第2弾 Best Store Award 2015とヤフーの戦略

ECのミカタ編集部

2016年3月3日に開催された、Yahoo!ショッピング Best Store Award 2015(http://bit.ly/1poPhjN)。開会の挨拶を務めた、Yahoo!ショッピングによる「EC革命」の立役者と言われる、ヤフー株式会社執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏。表彰式の最中、弊社は小澤氏に直接お話を伺う機会を得た。彼のお話からは、2016年のYahoo!ショッピングの攻めの戦略が伺える。Yahoo!ショッピングに限らず、EC店舗を運営するすべての方に知っていただきたい。

変わるヤフー、メディアからECへ

 ヤフーはかつてメディアの会社というイメージが強くあった。しかし2015年から、Yahoo!ショッピングのTVCM放映など、急速にEC事業に力を入れ始めた印象があり、実際に店舗さんもそういった声が聞かれる。その理由を小澤氏に問うたところ、きっかけは社長の交代だという。しかしその背景には、検索サイトの変化やスマホの普及などの時代の変化がある。それに対応した結果が、Yahoo!ショッピングの急成長だと言えるだろう。

 またYahoo!ショッピングのバックにあるソフトバンクグループでは、すでに中国でアリババがECモールとして確固たる地位を築いており、そのノウハウを使えるというのも強みだ。日本におけるEC市場は、伸びているとは言えまだ3~4%ほどで、伸び代はまだまだ十分にある。Yahoo!ショッピングは、そこに食い込み、時代の変化に即しさらなる成長を目指していく姿勢だ。

 また、Yahoo!ショッピングを利用していないが、ヤフーに関連している顧客層の伸び代も大きい。特にヤフープレミアム会員はYahoo!ショッピングの相性が良く、そこで効果的だった施策を、ソフトバンク契約者やヤフージャパンカード会員、Tポイント会員などに広げていく予定だという。

欲しいものを、お得に買える価値

 Yahoo!ショッピング Best Store Award 2015で小澤氏が強調したのが「お客様がYahoo!ショッピングを使う意味」ということだ。それは「欲しいものがある」「お得に買える」ということだという。
 
 「欲しいものがある」ためには、店舗数、ジャンルを増やしていく必要がある。Yahoo!ショッピングでは「EC革命」を掲げ、出店無料、広告も売れた分だけのコストなど、店舗が極力負担を少なく始められる体制を整えきた。その効果もあり、新店舗が続々と加わり、ストア数約38万店舗と日本一豊富な品揃えを誇るまでになっている。

 そして「お得に買える」ためには、ポイントやクーポン、セールの活発化がある。2015年はYahoo!ショッピング側が積極的にポイント負担をし、店舗の成長を助けてきた。2016年は、店舗の協力を仰ぎつつ、さらなる施策が検討されている。また、中国のアリババのセール成功事例を参考に実施した、11月の「いい買い物の日」セールは過去最高の取扱高を記録した。この勢いに乗り、2016年もセール開催が予定されている。特に6月にはYahoo!ショッピング20周年ということで、一層の盛り上がりが予想される。

 2015年は、Yahoo!ショッピングにとって、成長の年だった。その成長の流れに引き続き乗りながら、これまでのリソースを生かし、時代の流れを読んで対応していくこと。Yahoo!ショッピングは、ECモールの勢力図を塗り替えていくのかもしれない。


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