ネクストエンジン、Live Commerceと提携。越境ECしないリスク

ECのミカタ編集部

ネクストエンジンとLive Commerceのサービス

 Hamee(ハミィ)株式会社(以下、Hamee)は、自社が提供するサービス「ネクストエンジン」と、多言語・多通貨対応カート"Live Commerce"との連携において、株式会社デジタルスタジオ(以下、デジタルスタジオ)との業務提携を発表した。

 「ネクストエンジン」とはECバックヤード効率化システムである。
元々Hameeが運営しているストラップショップ「Hameeストラップヤ」から生まれたサービスで、運営するにおいて現場の声を反映して「ネクストエンジン」が生まれたのだ。受注・発注・仕入・在庫から分析等、ネットショップの運営に必要な機能が一元管理できるシステムで、現在16,000店舗以上に導入されている。

 今回デジタルスタジオとの業務提携に至った理由として、越境ECが背景にある。越境ECはここ数年で多くの企業が挑戦しており、今後も世界的な越境ECの割合は伸びていくことが見込まれている。 

 また「ネクストエンジン」を導入している自社ドメインユーザー2,000社の中で、越境ECを行っている店舗は2016年4月現在100社を超えている。その数は今も増え続けている。越境ECはEC事業者にとって自社商品の販売規模を拡大するために必要とされている一手なのだ。2015年の訪日外国人の数も急増しており、「爆買」というキーワードにも現れているように日本国内の小売事業を大きく左右している。訪日外国人が日本の商品に興味を持ち、購入に至っているのは事実だろう。

 「Live Commerce」とはデジタルスタジオが提供する多言語・他通貨対応カートであり、海外販売する上で必要な機能が揃っている。言語と通貨を連動されることができるのが一番の特徴で、日本人が購買する時は日本円で表示、中国語の時は人民元の表記が可能になる。またその他の通貨は管理画面より手軽に追加することができる。

日本のみの出店店舗の身が危ない

 2015年に北米の大手マーケットプレイス、カートシステムとの連携を進めて、国内・海外の在庫・受注の一元管理を実現した「ネクストエンジン」。そして今回利用者がより手軽に越境ECを始められるようにカートシステム「Live Commerce」と連帯した。「ネクストエンジン」ユーザーに限り安価なプランで「Live Commerce」を導入できる。

 その上デジタルスタジオが運営する外国人向けSNSサイト「Discovery Japan」に無料で掲載することができる。「Discovery Japan」とは日本の伝統的な商品や工芸品など、商品のいい所や価値が伝わりにくいものを記事や動画を使い外国人にわかりやすく説明する。そして商品の魅力付けをして海外で販売するための手助けをしてくれるSNSなのだ。

 つまり越境ECを始めるべきだと感じている「ネクストエンジン」ユーザーがカートシステム「Live Commerce」を導入すれば、安価に言語と通貨が最適化されるカートを使用することができる。これにより、外国人の日本発のECサイトでの買い物ハードルが下がり顧客の機会損失を防ぐことが可能だ。また「Discovery Japan」に無料掲載をすることにより外国人に自社商品の魅力を伝え、集客することもできるのだ。費用と手間をかけずに越境ECを多方面からサポートしてくれる。

 今、中国が海外のECサイトから物を買うだけでなく、中国のECサイトが日本に出店する動きが見られている。いずれは中国からECサイトが日本の消費者に向けて押し寄せてくるだろう。この動きにより日本の消費者が中国ECサイトに移行してしまうかもしれない。こうなると日本の店舗しかないECサイトはうかうかしてはいられないはずだ。今こそ、「ネクストエンジン」と「Live Commerce」を利用し、越境ECに踏み出す時が来たのではないだろうか。


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