冷房機能をうたう6銘柄すべて「冷房機能なし」 国民生活センター調査
独立行政法人国民生活センターは2026年3月11日、「エアコンのような性能をうたう商品」について、広告に表示されている機能や性能について調査。その結果とともに、消費者に注意喚起した。
“エアコン”のような効果商品への相談
家庭で使用されるルームエアコンやポータブルエアコン、いわゆる「エアコン」は、室内の温度や湿度を調整する空調機器。主に冷房・暖房・除湿機能を備えている。近年では、快適性と省エネ化などの環境配慮の両立が進んでおり、住環境において、欠かせない存在だ。
PIO-NET(※1)には、インターネットショッピングで購入した、置くだけで空間の温度を上げたり下げたりする“エアコン”のような効果をうたう商品について、次のような相談が寄せられている。
◆「動画共有SNSの広告を見て、卓上ヒーターを購入した。『外は冬でも部屋の中は半袖』と書いてあるが、顔を近づけないと暖かさを感じない。温風が炎になって吹き出している広告に騙された」(2025年12月受付、80歳代、女性)
◆「SNS閲覧中に室外機のいらない簡易エアコンの広告を見た。広告には日本の大手電機メーカーと共同開発のようなことが表示されていた。かなりの風量があり、3分で部屋中冷たくなるように見えた。商品が届き開封すると、広告とは違って弱い風がどうにか出る程度だった」(2024年8月受付、70歳代、男性)
6銘柄すべて「冷房機能を有していない」
国民生活センターは消費者からの相談を受け、商品テストを実施。その結果は以下の通りとなった。
◆冷房機能を有することをうたう6銘柄すべてが、冷房機能を有していなかった。
◆規定の時間で部屋を暖めることをうたう5銘柄すべてが、時間内に温度を上げることはできなかった。
◆交流電源を使用する5銘柄すべてで、動作中の消費電力が表示消費電力を下回った。
また、表示の調査についても次のような結果となった。
◆取扱説明書の記載内容を確認したところ、10銘柄中7銘柄が英語または簡体中国語で記載されており、日本語での記載はなかった。
◆販売サイト上の広告で冷房機能があることをうたうすべての銘柄で、取扱説明書に冷房機能に関する記載がなかった。
◆テスト対象銘柄

※画像元:空調能力のない“エアコン”に注意!(独立行政法人国民生活センター)
誤認することのない明確な広告表示を
こうした状況を受け、国民生活センターは各事業者に対して「消費者が商品を選択する際に機能や性能を誤認することのない明確な広告表示をするよう要望します」とアナウンスした。
また、消費者に対しても「『数秒で室温が変化する』『エアコン並み』等、冷暖房機能の性能を誇張する広告のある商品は、購入前に記載内容を十分に確認しましょう」とアドバイスを実施している。
春から夏にかけて、冷房器具の需要が伸長することが想定される。消費者に信頼される運営や健全な市場の構築に向け、事業者には本件の内容を踏まえた適切な対応が求められる。
※1:国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベース。


