トランスコスモス、中国UNQとの提携強化の理由とは

ECのミカタ編集部

トランスコスモスがUNQに追加出資、近づく中国市場

 トランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)は、中国でコスメ・パーソナルケア・食品のEC向けの流通を行う優趣匯(上海)供応鏈管理有限公司(以下、UNQ)に追加出資し、資本・業務提携を強化することを公表した。今回の追加出資により、トランスコスモスの出資比率は26.3%から39.9%となり、UNQ王社長に次いで第二位の株主となる。

 今回、追加出資が行われた意図としては、トランスコスモスとUNQとの提携を強化し、トランスコスモスのサービスを利用する企業の商品を、中国大手オンラインリテーラーを通じ販売するダイレクトセールスモデルに注力するためだ。

 さらに企業はその商品を中国市場のみならず、トランスコスモスが持つASEAN EC市場のBtoCチャネルや欧米での販路を活用して販売することできるので、企業にとっては新たな販路の拡大と売上向上を期待することができる。
 
 そもそも、トランスコスモスがかねてより提携しているUNQとはどのような企業なのだろうか。

食品流通大手UNQとは?新たな販路拡大に貢献

 UNQは、資生堂、コーセー、サンスター、ユニチャーム、カルビーをはじめとする、日本ブランドを中心としたEC向け流通事業者として、正式なオンラインリテーラー向け販売代理権を取得し、「JUMEI」「一号店」「JD.com」など中国の大手オンラインリテーラー向けに卸・販売促進を行っている。

 さらにUNQは、中国で最大規模のEC向けコスメ・パーソナルケア・食品流通事業者として近年大きく売上を伸ばしており、2020年には600億円を上回る勢いである。トランスコスモスは、そんなUNQと2015年3月から資本・業務提携を行い、EC向け流通事業者という立場で中国ECの流通に関わってきた。

 またUNQは日本からの越境ECモデルを構築し、中国での日本ブランドの販売拡大を推し進めているので、日本の企業がより中国へと進出しやすい環境を整えている。

 中国が日本の高品質な商品を求めていることは既にわかりきっていることだが、そうした需要に対してメーカーはもちろん日本のEC事業者も応えきれていないのが現状だ。

 こうした状況をどのように打破し、新たなビジネスチャンスを生み出していくか。EC業界の未来は越境ECのあり方にかかっているのではないだろうか。

 今回のトランスコスモス、そしてUNQの提携がEC事業者の新たな販路拡大に導いてくれるかもしれない。そうしたことからも考えられるように、越境ECがEC事業者にとって、そして私たちにとって当たり前になってくるのは、そう遠いことではないはず。

 その時が来たときに、しっかりと売り上げを上げられる戦略が整っているか、EC事業者は今から準備をする必要があるのではないだろうか。


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