2015年News総まとめ!2〜アマゾンプライム、越境EC等
早いもので、2015年も9月となった。今年ってどんな年だっけ?これからのEC業界を知る上で、ここまでを振り返ってみようと思うということで前回、2015年News総まとめ!ということで、企画したが、かなり多くの人からの反響が得られた。ECのミカタ編集部厳選オサエロ!2015年版。待望の続編だ。
後編でまずピックアップしたいのが、 「アマゾンプライムデー」だ。「プライムデー」は、9か国で実施されたAmazonプライム会員(年会費3,900円/税込)に向けた1日限りのイベントで、毎時更新されるタイムセールが用意された。「プライムデー」へは、プライム会員の体験版(amazon.co.jp/primeday)に登録すれば、誰でも無料で参加することができた。実施後の結果については、1日あたりの販売数がこれまで最高であった昨年のブラックフライデー(感謝祭後の金曜日)の実績を超えると共に、世界におけるAmazonプライムの新規会員獲得数においても過去最高を記録したという。「プライムデー」を実施した9か国では、この日だけで3,440万点の商品が購入。これは毎秒あたり398点の商品が購入されたことになる。またこの日世界で購入されたAmazonのデバイス製品の売上も、過去最大となった。ネットがネットの強みをフルに生かした、王道を行く企画だ。
そして、見逃せないネタとしては「越境EC」だ。例えば、株式会社爽快ドラック(以下、爽快ドラック)と、株式会社アイスタイル(以下、アイスタイル)などの大手が、中国全土にオンライン取引プラットフォームを提供するアリババ・グループ運営の、オンラインショッピングモール「天猫(Tmall)」の国際サイト「天猫国際(Tmall Global)」に参入。他にも、公益財団法人 沖縄県産業振興公社(以下、沖縄県)は、さらなる県産品の輸出促進を進めるにあたり、海外インターネット通販(越境EC)を活用した販路拡大として、中国最大の越境ECサイト「Tmallグローバル(天猫国際)」出品の支援を新たな試みとして実施するなどの動きもある。写真投稿SNSとショッピングを掛け合わせた、日本発モール型越境 EC プラットフォーム『WONDERFULL』が登場したり、トランコスモス、韓国向け越境ECサイト「goodsbuy」をオープンさせるなど、その動きは一層、大きくなっている。
それに紐付けする形で押さえておきたいのは「インバウンド需要」だ。いうまでもなく、日本への観光客が増えており、それに伴い、大きな需要を日本にもたらしている。SBIアラプロモ株式会社(以下「SBIアラプロモ」)は、訪日外国人観光客向けに、帰国後もECサイトを通じて商品購入を行えるよう、海外居住者向けの購入代行支援サービス「BuySmartJapan」をSBIアラプロモ公式オンラインショップ「アラ・オンライン」に導入する動きなどもあり、さきほどの「越境EC」との親和性が高い。2020年に東京五輪があり、多くの海外観光客が増えることを踏まえると、この両者の動きは目が離せない。
今ならではの流れとしては今年は「通販 CRM元年」ということになるだろう。これは近年、ECの市場が拡大し、お客様の受け取れる情報数が増えたことに伴う動きだ。このような状況の中では、今までのように店舗がセールス情報をおくるだけでは、お客様にとって、それが価値のあるものと認識されなくなる。現に、最近、好調な店舗に見られる現象として、新規のお客様の売り上げは微増なのに対して、既存のお客様の売上が、飛躍的に伸びているというのだ。とはいえ、実際、現状に目を向けると、そうした対応ができる店舗はまだ多くはない。そうした現状もあり、一般社団法人日本通販CRM協会も立ちあがるなどの動きもあった。
お客様に対して見せる姿勢としては、同じく小結の「WEB接客」も新たな動きと言える。例えば、テコラス株式会社(以下「テコラス」)は、「コレカゴplus」で、購入者プロフィールに合わせた販売促進を行い、生活スタイルや購入状況に応じてページレイアウトを切り替えたり、販促イベントを設定できる。イベントとしては、購入回数の多い購入者をターゲットに「お得意様限定イベント」や「お誕生日イベント」があり、顧客に合った接客をすることによって購入者を「ファン化」させることができる。まさに、「接客」に重点を置いたネットショップ構築サービスといえよう。
大きな流れのあった2015年ではあるが、気がつくのは、ある程度、ECが浸透している中で、企業は連携をすることで、新たな強みを構築したり、また今まであったサービスの見直しをしたりして、新たな方向性を模索しているということだ。どんな新たな試みが起こるのか、EC業界から目を離せない。
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