【楽天セミナー②】詐欺を突き止める手段とは?
昨日(https://goo.gl/48kRew)に更新された、楽天の「安全・安心に向けた取り組み」についてのセミナーの記事の続きである。本日は、塩原聡氏の発表について紹介する。
クレジット情報を闇で売買している現実…
塩原氏は、「楽天を利用した詐欺の多くは、偽装サイト・クレジットカード・偽装品だ」と語る。どうやら、偽装サイトにユーザーを誘導し、クレジットカードの情報を盗むそうだ。その例の1つに不動産サイトがある。引っ越しが多くなる季節にユーザーを偽の不動産サイトに誘導し、メールアドレスを入力され、それから詐欺が始まっていく。知らない間にクレジットカードの情報が盗まれてしまう恐れがある。進学や入社で地元を離れる際に、新しい家を探すために多くの不動産サイトを閲覧する人も居るだろう。やはり、「早く家を見つけたい」という気持ちに付け込んで偽装サイトに誘導する。そのため、この手口に引っかかってしまう人が多い。
大切なクレジット情報を闇で売買してしまう人も居る。ちょっとしたお小遣い稼ぎの感覚で情報を簡単に売ってしまう。その情報を基にECサイトで商品を購入し、その商品を海外で売る。最終的な詐欺の狙いは、商品を売って得たお金である。そういう詐欺を見つけ出すために、配送先に注目する。多くの商品を他人のクレジットで購入するとき、全てに同じクレジット情報ならば怪しまれることは分かっているため、カード情報は1つ1つ変えている。だが、配送先は同じにすることが多い。また、この配送先のほとんどが空き家だ。誰も住んでいない空き家を探し、そこを配送先に選ぶ。
HOME’Sと協力して“空き家”を調査!
塩原氏は「その空き家情報を予め持っていれば、詐欺を防ぐことができる」と考え、賃貸住宅情報サイト「HOME’S」と協力をして空き家情報がすぐ入るようにしている。もし、空き家情報を取得し、多くの商品の受け取り先がそこになっている場合は、店舗に報告し「決済方法を変えなさい」と助言する。塩原氏は、空き家の情報が入ると全て自分の足で確認に行くようにしている。あくまでも、犯罪者はアパートやマンションなどを借りるのではなく、空き家にこだわっている。おそらく、アパートやマンション等は部屋を借りる前に不動産や大家さんとやり取りをする。その時に借りる目的等を聞かれてしまったら困るからこそ、空き家にこだわるのだ。
その他にも、ユーザーが検索しそうなワードをGoogle等で毎日検索している。そこで、3,000~4,000の偽サイトを見つけることもある。このように、キーワードを検索するなどのアンテナを常に張っており、怪しいサイトがあればすぐに報告している。そうすると、すぐに偽サイトが削除され、偽サイトをクリックする人も減っていく。その取り組みのおかげで、詐欺が未遂となったケースも多い。
偽装品を徹底的に調査!
詐欺に狙われやすい商品は、2012年ではブランド品が圧倒的に多かった。それが少しずつ変化していき、現在では化粧品やサプリメント、青汁、粉ミルク、目薬など食品や薬の偽造品が増えている。だが、このような商品は日本だと偽物とばれてしまう恐れがある。そこで、犯罪者は海外に転売している。日本で商品を購入して海外に転売するということが犯罪者の手口である。
また塩原氏は、偽装品と思われる商品を実際に購入をして確かめている。それでも、偽装品であることを判断するのは権利者である。偽装品を見つけた際にすぐ権利者に伝えて、偽装品かを確認する。それでも分からない場合は、プロの鑑定者に頼むしかない。もし、偽装品が出た場合は、そこの店舗まで足を運ぶ。必ず自分の足で向かうことが塩原氏のやり方である。やはり、自分で確かめなければ真実が分からない。
楽天の店舗を守るために…
そもそも楽天の出店審査で犯罪者を防ぐことはできないのであろうか。それは、とても難しいことである。先程も述べたが、犯罪者は大学生や専門学生、外国人の名義を使う。そんなに名義を売る人が居ないと思うが、クレジットカードの時と同じように闇で売買されている。名義を借りることで、多額なお金が支払われたり、毎月お金が入ってきたりする。お金に困っているときに、お金が発生する話があれば、自然と乗ってしまう恐れがある。その人間の心理を利用して近寄る犯罪者が多いだろう。今後は、このような犯罪者を防ぐために公的機関及び関連民間企業・団体との連携を強化していくそうだ。さらに、より一丸となった対策を強化していき、クレジットカードや名義を犯罪に利用されないようにしていく。
塩原氏は、楽天の店舗1つ1つを守るために日々対策を練っている。他の業務があったとしても、詐欺になりそうなものが見つかったら自ら足を運んで調査していく。それは店舗のためでもあり、ユーザーのためにもある。やはり、楽しくショッピングをするためには安全性が鍵となる。もしも、偽サイトや偽造品があったら、「そのような所では二度と買い物をしたくない」というのがユーザーの本音である。いくら値段が安くても、偽物を買うことを防ぎたい。そういう気持ちに応えるために、塩原氏は日々対策をしているのだ。それが実を結んで、実際に詐欺を防いだこともある。まだまだ詐欺が消えることは無いが、塩原氏のような「諦めることなく、調査していく」という姿勢が大切なのだろう。
野原彰人氏の講演は明日に続く・・・。