愛知県公立大学法人が「メルカリShops」開設 大学としては初の事例に
株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は2025年6月5日、愛知県立大学および愛知県立芸術大学を管理運営する愛知県公立大学法人が「メルカリShops」において、大学として初めて出店を開始したことを発表した。
大学としては全国初の開設事例
「メルカリShops」は、スマホ1つで誰でも簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォームである。これまで全国60の自治体などが同サービスを活用してきたが、今回の愛知県公立大学法人の開設は、大学としては全国初の開設事例となる。
大学法人による「メルカリShops」の開設は、大学の限られた資源を循環させることで、学生の学びの充実にも寄与する。加えて、不要になった大学備品を必要とする大学などに提供することが可能となるほか、大学内におけるリユース意識の広がりにより学生の行動変容にもつながるとした。
さらに、大学の財源は、従来の運営費交付金や学生納付金に加え、外部資金(補助金、受託研究・共同研究費、寄附金など)が拡大するなど多様化している(※1)。その中で、「メルカリShops」の活用は、新たな財源の選択肢をサステナビリティの考えとともに提示するものとして注目される。
◆出品例(譜面台、メトロノーム)
※画像元:愛知県公立大学法人が「メルカリShops」を開設 大学として全国初の出店(株式会社メルカリ)(写真の譜面台、アナログメトロノームともに売り切れ)
循環を促進する取り組みに貢献
メルカリによると現在、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局では、大学をはじめとする研究現場における、研究設備・機器をより有効に活用できるよう検討が進められているという(※2)。
こうした状況を背景に同社は、「科学技術・イノベーションは、日本の経済成長における原動力であり、社会課題の解決や災害への対応などにおいてもその重要性が一層増しています。メルカリとしても、大学と連携した『メルカリShops』の活用を通して、こうした循環を促進する取り組みに貢献していきたいと考えています」としている。
大学法人の出店は、モノや資金の循環により、リユースの促進と収益の活用の両面から、学生の学びや研究のさらなる充実につなげることが可能になるだろう。その他の大学への波及など、今後の展開にも注目したい。
※1:文部科学省(2024年7月「国立大学法人等の機能強化に向けた検討会(第1回)配付資料」)「国立大学法人等の現状について」
※2:内閣府(2021年3月)「科学技術・イノベーション基本計画」に基づき、研究設備・機器の整備・共用化促進に向けて、産官学連携した新たな事業の検討が行われている