賃貸マンションの66%が「宅配ボックスなし」と判明 LIFULL調査
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は2025年7月16日、賃貸マンションでの「置き配」に関連する設備の設置状況についての調査結果を公表した。
調査概要
◆集計対象:LIFULL HOME'S に掲載された賃貸マンション
◆集計期間:2025年6月
◆出典:賃貸マンションの宅配ボックス・オートロック設置率を LIFULL HOME'Sが調査(株式会社LIFULL)
過半数の賃貸マンションが「宅配ボックスなし」
全国の賃貸マンションでの宅配ボックスの設置状況を調査したところ、宅配ボックスが設置されていない物件が66.3%と過半数という結果に。また、オートロックの設置状況を調査したところ、47.6%と約半数にとどまっていた。
さらに、宅配ボックス未設置かつオートロックが設置されている物件の割合は19.5%。LIFULLでは、この約2割の物件では宅配ボックスが設置されていないうえ、(オートロックがあるため)配達員が玄関前まで立ち入ることができず、エントランスなど共用部での受け渡しとなる可能性があることも指摘した。
築年数30年超物件の9割が「宅配ボックスなし」
宅配ボックスが設置されていない物件の割合を築年数別に調査すると、築11~15年の物件では48.4%、築16~20年の物件では49.9%と約半数となり、築21年~25年の物件では58.5%と半数を超えた。
30年超の物件では90.0%もの物件に宅配ボックスが設置されておらず、置き配でのスムーズな荷物受け取りが困難となる可能性が高くなる。
また、オートロックが設置されているマンションの割合も築年数別に調査したところ、宅配ボックスと同様に基本的には築年数の若い物件の方が設置率が高い傾向にあり、築15年以下の物件では8割以上がオートロックありであることが明らかとなった。
今回の調査結果について、LIFULL HOME'S総研のチーフアナリスト 中山登志朗氏は以下のようにコメントしている。
「宅配便の再配達削減には宅配ボックスの普及率を上げることが最も効果があるものの、賃貸マンション用の宅配ボックスを追加設置するには30~100万円のコストが見込まれるため、設置率の拡大は容易には期待できません。現実的には“置き配不可物件”に居住しているユーザーには、コンビニ受取や駅の宅配ロッカーの利用が求められることになります」
「置き配」の普及が進むなか、EC事業者にはユーザーへの多様な受取手段の案内や選択肢の充実が求められることを示唆する調査結果と言えそうだ。