民との協力を通じて悪質な業者への責任追及を継続
Amazonの模倣品犯罪対策チームは2020年の発足以来、訴訟や法執行機関への照会を通じて2万4000件超の悪質業者を追及してきた。同社は2024年、全世界で1500万点を超える模倣品を突き止め、押収し、適切に処分し、顧客の被害や小売サプライチェーンでの再販を阻止した。
◆模倣品に関する顧客の理解を促し、安心・安全なショッピング環境を実現するための啓発活動
Amazonは国際商標協会と学生のリーダー育成を支援する国際組織「DECA」との提携のもと、「2024 Unreal Campaign Challenge」を実施。本活動では、模倣品を購入することの危険性を訴える60秒の公共広告ビデオを制作する課題をDECA会員に出題し、受賞者は、数千人の学生が集うDECA International Career Development Conferenceで表彰された。
模倣品がゼロになるまで歩み続ける
Amazonは「Amazonでの模倣品対策の取り組みを進めるには、常にイノベーションと持続的な取り組みが求められます。また、ブランドオーナー様、業界団体、政策立案者、法執行機関などとの協力なくしては到底成し遂げることはできません」と示している。また、「Amazon.co.jpでの模倣品がゼロになるまでその歩みを止めることはなく、さらなるイノベーションに向けてたゆまぬ努力を続けていきます」とも。
今回発表された「ブランド・プロテクション・レポート」(※1)では、Amazonのブランド保護の4つの戦略における最新の取り組み状況として、2024年の活動がまとめられている。出店者および模倣品対策に課題を抱く事業者は、施策を検討する際の参考にしてほしい。
※1:参考「Brand Protection Report」(Amazon)