マーケティングオートメーションの導入効果はいかに?(シャノン調べ)

福島 れい

61%が効果ありと回答!今後の課題も発覚

マーケティングオートメーションを提供する株式会社シャノン(以下、シャノン)が「国内 BtoB マーケティングの意識・課題や現状」についてアンケート調査を行い、その結果を発表した。

そもそもマーケティングオートメーションとは何かについて説明しておこうと思う。一言で言ってしまえば、”マーケティング活動の自動化”になるのだが、よりイメージしやすいように一度、ご自身の行動を振り返ってみてほしい。何か商品を購入するとき、まずWeb広告やテレビCMで商品を知り、友人がSNSでシェアしているのを見て、検索エンジンで探してみて、そしてやっと購入に至るといったように、はじめて商品に接触してから購入に至るまでの間に何度か商品情報に触れているのではないだろうか?つまり、マーケティングオートメーションとはこのような複数回に渡る接触を自動で、最適なタイミングで最適な回数を行うものなのだ。その結果、バラバラになりがちなマーケティング施策を連携させ、より効果的なマーケティング活動を行うことができるようになる。

今回は、「導入効果」「KPI」「課題感」の3つの視点で調査が行われている。

まず、「導入効果」について。

マーケティングオートメーションの導入効果を感じているとの回答は61%、感じていないとの回答は39%となった。具体的に効果を感じた項目については、「販促・マーケティング活動の成果が可視化できた」が51.7%、「煩雑な作業が解消できた」が36.7%、「リードが増加した」が21.7%などと続き、マーケティング活動に貢献している様子が伺える。

次に「マーケティングのKPI」について。

マーケティングのKPIを設定している企業は74.6%、設定していない企業は26.4%となっている。この結果は昨年の調査ではマーケティングのKPIを設定していない企業が約4割を考慮すると、KPIに対する意識が格段に高まっていると言えそうだ。

また「今後、採用を考えているKPI」については、「顧客リードからの商談発生率」が29.1%、「獲得したリード数」27.4%となっており、直接収益につながる指標が挙がった。

最後に「マーケターが抱える課題」について。

課題として挙がったのは「マーケティング活動の成果が見えない」が47.9%で3年連続で1位となっている。また、実際に費用対効果を把握していない企業は全体の73%となっており、マーケティングオートメーションによる効果は実感しつつも明確にならないという課題が見受けられる結果となった。

この調査を実施したシャノンは、「本調査で、MA は有効なものであるということが明らかになりました。今後は、各社とも導入から活用フェーズ に移行していくことが予想され、同時に効果測定方法や分析・検証への取り組みの如何によって、導入効果の差が生じてくるものと思われます。とはいえ、MA 導入・運用におけるスキルやノウハウの活用は一朝一夕には実現しないのも事実です。」と所感を示している。

マーケティング施策が多様化する中で、いかに効率よく、より高い効果を出すか、頭を悩ませる担当者も多いことだろう。その答えの一つがマーケティングオートメーションであると言えるのではないだろうか。また、今回の調査で課題がいくつか挙がったことからも分かるようにまだまだ成長途中の分野とも感じる。今後も注目していきたい。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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