アスクル、「ASKUL関東DC」を開所 上尾市・日本GLPとの協定締結も発表

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ECのミカタ編集部

アスクル、「ASKUL関東DC」開所式および埼玉県上尾市、日本GLPと災害時協定締結式を開催

アスクル株式会社(以下、アスクル)は2025年5月23日、同年6月の稼働予定の東日本基幹センターである「ASKUL関東DC(ディストリビューションセンター)」(以下「関東DC」)の開所式を行った。

さらなる高度自動化、高効率化を実現

アスクルによると、2025年6月の稼働が予定されている関東DCの主な特徴は以下の通りとなる。

◆ロングテール商品を集約し、配送費比率の低減を実現
アスクルの物流拠点としては ASKUL関西DCに次ぐ2番目の賃借面積となる大規模物流センターで、事業所向けEC「ASKUL」と一般消費者向けEC「LOHACO」双方の物流を担う。東日本顧客への輸配送距離を短縮し、ロングテール商品も“明日来る”サービスの実現を目指す。

◆高度自動化、高効率化を実現
関東DCは従来センターのコンベア設備に加え、AGV(※1)を積極的に導入することで、さらなる高度自動化、高効率化を実現する。

◆駅や高速ICに近くアクセスしやすい「好立地」
埼玉県の上尾駅から徒歩圏であることに加え、圏央道、東北自動車道、首都高の3つの高速道路へ容易にアクセスが可能。

◆施設概要
▷名称:ASKUL関東DC(ディストリビューションセンター)
▷所在地:埼玉県上尾市愛宕3丁目1番22号
▷稼動開始:2025年6月(予定)
▷敷地面積:4万5922.36㎡
▷延床面積:10万4951.51㎡
▷建物階数:5階建・免震構造

新たな物流設備も複数導入

関東DCでは、以下のような新たな物流設備が導入される。

◆AGV「Table-sorting system」を導入
同社初となる、トーヨーカネツ株式会社(Zhejiang Libiao Robotics社製)の自動仕分けAGV「Table-sorting system」を高頻度品のデジタルピッキングエリアで搬送コンベアの代わりに導入。搬送コンベアという固定ではない設備を導入することで、柔軟性を高める。

※画像元:「ASKUL関東DC」開所式および埼玉県上尾市、日本GLPと災害時協定締結式を開催(アスクル株式会社)

◆GTPソリューション「PopPick」Ver.1.3を導入
株式会社ギークプラスのGTP(※2)ソリューション「PopPick」最新AGVのVer.1.3を導入。入荷の効率改善、さらなる保管と出荷効率向上を目指す。

※画像元:「ASKUL関東DC」開所式および埼玉県上尾市、日本GLPと災害時協定締結式を開催(アスクル株式会社)

◆入荷自動搬送AGV「Carry Bee Dragon3」導入
愛知機械テクノシステム株式会社の6輪台車搬送AGV「Carry Bee Dragon3」を導入予定。入荷場から保管場所まで何往復もの移動が不要となり、作業負担の低減につなげる。

※画像元:「ASKUL関東DC」開所式および埼玉県上尾市、日本GLPと災害時協定締結式を開催(アスクル株式会社)

その他にも、プラスオートメーション株式会社の工程間搬送ロボット「LUC-L1500V」の導入や、「使用済みクリアホルダー由来の再生材を活用した折りたたみコンテナ」の導入など、様々な取り組みが関東DCでは実施される予定だ。

地域への支援も推進

同じく5月23日、アスクルと埼玉県上尾市、アレス・マネジメント・コーポレーションの一部である日本GLP株式会社(以下、日本GLP)の3者間で「災害時の物資の供給及び一時保管等に関する協定」が締結された。

※画像元:「ASKUL関東DC」開所式および埼玉県上尾市、日本GLPと災害時協定締結式を開催(アスクル株式会社)

アスクルは2017年の物流センター火災の後、改めて万全な防災体制を整えることに加え、地域における物流センターの在り方を再検討し、各物流拠点における自治体との災害時協定を順次締結してきた。

本締結について同社は、「埼玉県上尾市内で運営する関東DCには飲料・食品や日用品などの生活必需品を潤沢に在庫していることや、災害時に市外から集まる支援物資の一時的な物資保管に活用できることから本協定の締結に至りました」と公表している。

大規模物流センターにおける最先端技術の活用とともに、地域への貢献も目指すというアスクルの動向を引き続き追っていきたい。

※1:Automatic Guided Vehicleの略。自動搬送ロボットを指す。
※2:Goods To Personの略。ピッキングを担当する作業員のいる場所まで商品を運び、定点作業を実現する物流ソリューション