ECサイト半数以上が「スマホ対応」エルテックス調べ
エルテックスは、通信販売事業関与者の実態調査の結果を発表した
半数以上の事業者が「スマートフォンに対応しているが、何らかの課題を抱えている」と回答
課題は「売り上げの拡大」、悩み・困り事は「新規客の集客」の回答数が最も多い
ECサイト/通販システム開発及び構築のための調査
ECサイト構築/通販システム構築・支援を主要事業として手掛けている株式会社エルテックス(以下「エルテックス」)は、通信販売事業関与者の実態調査、「通販事業全般の課題」「困り事・悩み事」「広告やECサイト、顧客分析ツールの導入状況」などを集計・分析した調査結果の2015年版を発表した。
エルテックスでは、2000年頃より、ECサイト/通販システムの開発及び構築を積極的に推進しており、このような市場動向を考慮し、今回で3回目の独自調査「通信販売事業関与者の実態調査2015」を実施した。調査では通信販売事業に携わる担当者の「悩み事・困り事」「通販事業へ対する課題」など、昨年同様の内容の定点調査のほか、「広告やECサイト、顧客分析ツールの導入状況」「ECサイトのスマートフォンの導入状況」などを集計・分析した。エルテックスの中核顧客である通販企業の実態を把握したうえで、通販ビジネス化、通販サービス質の向上に向け、ソリューションサービス改善に繋げて行く。
調査結果を整理すると、ECを運営する通販事業者は、「半数以上の56.2%がスマートフォンに対応している」と回答を得た。だが、そのうちの約8割、全体回答者の44.6%が対応はしたものの、「何らかの課題を抱えている」との回答を得た。課題の内容は、「ユーザビリティー」「スマホのシステム、プログラム」「人的対応」の3方向に分類することができた。その中でも、約半数が「ユーザビリティー」に関するものであり、「わかりやすいレイアウトになっていない」「ただスマートフォン対応にしただけ」という具体的な課題があがった。
通信販売事業に関する課題は「売り上げの拡大(84.3%、前年比+0.6%)」「新規の顧客の獲得(75.3%、前年比▲2.0%)」「既存のお客様へのサービス向上(64.0%、前年比▲3.3%)」と回答を得た。売り上げの拡大が通販事業拡大の一番の課題との意識が高い傾向は、依然として続いている。調査の初回より、数値の変動があまりないことから、通信販売事業における課題は、市場、生活環境やテクノロジーの変化などとあまり相関関係が無いかもしれない。
通信販売事業全般の悩み事、困り事は「新規客の集客(55.7%、前年比+2.0%)」「通信販売事業の戦略や展開(43.0%、前年比+2.3%)」「既存顧客の満足度向上(40.7%、前年比+0.4%)」と回答を得た。「販売する商品の開発」は2013年比で+8.8%右肩上がりで伸びてきており、3番目の「既存顧客の満足度向上」を抜く勢いである。昨今、大手メーカーからベンチャー企業まで、健康食品や化粧品などをECや通信販売で売ろうという動きが活発化しているが、売れる商材の開発が急務となっている傾向が見られる。一方、「携帯電話、スマートフォンの活用方法」のスコアは2013年比で▲7.0%と年々パーセンテージを下げてきている。
結果を考察すると、「スマホの導入は世の中でのトレンドなので、活用方法での悩み」は少なくなっているが、「導入後のユーザビリティー」などもう少し踏み込んだ部分での課題が浮き彫りになってきた。これが「実態」とも考えられるだろう。