「エシカル消費」認知度は10代がトップ、全体では昨年と同程度 消費者庁調査

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ECのミカタ編集部

令和7年度第2回消費生活意識調査結果について

消費者庁は2025年11月6日、「第2回消費生活意識調査」の結果を公表した。今回は「エシカル消費」をテーマに調査を実施。「エシカル消費(倫理的消費)」とは、商品を選ぶ際に価格や利便性だけではなく、人や社会、環境、地域に配慮することを指す。消費者庁では「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義している。

調査概要

◆調査テーマ:エシカル消費
◆調査対象:全国の15歳以上の男女
◆調査人数:5000人
◆出典:令和7年度第2回消費生活意識調査結果について

エシカル消費の認知度は約3割に留まる

「エシカル消費(倫理的消費)」を知っているかを質問したところ、「知っている」と回答した人(「言葉と内容の両方を知っている」又は「言葉は知っているが内容は知らない」と回答した人)の割合は27.1%を占めた。これは、昨年度(27.4%)と同水準であり、年代別では10歳代の認知度が最も高くなった。

続いて、「エシカル消費」の言葉や内容をどの情報源から得ているかを質問。「新聞記事、テレビ・ラジオ番組(CMを除く)」をあげた人の割合が33.3%とで最多となった。10歳代では「学校での学習」をあげた人の割合が最も高く、45.6%を占めた。

エシカル消費の実践率は減少

「エシカル消費」をどの程度実践しているか聞いたところ、実践している人(「よく実践している」又は「時々実践している」)と回答した人)の割合は 26.1%。昨年度の36.1%から減少した。

年代別では70歳代以上、60歳代の順に実践度が高くなった。

「エシカル消費」を実践していると回答した人に「エシカル消費」に取り組む理由について質問。「同じようなものを購入するなら環境や社会に貢献できるものを選びたい(57.5%)」「節約につながる(50.9%)」といった理由が上位に挙がった。

年代別でみると、10歳代~30歳代は「環境や社会に貢献した満足感や心理的充足感が得られる」「ストーリー性に共感する」「家族や友人等が取り組んでいる」と回答した人の割合が、全体と比べて高くなっている。

価格や品質面が実践のポイント

「エシカル消費」を実践したい又はもっと実践したいと思う条件をたずねた項目では「同種の商品・サービスと価格が同程度であったら(40.6%)」が最多となった。次いで「品質・機能が良かったら(35.3%)」、「節約につながることが分かったら(32.1%)」が続いた。

学校で学習していることから10代の認知度が高い「エシカル消費」。「エシカル消費の実践」はまだまだ少数派ではあるが、将来的に伸びていくことが予想される。

「地産地消」や「フェアトレード」「再生可能素材」など、エシカル消費につながる商材をすでに扱っている事業者はもちろん、新商品や新事業の検討の際に本調査結果を参考にしたい。