パル、倉庫自動化ソリューション「Skypodシステム」の拡張を発表
株式会社パル(以下、パル)、株式会社アッカ・インターナショナル(以下、アッカ・インターナショナル)、Exotec Nihon株式会社(以下、Exotec)の3社は2025年9月10日、「PAL CLOSET Robotics Solution Center(以下、PRSC)」において、2024年に導入した倉庫自動化ソリューション「Skypodシステム」の拡張を発表した。
処理能力と安定性を確保するための戦略的設備投資
パルは顧客への提供価値を継続的に高めながら、次世代を見据えたスマートロジスティクスの構築を推進している。
今回の拡張は、パルが今後さらにEコマース事業を成長させるにあたり、より高い処理能力とオペレーション安定性を確保するための戦略的設備投資である。
◆PRSC拡張計画概要
▷拡張工事開始予定:2025年10月
▷拡張完了予定:2026年2月
▷追加ロボット台数:18台(現在の48台から66台へ増強)
▷追加ワークステーション数:3台(5ステーションから8ステーションへ増設)
▷保管容量:2万5536ビンから3万5616ビンに増加(約40%増)
▷入荷専用機能の追加:ビンインターフェースを導入し、出荷と入荷を完全分離。出荷能力を下げることなく入荷作業が可能
▷拡張面積:非ロボットエリアを再編成し、約1000㎡(約30m×33m)の新エリアを拡張
▷工事方式:業務への影響を最小化するため、夜間を含む複数ステップの段階施工を採用
▷処理能力向上:現在の約30%注文処理能力向上を見込む
中長期目標の実現に向け物流面から支える
PRSCは稼働開始から約1年が経過し、パルのEC売上の急成長に対応しながら、累計1万1000件のオーダーに対応。これまでの物流施設と比較し、約140%の物流効率の向上につながっている。
また、注文から配送までの時間も約1日~2日と短縮となり、PAL CLOSET(パルクローゼット)のフルフィルメント効率化および顧客体験の向上に大きく寄与してきた。
今回のSkypodシステムの拡張により、さらなる処理能力の向上と運用の安定性を確保し、2028年度にパルの目指すEC売上高1000億円(うちPAL CLOSET単体で500億円)という中長期目標の実現に向け、Exotecおよびアッカ・インターナショナルの協業によって物流面から支える方針を掲げた。
持続性と市場競争力を高める先進的な取り組み
各社は本件について、次のようにコメントしている。
◆株式会社パル 取締役 専務執行役員 堀田覚氏
「今回の拡張により、より自由度の高い販売戦略を実行できる環境が整いました。2028年度に目指すEC売上高1000億円という目標の実現に向けて、物流からのアプローチを強化してまいります」
◆株式会社アッカ・インターナショナル 代表取締役社長 秀洋一氏
「今回の拡張では、当社のWMS『ONE』や在庫一元管理システム『ALIS』との連携をさらに進化させることで、さらなる柔軟性と精度の高い物流オペレーションを実現します」
◆Exotec Nihon株式会社 アジアパシフィック地域 取締役社長 立脇竜氏
「引き続き3社のパートナーシップを強化し、総合インテグレーターとして、物流を通じた顧客事業の競争力強化とサプライチェーンの最適化へ貢献してまいります」
本投資は、物流の最適化と作業現場の質の向上を両立することで、企業としての持続性と市場競争力を高める先進的な取り組みであり、業界をリードする存在としてのパルの姿勢を示している。今後の動向に期待が寄せられる。