2020年は現金不要が25%弱に?決済市場の5年予測(ITプランニング調べ)

ECのミカタ編集部

株式会社ITプランニングが、2015~2020年の、日本におけるクレジット、デビット、プリペイドの各非現金決済手段の成長を予測し、その結果を発表した。世界市場において非現金決済が拡大する中、日本は遅れがちと言われるが、今後広まっていく予測も出ている。非決済手段はまた、EC店舗とも相性が良い。5年の予測から、EC店舗が今後どのような決済手段に力を入れるべきなのか考えていく。

非現金決済手段の現状と5年後の予測

 ITプランニングによる調査の結果、2015年は、民間最終消費支出に占める割合が、クレジットは16.7%、デビットは0.28%、プリペイド・電子マネーが2.22%との予測。そこから、2020年には、クレジットが19.69%、デビットが0.59%、プリペイド・電子マネーが3.81%と算出され、非現金決済比率が24.09%まで高まると期待されている。

 非現金決済の詳細をそれぞれ見ていくと、クレジットカードは、発行枚数の伸びに鈍化が見られるものの、各カード会社ともに稼働率アップに力を入れている。また、従来、口座振替や振込が多かった家賃、公金、医療、教育などでカード決済を導入するケースが見受けられるなど、決済シーンの広がりにより、取り扱いはまだ伸びると想定されている。

 デビットカードでは、VisaやJCB等の国際ブランドが搭載されたブランドデビットのイシュア(発行会社)が広がっており、市場全体に占める割合はまだ少ないものの、2020年は倍以上の市場規模になると予測されている。

 プリペイドカードでは、流通系や交通系の電子マネーが市場拡大を牽引している。また、コンビニや家電量販店では、ギフト・プリペイドカードの什器販売が浸透してきているという。さらに、カフェやスーパーマーケットで行なわれているハウス電子マネー、国際ブランドが発行するブランドプリペイドも市場拡大が期待され、2020年には10兆円を超える市場になると見込まれている。

※クレジットは、個人向けのクレジットカードの利用金額をベースに算出。デビットはJ-Debit、ブランドデビットを合算した数値。プリペイドカードについては、プラスチックプリペイド、ブランドプリペイド、ギフト・プリペイドカードの他店舗販売、非接触電子まねー、インターネットで利用される他店舗販売の数値をベースに算出。プリペイドについては、たとえばブランドプリペイドがギフト・プリペイドカードの多店舗販売となるコンビニエンスストアで販売されているように、当然、それぞれ算出した数値に重複が出てくるため、それを踏まえてトータルの市場予測を算出している(PET型カードの数値は除外)

非現金決済手段の拡大はEC店舗にどう影響するのか

 非現金決済手段の中でも、EC店舗と関係が深いのは、クレジットカードだろう。ECで買い物をする場合、手間をかけずにすぐに商品を受け取りたいというニーズが高く、またEC市場が拡大する中で消費者がECで買い物をすることに慣れてきていることもあり、クレジットカード決済ができることの重要性は増してきている。クレジットカード決済に関しても、世界に比べて日本は普及に遅れをとっているようだが、今回の調査結果からも分かるように、今後まだ拡大の余地はあるだろう。

 また、クレジットカードよりもさらに手間なく使える決済手段として、今回の調査には入っていないが、モバイル決済も登場している。これも世界で急速に成長しており、日本にもその波が来るのではないかと予想される。モバイル決済の利点としては、EC店舗とリアル店舗の連動がしやすいことや、情報流出のリスクを下げられることなどがあげられる。

 決済というのは、EC店舗で買い物をする際の、最後のステップであり、同時に離脱が起こりやすい局面でもある。ここで消費者のニーズを押さえ、安心感を持ってもらうことが、売上に直結していく。決済のトレンド、ニーズは変化するものであり、新しいサービスもどんどん登場してくるので、現状をおさえながら、常に情報を更新していくことが求められるだろう。


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