アダストリア、 新設備導入で常総物流センターの物流効率を最大60%向上 関西では新物流センターを開設
アダストリア 常総物流センター内に導入された新たな設備
株式会社アダストリアとグループ物流子会社である株式会社アダストリア・ロジスティクスは、2025年8月1日、茨城県常総市「グッドマン常総」内の物流センターにおける最先端のオートメーション設備の導入を公表。また、同日に関西の新たな物流拠点となる西宮北物流センターの開設したことも発表した。
バリューチェーン全体の最適化を図る
アダストリアは本プロジェクトを実施した背景について、「少子高齢化による将来的な労働力不足への対応や、アダストリアグループが進めるプラットフォーマーへの進化、ブランドリテール事業の成長に伴う物量の増加という課題がありました」と述べる。
マルチブランドを展開する同グループ1500店舗への物流を担う物流センターをオートメーションにすることは、持続的でコスト優位性のあるバリューチェーンを構築するために重要な意味を持つ。
また、2025年8月より、兵庫県神戸市にて新たな物流拠点「アダストリア 西宮北物流センター」を新設。この新拠点により、 配送リードタイムの短縮やBCPの強化などバリューチェーン全体の最適化を図るとした。
◆アダストリア 西宮北物流センター(新設)
▷所在地:兵庫県神戸市北区有野町字岡場1897番地7
▷倉庫面積:約5800坪(約1万8800㎡)
アダストリア 西宮北物流センター ※画像出典:株式会社アダストリア
800店舗の仕分け作業を自動化
「グッドマン常総」内物流センターにおける、オートメーションプロジェクトは、アダストリア、オークラ輸送機株式会社、プラスオートメーション株式会社などと共同で実現。これによって物流効率を最大で60%向上させるという。
主な導入ソリューションは以下の通り。
◆国内最大規模のCTU導入台数と稼働エリア
▷協力企業:オークラ輸送機株式会社
▷保管、ピッキング設備: HIK ROBOT社製CTU(コンテナ移載ロボット)、LMR(潜入式搬送ロボット)
◆国内初の3区画同一エリアに仕分けロボットを120台導入、800店舗の仕分け作業が自動化
▷協力企業:プラスオートメーション株式会社
▷仕分け、配分設備:Libiao社製 t-Sort(ソーティングロボット)
◆t-Sort架台の上下にコンベアを這わせ自動化し、段ボールの搬送作業を軽減
▷協力企業:オークラ輸送機株式会社
▷オークラ輸送機製 製函・封緘機、コンベアライン
t-Sort(ソーティングロボット) ※画像出典:株式会社アダストリア
物流の需要増加に応じた高品質サービスの提供目指す
アダストリアグループでは、「中期経営計画2030」においてさらなる成長に向けた「プラットフォーマー」への進化を目指している。自社で展開するECモール「and ST」では、他社ブランドの参画を進めており、ブランドリテール事業の成長とともに、国内売上の拡大を図っている。
それに対応すべく、物流戦略の基盤として物流拠点の再編、大型化、オートメーションを推進し、効率的で持続可能な物流ネットワークの構築を推進。同社では「今後も地域社会と連携し、安心・快適な環境で働くことを重視しながら、物流の需要増加に応じた高品質なサービスの提供を目指す」とした。