千趣会&JFR連携!通販とリアルの強みをフル活用

福島 れい

「Kcarat」ショップイメージ(大丸神戸店3階)

メリハリ消費と購入方法のバリエーションに対応!

総合通販ベルメゾンをはじめとする株式会社千趣会(以下、千趣会)がオリジナル婦人ファッションブランド「Kcarat (ケイカラット)」をオムニチャネルブランドとして再構築すると発表した。これは、J.フロント リテイリング株式会社(以下、JFR)と千趣会が共同で行うもので、今春から大丸松坂屋百貨店の店舗、千趣会のカタログ、両社のEC サイトで販売するという。

Kcarat は、2010年に誕生した50代女性向けの千趣会オリジナルブランド。今回の再構築により、「オムニファッションブランド」の第一弾となる。両社は「オムニファッションブランド」とは、商品の企画生産からプロモーション、マーケティング、顧客情報活用などを両社共同で行い、多様化するお客様のニーズや購買スタイルに対応する多層的なブランドとしている。

新しいKcaratでは、価格とテイストの幅を広げることで、対象を通販のマス顧客から百貨店顧客まで拡大。また、一人のお客様のメリハリ消費や購入方法のバリエーションに対応する狙いだ。

メリハリ消費とは、”上着”は高級に上質な素材で、”インナー”は低価格でベーシックになど商品ごとにメリハリをつけた購入をすること。また、購入方法のバリエーションとは、ファッション性の高いもの店頭で試着、日常使いのものはネットでなどといった購入手段の使い分けを指し、まさに昨今の消費模様を反映している。

新しいKcaratの特徴として下記が挙げられている。
(1)「スタンダード」「プレミアム」「フェイバリット」の3つの商品ラインによって 幅広い顧客層、(一人のお客様の)ニーズ、購買スタイルの多様化に対応
(2)既存ナショナルブランドの80%の価格設定で“バリュー感”を訴求
(3)販売チャネルの役割に応じた商品・プロモーション計画によって“最適な顧客接点”を創出
(4)各販売チャネルの顧客・購買情報の一元管理によって 最適な商品提案・提供→ファン化

サイズや素材がわかりにくいことからEC化が遅れ気味のアパレルファッションの分野だが、今回、千趣会とJFRが手掛けるオムニファッションブランドでは、EC通販の良さと実店舗の良さのいいとこどりを実現していると言えるだろう。

商品とそれにあった買い方、また魅せ方を考慮しどのように売るのか、既成概念に捉われない柔軟な発想が求められているように思う。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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