越境ECのニーズ、鍵を握る日本のサブカルチャー
越境ECにおいて今、求められているニーズとは?どんな商品が売れるのか。GMOリサーチの調査結果から外国人の日本商品へのニーズを考えてみた。
観光客へ、日本へ来る目的の調査結果
GMOリサーチ株式会社(以下、GMOリサーチ)は海外向けローカライズ事業・リサーチ事業・プロモーション事業を行う株式会社LIFE PEPPER(以下、ライフペッパー)と訪日外国人観光客を対象にした調査事業分野において業務提携契約を結んだ。今回提携第一弾として、東京のサブカルチャーの地、秋葉原を訪れた外国人観光客100名へ街頭調査を行った。
調査を実施したのは中華圏からの団体ツアー客40名と中華圏個人客38名。そして欧米人ツアー客2名と欧米人個人客20名である。
目的は・・・サブカルチャー!
中華圏からの団体ツアー客の目的として「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」(37.5%)が一番多い。そして次に「家電の買い物」(27.5%)と続いた。その他の意見では、「ツアーの日程に組み込まれていたから」(25.0%)などや「特に無し」(12.5%)が合わせて4割弱という結果になった。
また、個人客の日本旅行の目的として「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」が57.9%という結果になった。これは団体ツアー客と比較すると圧倒的に日本のサブカルチャーを目的にしている人が多い。
欧米の個人旅行客は「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」(55.0%)であり、続いて「オタク文化発信地としての秋葉原体験、見学」が40.0%という高い結果を出している。
中華圏、欧米の旅行客ともに、日本のサブカルチャーを求めて来日する方が多く見受けられる。日本のサブカルチャーは日本人だけでなく、外国人にも評価されているという結果だろう。
越境ECで成功するための商品とは。
日本発の商品はクオリティや質が高いものが多く、外国人にも多くの需要がある。実際日本へ中華圏の旅行客が来て、日本の商品を爆買していくことも需要がある結果を表している。
しかし越境ECに参戦する際にただ単に日本の良質な商品を外国へ販売するだけでは、上手く売れない場合もある。日本では売れるが、なぜか外国では売れない場合だ。
そんな時、真に求められるのは販売する先の国の人々がどんな商品を求めているのか、つまり需要を理解できているかということである。一見当たり前のようではあるが、難しい話である。自分たちがどんな商品を売りたいか、というのはもちろん重要だ。しかし、相手がそんな商品を求めているのか、も重要なのだ。
日本に来る観光客のニーズを知ることで、必然的に私たちが越境ECで提案するべき商品のヒントも見えてくる。越境ECでは、フォギュアを販売する「あみあみ」などがそうであるように、日本独自の文化である、サブカルチャーに対する関心はとりわけ高いことを示す結果となっている。
(「あみあみ」成功の秘密は、こちら(https://goo.gl/7RsuLB)でご覧いただける。)
そんなことを考えてみると、今回の調査の結果は越境ECの運営に関して参考にできるものがあるだろう。中華圏・欧米の旅行客が日本へ来る目的としていた“サブカルチャー”は一つのECでの商売の切り口になるはずだ。