特別企画:ASPカートが見据えるECの未来【FutureShop2編】

ECのミカタ編集部

 今やモールとともに当たり前に存在する独自ドメインのEC店舗。その中でも更に手軽に始めることができるASPカート。ASPカートで店舗を持つ意味、存在の意味、理解できていますか?

 今回は、「FutureShop2」をはじめとして幅広いサービス展開を行う、株式会社フューチャーショップの事業戦略部 部長 商品開発ディレクター 安原貴之 氏に伺いました。

特別企画:「ASPカートが見据えるECの未来」目次
・【成り立ち】https://goo.gl/Gdljww
・【CARTSTAR編】https://goo.gl/jT8kuH
・【FutureShop2編】
・【MakeShop編】https://goo.gl/oEQZwK
・【カラーミーショップ編】https://goo.gl/JF9NmQ
・【ショップサーブ編】https://goo.gl/tjyoGN

選ばれるASPカート、その理由

 ASPカートは「ECサイトに必要なものがあらかじめそろっていて、すぐに利用開始できる」ことが利点だと、安原氏は言う。サーバを用意する必要もなく、監視やセキュリティ対策も行ってもらえる。さらに「定期的にバージョンアップ」することも利点だ。店舗は、FutureShop2を使い続けることで常に最新のシステムを利用することができる。

 自社ECを開始する際、スモールスタートを行い、規模が拡大するにつれオプション機能の追加やプラン変更を行う店舗も多いとのこと。申し込むだけで追加や変更ができるので、そのたびに店舗側で仕様検討などを行う必要がない。

 ASPカートというと何かと制限があるという印象も受けるが、FutureShop2では機能が作りこまれている。聞けば一店舗当たりの平均年商が高い、自社ECサイトの運営をよく知る店舗のノウハウが詰まっているとのこと。デザインの自由度も、ブランドの世界観にこだわるアパレル企業が多数利用していることに代表されるように、かなり高い。使いこなすためにはハードルが高い気がするが、そこはサポートが充実している。機能の使いこなし方はもちろん、キャンペーン施策の実施方法やデザインにさらにこだわりたい店舗には制作会社の紹介を行うなど、店舗の立場に立った丁寧なサポートが受けられるのも、フューチャーショップの特徴と言える。

まず「誰にファンになっていただくか」を考える

 自社ECを開始する際に、まず必要なのは「どのような顧客に店舗を好きになってもらいたいか」だと言う。「自社ECは、構築して終わりではなく、そこから集客や販促、そしてお買い上げいただいた顧客にゆくゆくはファンになっていただく必要がある」と安原氏。どのような人に、どのようなストーリーでファン化を促進するのか、そのための機能がASPカートに備わっているのか、そういったことを逆算して考える必要があると言う。

 成長するEC店舗というのは、「PDCAをきちんと回している」ことが共通しているそうだ。誰に支持されたいかというイメージを基に、仮説を立て、そのための施策を行い、結果を分析する。その分析に役立つツールとして、今の主流はGoogle Analyticsだが、まずは何の数字を見ていいか分からないとPDCAを回すことは難しい。そのような勉強会も、フューチャーショップで開催している。「施策の実施」と「結果の確認」を両輪に自社ECの運営を行うことが大切なのだそうだ。

独自ドメイン店舗は今、「ブランディング」必須

 ASPカートのみならず、独自ドメイン店舗全体の話にはなるが、これからのEC店舗には「この店舗だから買いたい」というブランディングが必要になると言う。

 EC市場が拡大する中で、ユーザーと共にEC店舗の数も増え続けている。モール出店の店舗では、簡単に比較できてしまうため、どうしても価格競争になってしまいがちだ。つまり、価格以外の価値が必要になってくる。そこで世界観の提供や独自のキャンペーン施策を実現できる自社ECが重要になる。「顧客のファン化を促進するために、この店舗だから買いたいという理由やブランディングが必要になってくると考えます」。

 そのために重要なのが、顧客とのコミュニケーションだ。最近盛んに言われるようになった「オムニチャネル」もこの流れの中にある。ECは購買や閲覧したデータに基づいて何かを提案することは得意なものの、その人がどのような気分や目的で来店しているか、そういった感覚的なニーズを捉え、共感することが苦手なためどうしてもコミュニケーションに限界がある。

 ブランディングは企業そのものが持つ価値や独自性だけではなく、顧客の感性を刺激し、企業との共感をいかに作り出すか、がキーとなってくる。実店舗では内装やディスプレイ、そして何よりも店員とのやり取りにより顧客の感覚を刺激する存在であることは間違いない。実店舗とECの得意な点を組み合わせ、顧客に新しい価値を提供することで、さらなるブランディングを行い、ファン化を促進する。

 それらのPDCAを回すために、まず必要なのが、チャネルに関係なく自社の本当のお客様が誰なのかを知ること。それに気づいた企業が実店舗とECのオムニチャネル化を行い、顧客統合を実現するケースは確実に増えており、フューチャーショップでもその需要に対応したECプラットフォーム「FutureShop2X」を提供している。

 実店舗とECで別々に持っていた顧客の属性や購買のデータやポイントプログラムの統合を行うことで、自社の顧客が誰かが分かり、さらなるファン化の促進やキャンペーン施策を実施し、その結果を知ることができる。具体的には、チャネルを問わずよくお買い上げいただく方に優遇施策を実現できる会員ステージ制度の提供や、実店舗で購入した際に付いたポイントを利用してECでオトクに買ってもらうなど、顧客に対してさらなる「この店舗で買う理由」を提供することができる。さらには実店舗でお買い上げいただいた方にもサンクスメールでコミュニケーションを取り、ECに誘導して顧客接点を点から面に広げるなど、コミュニケーションやブランディングを大切にする企業にとっては、価値の高いサービスであると考える。

他のサービスとは違う、FutureShop2の特徴

 前述のような時代の流れを先取りして、EC店舗にとって必要なサービスを必要な時に提供できるのも、FutureShop2の特徴だ。EC店舗で取り組みたいアイデアがある時、FutureShop2というプラットフォームに乗っていれば、すぐに挑戦できる体制を整えている。

 フューチャーショップは、幸運にも昔から自社ECで成功された店舗が多かったと言う。その店舗をサポートする中で生まれたノウハウを、機能やサポートを通じて全店舗に還元することに力を入れている。現在公開している自社EC運営のノウハウが詰まった『虎の巻』もその一環だ。勉強会やセミナー等も積極的に開催し、自社EC運営について学んだり、他の店舗の取り組みを聞いたりできる機会を積極的に設けている。ただし、そういった情報は、あくまでも「自分達の店舗をどうしたいか」に基づいて取捨選択することが必要だという。そういった学ぶ気持ちの強いEC店舗にとって、FutureShop2は心強いASPカートと言えそうだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事