アスクル、本格復旧フェーズの見通しを発表 2025年11月12日より第1弾トライアルを拡大

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ECのミカタ編集部

サービスの復旧状況について (ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連・第6報)

アスクル株式会社は2025年10月19日に発生した、ランサムウェア攻撃によるシステム障害に関する第6報として、2025年11月6日サービスの復旧に向けた取り組みの進捗を発表した。

2025年11月12日より、取り扱いアイテムを拡大

今回の報告では、ASKULサービスの復旧計画を発表。第1弾のトライアル結果を踏まえ、出荷拠点および取扱商品の段階的拡大を進める見込みだ。

◆第1弾:FAX 注文・手運用出荷トライアル(10月29日開始済)
▷対象:(医療機関・介護施設を含む)一部の顧客
▷注文方法:FAX注文
▷対象商品:コピーペーパー等の37アイテム(※1)、すべて箱(ケース)単位
▷出荷拠点:新木場物流センター・ASKUL 大阪 DCの2拠点

◆第1弾の拡大:対象商品・出荷拠点を拡大(11月12日開始)
▷追加対象:一部の顧客(拡大)
▷注文方法:FAX注文
▷対象商品:コピーペーパー等の237アイテム(※2)、すべて箱(ケース)単位
▷出荷拠点:ASKUL 仙台 DC、ASKUL 横浜 DC、ASKUL 名古屋 DC、ASKUL 関西 DC、ASKUL 福岡 DCの5拠点を追加、計7拠点(追加拠点からの出荷は11月7日から開始)
▷出荷能力:従来の出荷能力の1~2割程度

2025年12月上旬以降、本格復旧フェーズへ入る予定

本発表では、第2弾トライアルから本格復旧フェーズまでの予定も公表された。

◆第2弾(予定):WEB注文・手運用出荷トライアル(11月中開始予定)
▷対象:一部の顧客(拡大)
▷注文方法:FAXに加え、ソロエルアリーナWebサイトでの注文を再開(※3)
▷対象商品:<箱単位注文>第1弾と同様(237アイテム)
<単品注文>医療機器・衛生材料等メディカル品約470アイテム(※4)
▷出荷拠点:<箱単位注文>第1弾と同様(7拠点)、<単品注文>ASKUL 東京 DC(1拠点)
▷出荷能力:従来の出荷能力の1~2割程度(第1弾と同様)

◆本格復旧フェーズ(2025年12月上旬以降予定)
▷ASKUL Webサイトでの注文、および一部物流センターから通常出荷を再開予定。
※通常出荷:箱単位ではなく単品での注文受付、物流センター在庫全商品の出荷
▷順次稼働センターを拡大

なお、第1弾に続き、第2弾についても倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)を使用しない運用となる。そのため、トライアル出荷運用は、通常サービスよりも配送日数がかかるため確認しておきたい。

3PL事業における企業は本スケジュールの対象外

なお、現在のアスクルサービスに関する状況は、次のとおりとなっている。

※画像元:サービスの復旧状況について(ランサムウェア攻撃によるシステム障害関連・第6報)(アスクル株式会社)

また、ASKUL LOGIST株式会社の3PL事業における企業(株式会社良品計画ほか)の出荷業務については、本リリース記載の復旧スケジュールとは異なるため注意したい。

アスクルは「各出荷トライアル運用でご注文いただける対象のお客様には個別にご案内を差し上げます」と発表している。引き続き本件の動向を追っていきたい。

※本記事は2025年11月6日の第6報公表時点の情報に基づく

※1:コピーペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、ゴミ袋等。
※2:介護用おむつ、介護用品、飲料、洗剤、飲食消耗品等。
※3:安全性が確認できたWebサイトから注文再開を進めている。
※4:注射針、シリンジ、カテーテル、消毒用エタノール、酒精綿、高濃度手指消毒剤、ガーゼ、カット綿、検査用グローブ、新型コロナウイルス抗原検査キット、舌圧子、パルスオキシメーター等(医療関連施設の確認が取れた顧客のみ購入できる商品を含む)。

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