事実だった!日立と佐川の資本業務提携
なぜ今、両者が提携を行うのか
本日3月30日、株式会社日立物流(以下、日立物流)とSGホールディンングス株式会社(以下、SGホールディングス)および佐川急便株式会社(以下、佐川)の取締役会において、資本業務提携契約が締結された。これに伴い、日立物流の親会社である株式会社日立製作所(以下、日立製作所)がSGホールディングスに対して、日立物流株式の一部を譲渡し、SGホールディングスが日立物流に対して、佐川急便株式の一部を譲渡することが合意された。
実は今朝、日本経済新聞より同様の報道がなされていたが、日立製作所より同社が公表したものではないとのプレスリリースが出された。しかしその後の取締役会での正式な締結を経て、改めて事実が公表された形だ。今回の資本業務提携は、国内貨物需要の伸び悩み、人手不足に起因したコストの増加等の問題を解決し、さらに顧客のニーズの高度化、多様化に応えることを目的とし、「”ロジスティクス事業”と”デリバリー事業”の融合」をテーマに掲げている。
提携の詳細と今後の業界の動き
資本提携の内容は、日立物流が佐川急便株式20%を取得、またSGホールディングスは日立物流株式の29%を取得するというものだ。業務提携の内容としては、1)相互の顧客基盤を活用した営業連携による提案力の強化及び事業拡大、2)車両集中管理やセンターの共同活用による稼働率向上と効率性の追求、3)両者のIT・LT技術を駆使した最先端物流への取り組み、4)アジアを中心としたグローバル事業の強化、5)リソースの相互活用と連携による周辺事業の強化、をあげ、具体的な内容は今後協議を進めていく予定とのこと。
今回の提携でも触れられているが、物流業界は今、人手不足とコスト増、その一方でユーザーのニーズの高度化、多様化という大きな問題を抱えている。この問題を解決すべく、物流各社はそれぞれ取り組みを行っている。EC業界においてよく利用される物流といえば、ヤマト運輸と日本郵便であるが、この2社は、先日お伝えした通り(http://bit.ly/1UBJYuO)、再配達を減らす取り組みを積極的に行っている。
それに対し佐川急便は、別の角度からの取り組みを行っている印象だったが、今回の提携もそれを表しているように思う。今回の提携により、物流業界の勢力図には何らかの変化が起きるだろう。両者の今後の動きに注目だ。